■マリー・ブレアさんの絵本 |
Mary Blair 1911-1978。絵本作品多数。40年にわたる執筆活動のほとんどで、ディズニーの重要なプロジェクトにかかわってきた。1964年から1965年に開催されたニューヨーク世界博でのパビリオン「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインをしたことでも、知られている。 (『わたしはとべる』講談社 表紙カバー見返し裏 著者紹介欄 より) |
『わたしはとべる』*洋書 |
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『わたしはとべる』 ルース・クラウス文 マリー・ブレア絵 谷川俊太郎訳 講談社 2005年9月
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「ことりはとべる わたしだってとべる」
愛らしい女の子の素直ないのちの喜びを、心はずむテキストとイラストで、元気いっぱいうたいあげます。 あどけない小さな女の子の真っ白い綿菓子のように広がる夢を、大切に守り、大きくはぐくんであげたい、祝福の絵本。
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さて。 何気なく図書館で見つけて息が止まった可愛い絵本をご紹介。 これって、どこかの洋書系ネット古本屋さんで見かけてほぼ一目ぼれ、アマゾン洋書で眺めるたび、可憐でキュートな夢見る表紙に、ほのぼの和んでは目じりをさげていていたものでした。 ついに邦訳、なったのですね!
原書は『I CAN FLY』Random House, Inc.1951年刊行だそうです。 アマゾン洋書ではこちらなど ↓
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『I CAN FLY』 Golden Pr; Reissue版 (1992/06)
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↑ リトル・ゴールデンブックスの1冊のようですね。
はっきりとしたフォルムのふくふくとしたやわらかいタッチ、砂糖菓子のように甘くてちょっとシックな色使い、元気いっぱいでちょっとおしゃまな女の子の豊かな表情、まねっこのなりきりポーズ・・・。 可愛すぎます。 もともとが古い絵本のせいか、印刷の感じも、比較的鮮明なページにまじって、なんとなくにじんだようなピントの甘いページがあって、どこか古い写真を見ているようなレトロな雰囲気にひたれます。 とろとろととろけそうに可愛い!
アメリカを代表する詩人、劇作家、そして児童文学者のルース・クラウスさん(1901-1993)のテキストも、無邪気な女の子のおしゃべりのような愛らしさ。もちろん、谷川俊太郎さんの訳がすばらしいのだと思います。
「ことりはとべる わたしだってとべる」
元気なつぶやきに、元気なイラストが見開きにわたって描かれます。 町の屋根の上に浮かぶ空の、左には飛ぶことり、右にはブランコを立ってこぐ女の子。 わたしだってとんでみる。ほら。 ブランコでいきおいよく風を切る女の子は、ことりのような羽はないけれど、しっかりと足を踏ん張って、しっかりと空を見つめてる。 わたしだってとべた。わたしだってとんでる。ほらね。ことりとおともだち。
「めうしはもう わたしももう」
今度は牧場。 柵の向こう、左側にもぉうぅ・・・と、うっとりと目を閉じて首をのばし、鳴くめうし。右側には同じ柵にもたれて、うっとりと目を閉じた同じポーズで、もぉうぅ・・・と、鳴いてみる女の子。 わたしだって鳴いてみる。そんな風にどこか楽しく、どこか切なく、のんびりゆったり鳴いてみる。 ほらわたしだって鳴けた。わたしだって鳴いてる。めうしとおともだち。
今度は野原・・・。
一枚一枚、どれも扉絵になりそうに華やかで、愛らしくて、いきいきとした楽しいイラストと、リズミカルで歌うようなテキストが、小さな女の子の天真爛漫で曇りなくきらきら輝く世界に、読み手をわくわくと誘い出してくれます。 とにかくほほえましくて、チャーミング。 清く明るく元気一杯、前向きに上向きに肯定的に、うきうきとハミングしたくなる愛らしい絵本。 この絵本の女の子のように、なりたいものに、なってみよう、という素直で心を開いた気持ち、なりたいものに、きっとなれる、という無邪気だけれど心強い鼓舞が、ページを開くたびまっすぐ届いてくる気持の良い作品です。 よろしけれぱ図書館などで親子でごらんになってくださいね。
マリー・ブレアさんをアマゾン洋書で検索するとこちらなど。↓
『The Art and Flair of Mary Blair : An Appreciation』 Disney Editions; 1st版 (2003/08)
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『The Up and Down Book (Golden Sturdy Book) (ボードブック) 』 Golden Books; Board版 (2004/08)
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