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『山のごちそう どんぐりの木』 ゆのきようこ文 川上和生絵 理論社 2005年
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身近などんぐりと生き物たちの豊かなかかわりを、情緒のある美しい絵と文でゆったりと描いた科学絵本。 穏やかな絵と文で、丁寧につくられたシリーズは、全部集めたくなります。
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どんぐりの木です。 冬、どんぐりがなるコナラの木に、葉はありません。 そして、枝の先には・・・ たくさんの芽が、春のおとずれを待っています。 ・・・
どんぐりの木の一年を丹念においかけながら、どんぐりについていろいろな知識を深めていく絵本。 和を感じさせる、すこしくすんだやさしい色合いの、均整のとれた美しい挿絵に魅了されます。 写真は一枚もないのですが、大きさや色形がきちんととらえられ、すっきりとまとまっている端整なイラストが、どんぐりの美しさを再発見させてくれるよう。 生き物たちとの共生、人間とのかかわりも、うろ覚えだったこと、知らないことがゆったりと丁寧に描かれていて、さわやかな読み心地。 コナラの木を中心に描かれていますが、子どもの頃夢中で拾い集めたどんぐりの実は、どの木の実だったのかな・・・なんて、名前が載っていると嬉しいですよね。
川上和生 かわかみ かずお・・・1959年北海道に生まれる。北海道デザイナー学院卒業。デザイン会社勤務を経て独立。雑誌、広告などで活躍中。絵本の挿絵に『そだててあそぼう リンゴの絵本』(農文協)、『やまなし』(三起商行)▲など。 (『山のごちそう どんぐりの木』理論社 著者紹介 より)
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『春の主役 桜』 ゆのきようこ文 早川司寿乃絵 理論社 2006年
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春になりました。 桜の花を見に行きませんか・・・。
穏やかな絵と文で、はかなくもあでやかで、美しい桜の魅力と不思議を、閉じ込めたような科学絵本。
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春になりました。 桜の木では、花芽がふくらんで、 つぼみが顔をのぞかせています。 ・・・
美しい桜の不思議に魅せられて、ふわりとお花見に出かけたくなる科学絵本。 おだやかな文と絵に導かれながら、日本でいちばん多く見られるソメイヨシノについて、桜前線の秘密について・・・などなど、桜に関する知識が深まっていきます。 ほんのり桜色を基調とした色使いや、はかなげなか細い線に、うっとり。 掛け軸や、ふすま絵になぞらえて描かれた、桜のあるおくゆかしい風景が、とても雅やかな雰囲気。 ページの片隅にちょっこりとあらわれる、豆ほどの天狗と犬も、ますます愛らしく、印象的。 桜の季節になると、どこか心浮き立ち、愛でずにはいられないいにしえからの心が、よみがえってくるような、美しい絵本。
早川司寿乃・・・1959年愛知県に生まれる。東京デザイナー学院名古屋校イラストレーション科終了。絵本の挿絵に『マジョモリ』(理論社)、『だまし絵であそぼう』(岩波書店)、『写真の国のアリス』(福音館書店)などがある。 (『春の主役 桜』理論社 著者紹介 より)
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『日本の風景 松』 ゆのきようこ文 阿部伸二絵 理論社 2005年
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松といっしょに時をきざんできた日本人の心の風景が 見えてくるような、美しい科学絵本。 松の魅力、和の魅力がたっぷり。
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クロマツです。 幹は黒っぽくゴツゴツしています。 葉はするどく、さわるといたいです。 枝は、太く、がんじょうです。
クロマツは、海岸の砂浜にたくさん見られます。 どうしてでしょう。 ・・・
心になじむ、松のある風景。それは、人が時間と労力をかけて、築き上げてきた風景でした。 今も人々の近くにあるいろいろな松について、松の特性について、利用法について、日本人と松の昔からのかかわりをからめながら、しっとりとした文と絵で描いた科学絵本。 版画のようなかすれた雰囲気と、和を感じさせる落ち着いた色合いが、とても美しく、心地よく広がっています。どこか、古いマッチラベルのような刷り上りの感じや、浮世絵のような海の波も、魅力的。 いつまでもながめていたいと思うのは、昔からいつもそばにあるなつかしい風景だからかしら。 品のいい穏やかな文章が、松についていろいろなことを教えてくれます。
阿部伸二・・・1975年青森県に生まれる。東京造形大学デザイン科卒業。デザイン事務所カレラのイラストレーターとして、雑誌、書籍装画やCDジャケットなどで活躍中。他の絵本の挿絵に『日本の材木 杉』▼(理論社)がある。 (『日本の風景 松』理論社 著者紹介 より)
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『日本の材木 杉』 ゆのきようこ文 安部伸二絵 理論社 2006年
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どうして、こんなにたくさんの杉が植えられるようになったのでしょう。
杉の魅力発見の旅に、あなたも参加してみませんか。 さっぱりと明快な絵と文で、杉の魅力を知り、杉と日本人の暮らしを知ることができる、楽しい科学絵本。
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たのしい杉発見の旅に出かけませんか。 杉といえば、花粉症だけではないのです。家、橋、樽、おけ・・・日本各地に分布し、成長がはやく、まっすぐで、軽くて加工しやすい杉は、昔から、日本の材木として、さまざまに利用されてきました。 とても役に立つ杉の木の魅力を、さまざまな時代の不思議な4人と、バスガイド・杉田杉子による「杉発見の旅」にて、てきぱきと楽しくご紹介。 杉の植林の山や、にぎやかな江戸時代の町風景など、簡潔で明るい雰囲気のイラストも、見どころ満載。 さまざまな場面で日本の生活を支えてきた杉について、杉を無駄なく活用してきた日本人の知恵について、いろいろ知ることができます。
イラストは、『日本の風景 松』▲(理論社)と同じ、安部伸二さんが担当しています。絵のタッチはまた少し趣きが異なっている感じです。
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