■特集*おはようシリーズ(3〜4歳児版)あい書房 品切れ
1975-1976年を中心に、発行・あい書房、発売・童心社から、「おはようシリーズ」というハードカバーの絵本が出版されたようです。3-4歳の子どもが楽しく親しんだり、自分で考えたりする知育絵本で、保護者への解説ページもおさめられた総合絵本になっています。現在入手困難で、図書館の蔵書も少なく、ほとんど未読なのですが、執筆者の顔ぶれが豪華で、かなり充実した内容だったのでは、と思われます。
もくじ3『おはようおもちゃばこ』6『おはようバスくん』8『おはようおひさま』9『おはようおでこちゃん』10『おはようきいろちゃん』
≫別頁4『おはようおちゃわん』

 
「おはようシリーズ」 テーマ あい書房 品切れ
おはよう ありさん おはようシリーズ 1 (虫) かこ さとしぶん・え 1974
おはよう かにくん おはようシリーズ 2 (山、川、海) かこ さとしぶん・え 1974
おはよう とんかち おはようシリーズ 3 (道具) かこ さとしぶん・え 1974
おはよう かみなりどん おはようシリーズ 4 (季節) かこ さとしぶん・え 1975
おはよう にんじん おはようシリーズ 5 (植物) かこ さとしぶん・え 1975
おはよう おかあさん おはようシリーズ 1 家族 土方 重巳著 1975
おはよう タオルちゃん おはようシリーズ 2 身のまわり 鈴木 寿雄著 1975
おはよう おもちゃばこ おはようシリーズ 3 玩具 山脇 百合子画 1975
おはよう おちゃわん おはようシリーズ 4 食事 宮下 森画 1975
おはよう こねこちゃん おはようシリーズ 5 動物 安 泰画 1975
おはよう バスくん おはようシリーズ 6 乗物 津田 光郎画 1975
おはよう おともだち おはようシリーズ 7 友達 久保 雅勇画 1975
おはよう おひさま おはようシリーズ 8 あいさつ 馬場 のぼる作・画 1975
おはよう おでこちゃん おはようシリーズ 9  からだ かこ さとし作・画 1976
おはよう きいろちゃん おはようシリーズ 10  色と形 西巻 茅子作・画 1976

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『おはようおもちゃばこ』あい書房 品切れ

おはよう おもちゃばこ

ビーケーワン、1977年

考える子を育てる総合絵本3
『おはようおもちゃばこ』
画・山脇百合子
発行所・株式会社あい書房
編集・はじめての本刊行会
発売・童心社
1975年
品切れ

やさしくて親しみやすい山脇百合子さんのイラストの総合絵本。テーマは「おもちゃ・遊び」
「おもちゃのうさぎ」(し・アグニヤ・バルド、やく・ふくいけんすけ)
「おもちゃであそぼう」(このおもちゃで何してあそぶ?)
「つくろうつくろう」(工作)
「とてもいいなわ」(さく・なかがわりえこ、創作物語)
「おやのページ あそんで力がふえていく三つちゃん すずきとく」
「ゆうこもせんせい」(絵をみてお話を考えてみよう)
「この絵本を理解するために」(解説)

ぐりとぐら』(福音館書店)オンライン書店ビーケーワン:ぐりとぐら山脇百合子さんがイラストを手がけた「おはようえほん」は、やわらかいカラーのページと、青色の2色刷りのページの、交互に編まれた古典的な構成です。山脇百合子さんの青色の単色のページは、結構珍しいように思うのですが、どうかしら?

なかがわりえこさんとの作品、「とてもいいなわ」の主人公は、ゆうじ、という名前の男の子。『そらいろのたね』(福音館書店)オンライン書店ビーケーワン:そらいろのたねにも通じている雰囲気で、とても親しみがわいてきます。なにより、一本の長いなわをつかって、いろいろ工夫してごっこあそびを楽しんでいる物語が、とてもほほえましくて、身近に感じます。ひもだって、何だって、子どもにとっては立派なおもちゃ、あれこれ想像して、創造することが楽しいのですよね。

子どもにとってのそんなおもちゃとのかかわりの大切さも、解説などでわかりやすく説いてくださっています。

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『おはようバスくん』あい書房 品切れ

おはよう バスくん

考える子を育てる総合絵本6
『おはようバスくん』
作画・津田光郎(つだみつお)
発行所・株式会社あい書房
編集・はじめての本刊行会
発売・童心社
1975年
品切れ

長年自動車を描いてきた津田光郎さんが作画を手がけた総合絵本。テーマは「乗り物=自動車」。
他の「おはようシリーズ」の、お話、イラスト、解説、のようにいくつかのまとまりに分かれている構成ではなく、
「おやのページ 乗物と三つちゃん すずきとく」
と、巻末の解説のページ
「この絵本を理解するために」
以外は、ひとつのゆるやかな物語になっていて、町内旅行でみんなを乗せたバスくんといっしょに楽しくページを進みながら、目にしたいろいろな乗物について自然に興味を持ったり、学べるようになっています。

津田光郎さんのあたたかなタッチの写実的なイラストが、当時の雰囲気をとてもよく伝えていて、なつかしい雰囲気。
カラーのページと赤と黒の2色刷りのページの交互に編まれた構成。
津田光郎さんのその他の絵本には、『くるまはいくつ』(新日本出版社)、『きかんしゃ パピー 』(あかね書房、品切れ)などがあります。

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 『おはようおひさま』あい書房 品切れ

おはよう おひさま

ビーケーワン

考える子を育てる総合絵本8
『おはようおひさま』
作画・馬場のぼる
発行所・株式会社あい書房
編集・はじめての本刊行会
発売・童心社
1975年
品切れ

馬場のぼるさんのほのぼのと軽やかなタッチで、子どもの一日のあいさつを描いた総合絵本。テーマは「あいさつ」。
他の「おはようシリーズ」の、お話、イラスト、解説、のようにいくつかのまとまりに分かれている構成ではなく、
「おやのページ あいさつとことば すずきとく」
と、巻末の解説のページ
「この絵本を理解するために」
以外は、幼稚園に通う男の子の一日の物語になっていて、身近な会話のふきだしの台詞を中心に、まんが形式で楽しくあいさつやマナーが学べるようになっています。

馬場のぼるさんの平明で軽快な線画と彩色の愉快なイラストで、こどもに身近なさまざまな場面が、とてもよくわかって楽しい絵本。
こんなとき、どんなあいさつをするか、なんて言えばいいか、お友達、先生や家族とのかかわりを一緒に学べます。
淡くみずみずしいカラーのページと、赤と黒の2色刷りのページの交互に編まれた構成。
ところどころに顔をのぞかせているのは、11ぴきのねこ、かな?

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『おはようおでこちゃん』あい書房 品切れ

おはよう おでこちゃん

ビーケーワン

考える子を育てる総合絵本9
『おはようおでこちゃん』
作・画 かこさとし
発行所・株式会社あい書房
編集・はじめての本刊行会
発売・童心社
1976年
品切れ

子どもたちの大好きな加古里子さんのふくふくと愛らしいイラストが、みんなの体の名前や仕組みについて、やさしく教えてくれる総合絵本。テーマは、からだ。
他の「おはようシリーズ」の、お話、イラスト、解説、のようにいくつかのまとまりに分かれている構成ではなく、全体がひとつのまとまりになっていて、後半近くに、
「おやのページ 三つちゃんのからだ すずきとく」
が、さしはさまれている構成になっています。

さあ
おでこちゃんはどこですか。
おはなちゃんはどれですか。
てはいくつありますか。どんなやくにたつでしょうか。
あしは?
さあ、わたしたちのからだについて、にんげんのからだについてかんがえてみましょう。

みんなで絵本を見ながら、自分の体とくらべっこしたり、まねっこしたり、どんな役に立つか、何ができるか考えてみたり、楽しく学べるちいさな科学絵本。わたしたちのからだをよく知って、いつも清潔に、大切にしましょうね。

カラー構成は、オレンジ色と黒色の2色を基調としていて、全体的に色数をおさえた感じ。2色だけのページが右ページ、2色に水色、黄色、赤色などが足されているカラーページが左ページ、というように、交互に編まれている構成。
(他のシリーズも、2色ページとカラーのページが交互に組まれた構成のものが多いですが、他のシリーズは、見開き一場面のまとまりで、交互に組まれた構成になっています)

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『おはようきいろちゃん』あい書房 品切れ

おはよう きいろちゃん

ビーケーワン

考える子を育てる総合絵本10
『おはようきいろちゃん』
作・画 西巻茅子

発行所・株式会社あい書房
編集・はじめての本刊行会
発売・童心社
1976年
品切れ

ほのぼのとした西巻茅子さんのイラストが楽しい総合絵本。テーマは色と形。
「にげだしたきいろちゃん」(創作物語)
「いろいろなかたち」(形のぬりえ、黄色と黒の2色のページ)
「●まるいさんのうちはまるいものばかり」(イラスト、まるいさんのうちとしかくいさんのおうちのなかの様子を比べて楽しむカラーページ)
「■しかくいさんのうちはしかくいものばかり」(イラスト、同上、カラーページ)
「おやのページ おかあさんもいっしよに すずきとく(鈴木とく)」
「この絵本を理解するために」

にげだしたきいろちゃん
おかあさんが編んでくれた黄色いセーターが気に入らないまーちゃん。
「きいろはきらいよ。ピンクのセーターあんでよー。」
すると、
「そんなにきいろがきらいなら こっちこそいやーだよ。」
セーターのきいろちゃんがにげだしてしまいました。
さらに、朝ごはんから、まーちゃんの好きなバナナとたまごやきとレモンジュースのきいろちゃんもにげていってしまって・・・!

奇想天外なきいろちゃんの物語。はなうたまじりに小筆でゆらゆら描いたような可愛い輪郭線に、色鉛筆でちょこちょこと塗られたような黄色が、思いのほか鮮やかにきわだつ作品。サインペンで塗られたような部分や、クレヨンで塗られたような部分もあって、お絵かきする楽しさにあふれています。
夜になるとお月さまのところでねむる、愛らしいきいろちゃんのファンタジーがとても好きです。結末の黄色と黒の2色のページもばっちりきまって、ほほえましくてにっこり。
物語のページは、黄色と黒色の2色のページと、2色にピンクや水色、赤色が加わったカラーのページの、交互に編まれた構成になっています。

楽しい物語や愉快なイラストをながめているうちに、色々な色や形に親しめるような一冊になっています。

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