■特集*ビギナーブックシリーズ
日本パブリッシング株式会社*わたしがひとりでよめるほん 現在品切れ
1968-1970年代初め頃、ドクター・スースのマークが目印の、ランダムハウス社・Random House社のBeginner Books ・ビギナーブックシリーズが、楽しい日本語の本として出版されました。巻頭には「監修者のことば」や、「お母さまがたへ」の文章が添えられ、別に解説書もついていたようです。
愉快で簡潔で明快な文(原文はおそらく韻を踏んでとても心地よいのでは)、文に忠実に描かれ、さらに楽しさをふくらませる軽快な絵、キャッチボールのような文と絵で言葉の意味や物語の流れを確認しながら、ひとりで読み進む喜びをはぐくむ物語。夢いっぱいのお話も面白いけれど、素朴で陽気な絵もどこかなつかしくて新鮮。
邦訳は現在は惜しくも品切れのものばかりですが、タイトルや版元が変わって現在も愛され続けているものもあります。
原書の多くは、今もずーっと愛され続けています。はじめての楽しい明るい洋書読本をお探しの方に、これはぴったりかも!
別頁≫もくじ*P.D.イーストマンさんの絵本1*P.D.イーストマンさんの絵本2*ロイ・マッキーさんの絵本*ベレンスタイン夫妻の絵本*ビー・トビーさんの絵本*エリック・ガーニーさんの絵本*その他の画家の絵本1*その他の画家の絵本2

■その他の画家の絵本2
16『ババール王さまのかんむり』*18『ドリトル先生とかいぞく』***ポップえほん『まほうのすきな王さま』
≫別頁 その他の画家の絵本1*5『どうぶつえんにすみたいな』*14『かいていりょこう』*17『どうぶつごやをつくったら』

             
『ババール王さまのかんむり』日本パブリッシング 品切れ

ババール王さまのかんむり

ビーケーワン 

16
『ババール王さまの
かんむり』
さく・え ロラン ド プリュノフ
Laurent De Brunhoff
ぶん わたなべしげお
日本パブリッシング
1969年
品切れ

ババールのお話も、ビギナーブックの一冊になっていたのですね。
汽車でパリ見物に出かけたババール王さまとその一行のにぎやかな物語。汽車を降りてタクシーを待つときに、横にいたひげの男にかばんを取り間違えられてしまって、大騒ぎ。大切なババール王さまのかんむりが入っているはずの赤いかばんをホテルで開けたら、出てきたのは知らないフルート。今夜の音楽会に、かんむりが必要なのに!
「パリじゅうをさがして、ひげのおとこをみつけましょう。」
ババールたちは、パリ中を探し回りますが・・・。

ゆったり堂々とした楽しいイラストは、こなれたタッチに軽やかな色使い、すっきりと無駄もなし。ひげの紳士を探しながら、パリ見物もしちゃいましょう。ババールの絵本にしては、小さなサイズが新鮮?

原書は『BABAR LOSES HIS CROWN』1967。
後に再版されたと思われる、1967年版とは異なる絵本を、アマゾン洋書で発見しました。↓

『Babar
Loses His Crown
(Babar
(Harry N. Abrams))
(ハードカバー) 』
Harry N Abrams (2004/10)
32p

この表紙は、邦訳の中表紙のイラストと同じだと思われます。
装丁、版型が異なっています。

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『ドリトル先生とかいぞく』日本パブリッシング 品切れ

ドリトル先生とかいぞく

ビーケーワン

18
『ドリトル先生
とかいぞく』
さく ヒュー ロフティング
Christopher Lofting
アル パーキンス
Al Perkins
え フィリップ ウェンド
Philip Wende
ぶん なめかわみちお
日本パブリッシング
61p
1969年
品切れ

ビギナーブックシリーズむけの「ドリトル先生」シリーズの一冊。
ドリトル先生と動物たちののった船が、海で海賊船と鉢合わせ。ところがそのとき、ドリトル先生の船のくろねずみが教えてくれたことには、ドリトル先生の船が、もうじき夜までには沈んでしまうというのです!これは大変と、島に上陸したドリトル先生たちでしたが、海賊たちも続いて島にやってきて・・・!

なつかしい雰囲気のシンプルで丁寧な線画で、どんどん先が読みたくなる本。
原書は『DOCTOR DOLITTLE AND THE PIRATES』1968
アマゾン洋書ではこちらなど。↓

『Doctor
Dolittle
and the
Pirates
(Beginner Books S.)
(ペーパーバック)』
Picture Lions
(1987/6/30)
64p

下地の青色が、邦訳では白色となっているなど、装丁が少し異なっていますが、表紙のイラストは邦訳と同じだと思われます。

Hugh Lofting\'s Travels of Doctor Dolittle

『Hugh Lofting's
Travels of
Doctor Dolittle
(ハードカバー) 』
Picture Lions
(1987/6/30)
64p

他にも同じコンビで「ドリトル先生」のビギナーブックシリーズが出版されているようです。

■アル・パーキンスさん(テキスト)の絵本はこちらにも・・・
≫別頁*10『あなほりいちばん』*13『イアン フレミングのチキチキバンバン』*18『ドリトル先生とかいぞく』

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ポップえほん『まほうのすきな王さま』日本パブリッシング 品切れ

まほうのすきな王さま

ビーケーワン


『まほう
すきな
王さま』
さく アルバート ジー ミラー
Albert G. Miller
デザイン ポール テイラー
Paul Tayler
指導 幼少年教育研究所
日本パブリッシング
18p
1968年
品切れ

(邦訳絵本に記載はありませんが、Tor Lokvig イラスト?かもしれませんが、くわしくは不明。このTor Lokvig さんもまた、多くのポップアップ絵本のエンジニアなどを手がけている方のようです。)

ニックスのくにの王さまはたいへん魔法がすきで、毎日毎日、夜もよく寝ないで練習していましたが、どうしてもうまくできません。
王さまにはきれいなおひめさまがいて、ある日みんなをあつめて言いました。
「まほうのしあいをやろう。しあいにかったものには、ひめをおよめにやるぞ。」
あつまった人のうしろにいた、百姓の姿をしたクリスは、ひとめでおひめさまがすっかり好きになり、一生懸命魔法の練習をはじめました。

魔法の試合の日、たくさんの魔法使いたちがやってきて、つぎつぎと見事な魔法を披露しました。最後に進み出たクリスは、本当はとなりの国の王子だったのですが、
「王さま、わたしにもまほうをやらせてください。」
と、一生懸命頼み込んで・・・。

ころんとした形、愉快な表情、カラフルでシックな色使いの、なつかしい感じの愛らしいイラストと、ページをめくるごとに楽しませてくれる、さまざまな仕掛けが楽しい絵本。つまみをひっぱると浮き出たり、ぱらりとめくれたり。
紙も比較的しっかりしていますので、子どもたちが繰り返し遊んで楽しむことができそうです。
原書は『THE TOURNAMENT OF MAGIC』とあります。
Albert G. Millerさんは、『The Adventures Of Doctor Dolittle A Pop-Up Book』(Marvin Brehm イラスト、Hallmark Cards, Inc. & Random House)という、ドリトル先生のポップアップ絵本などなど、たくさんのポップアップ絵本を手がけた方のようです。
デザインのPaul Taylor さんも、たくさんのポップアップ絵本のデザインを手がけており、自身でイラストを担当した作品も多数あるようです。
二人のコンビのポップアップ絵本には、1960年代後半〜1970年代を中心として、
Circus Book』 (Paul Taylor イラスト、Random House社)、
The Pop - Up Book of Flying Machines』(Dave Chambers and Gwen Gordonイラスト、Paul Taylor デザイン、Random House社)、 
Aladdin and the Wonderful Lamp-A Pop-Up Classic』(Paul L. Taylorイラストとデザイン、Random House社)、
などなど多数のポップアップ絵本があります。

日本パブリッシング社は、当時、何冊かのポップアップえほんも出版していたようです。
ハービーのはつめい』、『サンタクロースがやってくる』、『まほうのすきな王さま』、『かせいからきたイークとフー』、『にじいろのうさぎ』。(このうちビーケーワンの資料を発見できたのは、『まほうのすきな王さま』と、『にじいろのうさぎ』のみ、他は発見できず、ご存知の方教えてくださいませ)
原書は、
「ランダムハウス社とグラフィック社との共同で開発されたものです。」
とあります。
(『まほうのすきな王さま』日本パブリッシング株式会社 あとがき「お母さまがたへ」より)

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