■特集*ビギナーブックシリーズ 日本パブリッシング株式会社*わたしがひとりでよめるほん 現在品切れ |
1968-1970年代初め頃、ドクター・スースのマークが目印の、ランダムハウス社・Random House社のBeginner Books ・ビギナーブックシリーズが、楽しい日本語の本として出版されました。巻頭には「監修者のことば」や、「お母さまがたへ」の文章が添えられ、別に解説書もついていたようです。 愉快で簡潔で明快な文(原文はおそらく韻を踏んでとても心地よいのでは)、文に忠実に描かれ、さらに楽しさをふくらませる軽快な絵、キャッチボールのような文と絵で言葉の意味や物語の流れを確認しながら、ひとりで読み進む喜びをはぐくむ物語。夢いっぱいのお話も面白いけれど、素朴で陽気な絵もどこかなつかしくて新鮮。 邦訳は現在は惜しくも品切れのものばかりですが、タイトルや版元が変わって現在も愛され続けているものもあります。 原書の多くは、今もずーっと愛され続けています。はじめての楽しい明るい洋書読本をお探しの方に、これはぴったりかも! |
別頁≫もくじ*P.D.イーストマンさんの絵本1*P.D.イーストマンさんの絵本2*ロイ・マッキーさんの絵本*ベレンスタイン夫妻の絵本*ビー・トビーさんの絵本*エリック・ガーニーさんの絵本*その他の画家の絵本1*その他の画家の絵本2 |
『どうぶつえんにすみたいな』日本パブリッシング 品切れ
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どうぶつえんにすみたいな
ビーケーワン
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5 『どうぶつえんに すみたいな』 作・画 ロバート ロプジャー Robert Lopshire 文 飯沢匡 日本パブリッシング 1968年 品切れ 61p |
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ぼくは水玉模様の動物。動物園で暮そうと思ったのに、どうして追い出されるんだろ。ぼくのこと知らないんだな。かわいいぼっちゃん、じょうちゃん、いかがです、ぼくの水玉七変化。こんなことも、こーんなこともできるんですよ!なのにどうして動物園で暮せないんだろ・・・それはね! 元気で、コミカルで愛らしい線画に、マーカーで塗りつぶしたようなタッチ。水玉って、奇想天外、こんなに楽しかったのですね。見返しはもちろん水玉。こりゃ、たまげた!
原書『PUT ME IN THE ZOO』 アマゾン洋書ではこちらなど。↓
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『Put Me in the Zoo (Bright and Early Board Book) (ボードブック) 』 Random House Childrens Books; Board版 (2001/11/27) |
邦訳と同じ表紙だと思われます。装丁が少し異なっています。
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『どうぶつごやをつくったら』日本パブリッシング 品切れ
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どうぶつごやをつくったら
ビーケーワン
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17 『どうぶつごやを つくったら』 さく ヘレン・パーマー Helen Palmer え リン フェイマン Lynn Fayman ぶん きしだえりこ 日本パブリッシング 品切れ 1970年 63p
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白黒の写真絵本。 動物を飼いたい陽気な男の子のおしゃべりや、喜怒哀楽の繰り返し、そしてだんだん建て増す手作りの動物小屋の変化が楽しい絵本。小屋もでっかく、夢もでっかくね!
あのね、ぼくはかめをもらったのさ。 だから、ぼくはかなづちをもってきて、いたきれやくぎをあつめて、かめのこやをつくったのさ。 でもねつぎの日、どうなったとおもう? にげちゃった! こやはからっぽ、ぼくもひとりぼっちだ。どうしよう?
あひるもいいな。 ぼくはいけであひるをみつけた。 だけど、かめのこやはあひるに小さすぎる。 そこでぼくはまたかなづちをもってきて・・・。
つぎつぎに動物を連れてくるたびに、それまでのせっかく作った動物小屋は小さすぎて、またまたトンテンカンテン、つぎはぎして大改築。やっとこさ出来上がってごきげんなのもつかのま、そのあと、どうなったと思う? 逃げられたり、うるさすぎたり、ここで飼っちゃだめと言われたり、どうも、やっかいごとばかりで、ぼくはまたひとりぼっち。 あーあ、ぼくのせっかく作ったこの小屋に、ぴったりの動物はいないのかなあ。
庭や公園、農場など、屋外で撮影されている場面が多いので、くっきりと写された白黒の影が、陽気でからりとした雰囲気。へこたれないぼくの楽しい物語を明るく盛り上げています。表紙、見返しの、コラージュ的なイラストもおしゃれ!
原書は『WHY I BUILT BOOGLE HOUSE』1964 アマゾン洋書ではこちら。↓
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『Why I Built the Booglehouse (図書館)』 Random House Childrens Books (Lib) (1964/09)
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ヘレン・パーマーさんとリン・フェイマンさんのコンビのビギナーブック(写真絵本)には、他にも、 『I Was Kissed By a Seal at the Zoo』1962、『Do You Know What I'm Going to Do Next Saturday?』1963、があるようです。 ヘレン・パーマーさんのその他の邦訳には、『トミーは大いそぎ』(大日本図書、品切れ)があります。
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かいていりょこう
ビーケーワン
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14 『かいていりょこう』 作 フレッド フレガー Fred Phleger 作 マージョリー フレガー 画 ウォード ブラケット Ward Brackett 文 神宮輝夫 日本パブリッシング 品切れ |
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頼みの図書館に蔵書がなくて、未読の一冊。 原書はもしかするとこれかなあ。
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『You Will Live Under the Sea (図書館)』 Random House Childrens Books (Lib) (1966/11)
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フレッド・ブレガーさんは、アーノルド・ローベルさんとのコンビの作品で、『Red Tag Comes Back』があります(邦訳は、『かえってきたさけ』▼(文化出版局))。 また、ポールガルドンさんとのコンビで、『The Whales Go By』(1959、I Can Read It All by Myself Beginner Books )という本などもあるようです。
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フレッド・フレガー文 杉浦宏訳 文化出版局 1987年 64p
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←このこのビーケーワンの画像の絵本は品切れですが、≫こちら は現在購入可能です。)
川上にいた少年アックが、ある日出会ったサケの専門家のおにいさんに、稚魚のさけの一匹の背びれに赤いひもで自分のしるしをつけてもらい、あかひもとなづけて、再び川に戻します。あかひもはだんだん成長しながら川を下り、海に出て、命がけで大人になり、再び、生まれた川をめざして・・・。 子どもたちのために、さけの一生を、わかりやすく丹念に描いた科学絵本。
テキストの作家フレッド・フレガーさんは、カリフォルニア大学の海洋学教授で、有孔虫類の臨界実験所の所長だそうです。 彼はこの絵本『かえってきたさけ』を書いたことについて、 「子どもたちに生物学上もっとも基本的な問題、活きるために食べ、死ぬ前に子孫を残すということを知らせるため、絵で解説しました。」 と、いっています。 (かえってきたさけ』表紙カバー見返し 著者紹介より)
イラストはアメリカの代表的絵本作家の一人、アーノルド・ローベルさん。 細やかな線を幾重にも重ねた力強い線画に、淡い赤と青の黒の3色の筆で軽やかに濃淡をつけた、基本的な美しさをかっちりとおさえたクラシカルなイラスト。さけの身をくねらせて泳ぐ姿、群れて進む姿、口をあけて水面にはねる姿などが、川や山や海などの的確な背景とともに、いきいきと写し取られ、まるで主人公の少年アックの心と一緒に追いかけて目撃しているような迫力で描かれています。
訳者でもあり、物語のはじめに、日本のこどもたちのために、日本のさけについての簡単な解説を加えている杉浦宏さんは、 「1930年東京生まれで、日本大学水産学科卒業と同時に上野動物園水族館に入る。現在、江ノ島水族館顧問。」 とあります。 (かえってきたさけ』表紙カバー見返し 著者紹介より)
つまり、それぞれの専門家が、さけの一生を生物学的にわかりやすく説きながら、一つの物語として美しく描き、日本語に訳された、読み応えのある科学絵本なのですね。
さらに、見返しには、「サケのなかまたち」として、川に住む仲間、海に住む仲間の、サケ、マスの種類と大きさの比較図が白黒の線画で描かれています。この図はなんと日本語版のためのもののようで、 「絵=薮内正幸 構成=杉浦庸平+海保透」 とあります。 本当にさりげなく、薮内正幸さんの絵も添えられているのですね!
原書は『RED TAG COMES BACK』1961 Harper&Row,Publishers,Inc.New York,U.S.A.とあります。 検索すると、Harper社の「A Science I CAN READ Book」シリーズの一冊のようです。
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