■特集*ビギナーブックシリーズ
日本パブリッシング株式会社*わたしがひとりでよめるほん 現在品切れ
1968-1970年代初め頃、ドクター・スースのマークが目印の、ランダムハウス社・Random House社のBeginner Books ・ビギナーブックシリーズが、楽しい日本語の本として出版されました。巻頭には「監修者のことば」や、「お母さまがたへ」の文章が添えられ、別に解説書もついていたようです。
愉快で簡潔で明快な文(原文はおそらく韻を踏んでとても心地よいのでは)、文に忠実に描かれ、さらに楽しさをふくらませる軽快な絵、キャッチボールのような文と絵で言葉の意味や物語の流れを確認しながら、ひとりで読み進む喜びをはぐくむ物語。夢いっぱいのお話も面白いけれど、素朴で陽気な絵もどこかなつかしくて新鮮。
邦訳は現在は惜しくも品切れのものばかりですが、タイトルや版元が変わって現在も愛され続けているものもあります。
原書の多くは、今もずーっと愛され続けています。はじめての楽しい明るい洋書読本をお探しの方に、これはぴったりかも!
もくじ*P.D.イーストマンさんの絵本1*P.D.イーストマンさんの絵本2*ロイ・マッキーさんの絵本*ベレンスタイン夫妻の絵本*ビー・トビーさんの絵本*エリック・ガーニーさんの絵本*その他の画家の絵本1*その他の画家の絵本2

■ロイ・マッキーさんの絵本
アメリカのランダム・ハウス社のビギナーブックの中でもっとも人気のある挿絵画家。作品多数。他の邦訳には、『なぞなぞの絵本』(岩崎書店)オンライン書店ビーケーワン:なぞなぞの絵本がある。
(『あたまのうえにりんごがいくつ?』ペンギン社 著者紹介 より)
*2『みんなのあたまにりんごが十こ』*『あたまのうえにりんごがいくつ?』(ペンギン社)*20『ゆきゆきゆき』*『ゆき、ゆき』(ペンギン社)*『なぞなぞ絵本』(岩崎書店)*洋書

 

『みんなのあたまにりんごが十こ』日本パブリッシング 品切れ

みんなのあたまにりんごが十こ

ビーケーワン


『みんなのあたまに
りんごが
十こ
作 レオ レスィーグ
(ドクター・スース)
Theo LeSieg
画 ロイ マッキー
Roy Mckie
文 坂西志保
日本パブリッシング
1968年品切れ
64p

りんごを一つ、あたまの上に。りんごを二つ、あたまの上に。
みてごらん。ぼくにもできる。
みてごらん。こんどは三つのせてみる。
三つ・・・三つ・・・、そうだね。三つだね。
・・・

よーし、ぼくだって!
ぼくらのりんごあそび、ライオンとイヌとトラの三つ巴、サーカスもびっくり、おかしなおかしなリンゴのっけ競争のはじまりです。でも、ねえ、頭の真上に、まんまるいリンゴが、そんなにもそんなにものっけられるものだっけ???
黄色、オレンジ、赤、茶色と、まとまりのある少ない色と、愉快な線画で、とんでもないとぼけた物語をいきいきと描いている絵本。数のお勉強にもなるよ。

原書は『TEN APPLES UP ON TOP
アマゾン洋書ではこちらなど。↓

『Ten
Apples
Up on Top

(Beginner Books)
(ハードカバー)』
Random House
Childrens Books;
Reissue版
(1961/06)


邦訳と同じ表紙だと思われます。色調が少し異なっているかも?
他にもいろいろな表紙の洋書があるようで、ロングセラーなのですね。

『Ten
Apples
Up on Top! 』
(Bright & Early Board Books)
(ボードブック)
Random House
Childrens Books;
Board版
(1998/09)
24p(抜粋?)

『Ten
Apples
Up on
Top
(DR SEUSS GREEN BACK BOOK)
(ペーパーバック)』
Picture Lions
(2003/8/4)

『Ten
Apples
Up on
Top!
(I Can Read It All by Myself Beginner Books
(Hardcover))
(図書館) 』
Bt Bound (1999/10)

現在のペンギン社よりの邦訳の表紙と同じだと思われます。

『Ten
Apples
Up on
Top
(Beginner Books S.)
(ペーパーバック)』
Picture Lions

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 みんなのあたまにりんごが十こ』は、後に1984年、ペンギン社より、田村隆一さんの新訳で、『あたまのうえにりんごがいくつ?』として、出版され、現在も愛され続けています。

icon

icon セブンアンドワイ

『あたまのうえに
りんごがいくつ?』
はじめてひとりでよむ本
セオ・レスィーグ作
ロイ・マッキー絵
たむら りゅういち訳
ペンギン社
64p
1984年

りんご1このっけたよ!
りんごが2こ!
ほら ぼくにだってできるよ。
どんなもんだい!ぼくは3こだぞ!
3こ・・・3こか・・・ よし よし。
・・・

さあ、ぼくらのリンゴゲームのはじまりです。
こんなことできるの?なんて、ナンセンス。せっせとりんごをかぞえなきゃ。楽しく数まで学べちゃう。
どちらかといえば、レモン・イエロー系の『みんなのあたまにりんごが十こ』より、印刷の色調がオレンジ系かな?どっちにしてもフレッシュでエネルギッシュな絵本。
訳文も元気いっぱい。

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 『ゆきゆきゆき』日本パブリッシング 品切れ

ゆきゆきゆき

ビーケーワン

20
『ゆきゆきゆき』
さく・え ロイ マッキー
さく・え ピー・ディー・イーストマン
ぶん きしだえりこ
日本パブリッシング
品切れ
61p

あ、ゆき!
ちょっときくけど、きみ、ゆきはすき?
それとも、きらい?
すき、すき。
ゆきってだーいすき。

さあ、なにしてあそぼうか?
ゆきがふったら、きみもぼくもイヌもおおはしゃぎ。口をあーんとあけて受け止めてみたり、ねころがってみたり。そりにスキー、雪だるま!
楽しいことがたくさんあるね!

すこしくすんだ水色、紺色、レモンのような黄色、さくらんぼのような赤。その重なりや濃淡で色づけされた気持ちのよい絵で、楽しい雪遊びの世界を満喫しちゃいましょう。
すっきりと晴れ渡った空、きりっと冷えた空気、ほろほろと舞うぼたん雪。さらりと色づけされ、にっこりと描かれたあどけない簡素な絵が、表情もしぐさも本当に可愛くて、動きも構図もとんとん拍子に弾んでいて、何もかも私の好みかも!

原書は『SNOW』1962。
アマゾン洋書ではこちらなど。↓

Snow
(I Can Read It
All by Myself
Beginner Books
(Hardcover))
(ハードカバー) 』
 Random House
Childrens Books
(1987/03)
61p

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 ゆきゆきゆき』は、後に1984年、ペンギン社より、『ゆき、ゆき』として出版されています(現在は品切れ)。きしだえりこさんの訳は、タイトルがそうであるように、ほんの少し、新しくなっています。
ゆきゆきゆき』と、『ゆき、ゆき』の表紙イラストは同じもので、アマゾン洋書の表紙と同じものだと思われますが『ゆきゆきゆき』と『ゆき、ゆき』の裏表紙は異なっていました。どちらも本文の一場面の挿絵をトリミングしたものだと思われます。印刷の仕上がりが異なるのか、経年によるものなのか、色調が少し異なった感じがします。惜しいのは・・・どちらも品切れであること!絵本のおしまいのように、大切にとっておきたいのに!

ゆき、ゆき 

ビーケーワン

『ゆき、ゆき』
はじめてひとりでよむ本
ロイ マッキー 作・絵
ピー・ディー・イーストマン 作・絵
きしだえりこ 訳
ペンギン社
1984年
品切れ
61p

ゆきってなーに?
よくしらないけど、
ゆきってとても
おもしろいな。

ゆきとひとときたわむれて。
みんなゆきがだーいすき。
まんまるくてあどけない笑顔が可愛すぎる!
赤い帽子にマフラー、ミトン、紺色のコート、帽子からちらりとのぞく前髪は黄色。色のバランス、線のバランス、面のバランスがちょうどぴったり。

■ピー・ディー・イーストマンさんの絵本はこちらにも・・・
≫別頁*12『ロバートのはなとばらのはな』*19『すてきなうちはないかしら?』***『でかワン・ちびワンものがたり』(講談社)*洋書
≫別頁*1『おおきいいぬ、ちいさいいぬ』*7『おかあさんはどこ?』*9『サムといたずらほたる』

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『なぞなぞの絵本』岩崎書店

ベネット・サーフ・文
ロイ・マッキー・絵
いぬいゆみこ・訳
『なぞなぞの絵本』
岩崎書店
2000年
64p

とりは、なぜ、みなみへとんでいくの?
しょうぼうしのおじさんが、あかいズボンつりをしているのは、なぜ?
はなのたねをまくとき、さいしょにつちにさわるのは?

アメリカ発の明るいなぞなぞ絵本。普通のなぞなぞでは物足りなくなってきた子どもたちへ、大人たちへ。
あっけらかんと、ユーモアいっぱい、おとぼけいっぱい、生真面目なヘリクツみたいな、丁寧なおちょくりみたいな、ひねくれもののなぞなぞだけど、慣れてきたらしめたもの、ほら、そのテはもうくわぬと、夢中で答えをひねり出したりしていませんか?
見た目すっきり後味さわやか、お茶目で可愛いロイ・マッキーさんのイラストが、たっぷり64ページ満載だよ!

オンライン書店ビーケーワン:なぞなぞの絵本←ビーケーワンではお取り扱い中(2006年10月現在)

ロイ・マッキーさんの明るいイラストがとっても好きなら、この絵本を見て、見て!
あっさり、さらりと、余白の白さえも粋な、しゃれた黒色の線画に、黄色、オレンジ、紺色の3色が配分よく塗りわけられていて、メリハリのきいたイラスト。

その黄色、オレンジ、紺色の3色のきっぱりした枠で囲まれたページと、

 

 

枠なしのページの、テキスト部分が淡い3色の地の四角におさめられたページが、

てきぱきとなぞなぞごとにリズミカルに組まれ、見開きのページとしても連続のページとしても、色、形、配置すべてがすっきりと美しい!
センスの光るあかぬけたイラストに、センスを要求されるひねられたなぞなぞ、いつのまにやら本気で頭をひねって、勝手にあれこれ新しい問答をこしらえていたりして。

テキストの作者、ベネット・サーフさん(1898-1971)は、
「ランダムハウス大辞典で知られたアメリカの出版社、ランダム・ハウス社を作り、育て上げた人として有名。ユーモア精神と誠実さで、多くのりっぱな仕事をした。」
とあります。
(『なぞなぞの本』岩崎書店 表紙カバー裏見返し、著者紹介より)

原書は『BENNETT CERF'S BOOK OF RIDDLES』最初のコピーライトは1960年、とあります。
アマゾン洋書では、こちらなど。

『Bennett Cerf's
Book of
Riddles
(I Can Read It
All By Myself,
Beginner Books)
(ハードカバー)』
Random House
Childrens Books;
Reissue版
62p

もちろん、ビギナーブックの一冊だと思われます。

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ロイ・マッキーさんの洋書

『The Pop-Up
Mice of
Mr. Brice

(ハードカバー)』
Random House
Childrens Books;
Pop-Up版
(1989/10)
20p

『Summer
(Beginner Books(R).)
(ハードカバー)』
Random House
Childrens Books
(2001/5/22)
48p

『The
Eye
Book

(Bright &
Early Books S.)
(ペーパーバック) 』
Picture Lions
(2000/5/2)
32p

『In a
People
House,
(Bright &
Early Book, Be12)
(ハードカバー)』
Random House
Childrens Books
(1972/09)
28p

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