■特集*ビギナーブックシリーズ 日本パブリッシング株式会社*わたしがひとりでよめるほん 現在品切れ |
1968-1970年代初め頃、ドクター・スースのマークが目印の、ランダムハウス社・Random House社のBeginner Books ・ビギナーブックシリーズが、楽しい日本語の本として出版されました。巻頭には「監修者のことば」や、「お母さまがたへ」の文章が添えられ、別に解説書もついていたようです。 愉快で簡潔で明快な文(原文はおそらく韻を踏んでとても心地よいのでは)、文に忠実に描かれ、さらに楽しさをふくらませる軽快な絵、キャッチボールのような文と絵で言葉の意味や物語の流れを確認しながら、ひとりで読み進む喜びをはぐくむ物語。夢いっぱいのお話も面白いけれど、素朴で陽気な絵もどこかなつかしくて新鮮。 邦訳は現在は惜しくも品切れのものばかりですが、タイトルや版元が変わって現在も愛され続けているものもあります。 原書の多くは、今もずーっと愛され続けています。はじめての楽しい明るい洋書読本をお探しの方に、これはぴったりかも! |
もくじ*P.D.イーストマンさんの絵本1*P.D.イーストマンさんの絵本2*ロイ・マッキーさんの絵本*ベレンスタイン夫妻の絵本*ビー・トビーさんの絵本*エリック・ガーニーさんの絵本*その他の画家の絵本1*その他の画家の絵本2 |
『ロバートのはなとばらのはな』日本パブリッシング 品切れ
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ロバートのはなとばらのはな
ビーケーワン
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12 『ロバートのはなと ばらのはな』 さく ジョーン ハイルブロナー Joan Heilbroner え ピー・ディー・イーストマン P.D.Eastman ぶん じんぐうてるお 日本パブリッシング 品切れ 64p
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こうまのロバートは、農場でのんびり、おとうさんおかあさんと一緒に住んで幸せでした・・・ばらの花のにおいをかぐまでは。 ばらの花をにおいをかぐと、 へんなきぶんになって、目がちくちくしはじめて、はながむずむずしはじめて、 「ハックショーン!」 とんでもないくしゃみがでるのです。ガチャーンと窓ガラスがわれ、バターンとドアが外れ、ドシーンとそばの人がふっとぶくらい、はた迷惑で派手なくしゃみが。
そこでロバートは、ばらの花の多すぎる農場を出て、町へ行くことになりました。 ロバートは町でもちゃんと仕事を見つけて幸せでしたが、ある日運の悪いことに、通りすがりの人の胸に、ばらの花が一輪さしてあって・・・! ばらのせいで転職を繰り返す気の毒なロバートは、町でめでたく幸せになれるでしょうか?
ロバートのくしゃみは、いまでいう花粉症なのかしら。 動きのあるとぼけた物語と、いきいきとコミカルな挿絵が楽しい読み物。その挿絵は、赤、青、黒の三色と、その濃淡で描かれたクラシカルな線画で、明快で痛快で愛嬌たっぷり。
原書は『ROBERT THE ROSE HORSE』。 なんとなく音が似ていて、綴りも似ているところが愉快。 さらにどんぴしゃりの日本語のタイトルは、 「ロバートのはなとばらのはな」 ひらがなで書くと、はなとはながまったく一緒で、なんて痛快! アマゾン洋書ではこちらなど。↓
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『Robert the Rose Horse (ハードカバー)』 Collins (1992/7/23) |
赤い表紙の装丁も、邦訳と同じだと思われます。
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『Robert the Rose Horse (ハードカバー)』 Random House Childrens Books; Reissue版 (1989/09) 72p |
こちらは青い表紙。
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『すてきなうちはないかしら?』日本パブリッシング 品切れ
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すてきなうちはないかしら?
ビーケーワン
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19 『すてきなうちは ないかしら?』 さく・え ピー・ディー・イーストマン ぶん まつのまさこ 日本パブリッシング 1969年 品切れ 64p |
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トリノ トリオくん、とってもしあわせ。 「ぼくのうちはせかい一。どこをどんなにさがしても、こんなすてきなすはないよ。」 −と、 そこへでてきたトリコおくさん、 「こんなうち、せかい一なもんですかっ!」
小鳥にちょうどいい大きさにしっかりと作られた木の巣箱、とってもいいうちだと思うのですが、トリコおくさんは「ふるくさい」とおかんむり。 そこでふたりは、新しいうちを探しに出かけたけれど・・・。
ここはどうかな? 木の穴からはじまって、靴、郵便受け、と、次々試してみた挙句、先客やら珍客やらに出くわしてホウホウノテイで逃げ出して、とどめが教会の塔の中。 ここは・・・確かに今までの場所よりずっと広くて、今はとても静か。さっそくふたりは、いろいろなものを運び込んで、午前中いっぱいせっせと巣作り。やっと巣が出来上がったのはちょうどお昼で、ふたりは夢中で気が付かなかったけれど、お昼の鐘をならす人が塔までやってきていて・・・。
ページをめくるのが楽しくてたまらない、愉快なおとぼけうち探し絵本。とりの夫婦はいたって大真面目なのに、やることなすことお騒がせで、どうしてこんなに笑わせてくれるのかしら。 それでいて、結末は見事に決めてくれるのです。ちゃっかりトリコおくさんのおすまし顔のオチと、ひょっこりプレゼントみたいな結末がたまらなく好き。
ピー・ディー・イーストマンさんの鉛筆のデッサンのようないきいとした線画から、ユーモアと愛嬌がたっぷりとにじんでいます。最初の木の巣箱、教会の塔などに用いられている渋いベージュ色が、ひときわ印象的。
原書は『THE BEST NEST』1968 とあります。 アマゾン洋書ではこちらなど。↓
『Best Nest (I Can Read It All by Myself Beginner Books (Hardcover)) (ハードカバー) 』 Random House Childrens Books (1968/06) 64p
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『Best Nest (I Can Read It All by Myself Beginner Books (Hardcover)) (ハードカバー) 』 Random House Childrens Books (1968/06) 64p
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『My Nest Is Best (Bright & Early Playtime Books) (ハードカバー)』 Random House Childrens Books (2005/5/24) 14p |
この表紙イラストは、邦訳本文にあるイラストを左右反転して、ポストの中に巣を描き足したような感じです。幼児向けダイジェスト版なのかしら。詳しくは不明。
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でかワン・ちびワンものがたり
ビーケーワン
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講談社のピクチュアブック1 『でかワン・ちびワン ものがたり』 P=D=イーストマン作 久米穣訳 渡辺茂男監修 講談社 1979年 品切れ 32p |
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犬のフレッドとテッドはおともだち。フレッドはでかくて、テッドはちび。緑のシャツのフレッドのばんごはんはほうれんそう、赤のシャツのテッドは赤い大根。フレッドの車は緑で安全運転、テッドの車は赤でとばしすぎ。・・・ ふたりは見かけも性格もまったく異なるけれど、いつも楽しくにぎやかに暮しています。 ほら、車ででかけたのは、雪山。一日中テッドはスキー、フレッドはスケートをしたら、ワンワンホテルに今夜はお泊り。フレッドは上の部屋に、テッドは下の部屋に決めたけれど、どうもベッドの大きさがしっくりこなくて・・・。
フレッドは緑、テッドは赤。さらに、フレッドとテッドの色シャツに、それぞれでっかく「フレッド」「テッド」と書いてあるので、なおさらくっきり一目瞭然。明快な絵と、明快な文で、軽快にお話が進みます。いつのまにか、物語に出てくる反対語などの意味もすんなり学べそう。
ピー・ディー・イーストマンさんの描く犬、それから小鳥も登場して、豊かな表情と楽しいしぐさを満喫できる絵本。 原書をアマゾン洋書で検索すると、おそらくこの絵本↓だと思われます。
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『Big Dog... Little Dog: A Bedtime Story (ペーパーバック) 』 Random House Childrens Books (1973/09) 32p |
邦訳と同じ表紙だと思われます。
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なお、講談社のピクチュアブックシリーズ(渡辺茂男監修、品切れ)については≫こちら。
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ピー・ディー・イーストマンさんのその他の洋書はこちらなど。↓
『Cat in the Hat Beginner Book Dictionary |
(I Can Read It All by Myself Beginner Books (Hardcover)) (ハードカバー) 』 Random House Childrens Books (1973/02) |
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『I'll Teach My Dog 100 Words (A Bright & Early Book) (ハードカバー)』 Random House Childrens Books (1973/10) |
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『Flap Your Wings (Beginner Books) (ハードカバー) 』 Random House Childrens Books (2000/01) |
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