「ん?」の絵本箱 ちょこっと絵本「たで・よこ・ななめ・格子縞」へ

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『ながいいぬのかいかた』*『ながいながいかみのおひめさま』*『なんでもふたつ』*『にげだしたえんとつくん』*『ねこガム』*『ねこさんびき』*

  
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 オンライン書店ビーケーワン:ながいいぬのかいかた

ながいいぬのかいかた
矢玉四郎のあいうえほん 矢玉四郎作・絵 ポプラ社
2000年 品切れ

ながいいぬです。
ながいいぬはひとりではだっこできません。
さんぽはふたりでつれていきましょう。
・・・

こんなに長いいぬを知っていますか。以外に役に立つんですよ。飼う時の注意は、無理にひっぱらぬこと。だっこはみんなで。もつれに注意。
ナンセンスなユーモアを小さい子にもたっぷりと。
ながいものにはまかれろ。ながいいぬはぺろぺろ。そんなながいいぬにメロメロの絵本。

小さい子にもはっきりとわかりやすい黒い輪郭に、まんまるい可愛い形、サインペンみたいに明快な色。
1,2行の短くて楽しい文の、大きなフォントの文字に、ひらがなひろいよみの3姉妹三女が大喜びで、たどたどしくひとりよみ。
すこしひねてきた3姉妹長女、二女は、長い犬がどうやって犬小屋に入っているのか、長い犬のウンチがどうしてあんなふうにあまり長くないのか、しきりにひとりで首をひねっておりました。

愛嬌たっぷり、ユニークでオリジナルな絵と文は、矢玉四郎さんならではの作品ですよね。

 オンライン書店ビーケーワン:ながいながいかみのおひめさま

ながいながいかみのおひめさま
コーミラー・ラーオーテ文 ヴァンダナー・ビシュト絵 木坂涼訳 アートン 2006年

インドの絵本です。
むかしむかし。王さまとおきさきさまの自慢の娘、パリニータの長い黒髪は国の宝。毎日100人もの若い女たちがくしけずり、飾り立てる豊かな髪は、川のように輝き、さざなみのように波うち、それはそれはきれいでした。けれど、重くて長く歩けないのです。パリニータは、毎日お城の窓から、行ったことのない遠くの山を見つめるばかり。

パリニータの18歳の誕生日の前の日、お祝いのパーティーで王さまはパリニータに結婚の話を持ち出しました。パリニータは、まだ結婚したくありません。美しいドレスに着替えるために一人になると、パリニータは、決心して、秘密の通路からとうとう外に脱けだしました!

地面はごつごつした岩が転がり、おれまがった木が生えていましたが、パリニータの足元をやさしい月明かりが照らします。パリニータが歩いていくと、寒そうな女の人が裸のあかんぼうをかかえていました。パリニータは思わずかけよって、自分の黒髪を差し出して、
「これであかちゃんをくるむぬのをあんでください」
・・・。

長い長い髪のように豊かに輝く心を持つパリニータ姫の、清らかで美しく、不思議なお話。その気高さ、慈悲深さは、神話のよう。
細い線の美しく編みこまれたイラストは、もしかすると一本一本にパリニータの髪が宿っているのかも。澄んだ青色、やさしい緑、ほのかな紫色が、月明かりに映えて、なんてきれい。独特の木の葉の模様も、リズミカルにちりばめられた野の花も草木も、すべてが一枚のシルクの布のように、美しく幻想的な世界をつむいでいます。
絵本を読んだら、表紙から裏表紙までたっぷりと眺めて、静かに広がる余韻を楽しみたい絵本。

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原書は、
TWO OF EVERYTHING』1993 
Albert Whitman & Company 
とあります。
アマゾン洋書ではこちらなど。↓

Two of Everything:
A Chinese Folktale
(ハードカバー) 』
Albert Whitman & Co
(1993/03)

 オンライン書店ビーケーワン:なんでもふたつ

なんでもふたつ
リリー・トイ・ホンさいわ・え せきみふゆやく 2005年 評論社

中国の昔話をもとにした愉快なお話。
むかしむかし、とてもびんぼうなハクタクじいさんとおばあさんが、粗末な家の小さな庭で野菜をつくって暮していました。ある日、ハクタクじいさんが庭で畑を耕していると、しんちゅうでできた古い大きなかめが出てきました。
もって帰ろうとしたもののあんまり重いので、よろけて全財産の財布をかめの中に落としてしまいました。
もって帰ったかめをおばあさんがのぞきこんだ拍子に、おばあさんのたったひとつの髪飾りがかめの中に落ちてしまいました。

おばあさんがかめの中を手探りしてびっくり。なんと、財布がそっくりふたつ、髪飾りもふたつ!
それは、入れたものがなんでもふたつになるという、魔法のかめだったのです!
大喜びしたおじいさんとおばあさんは、やがて財布を何度も何度もほうりこんで、にわかに大金持ちになりますが・・・。

まんまるほっぺとおちょぼお目目の、もとからふたごみたいにそっくりなおじいさんとおばあさんの絵がほのぼのと愛らしく、トントンとはずむように進む物語がわくわくと楽しい絵本。

昔から、うまいはなしには裏がある、といわれるように、何かきっと落とし穴があるはずだ、なんて、ともすれば大人読みで先回りしつつ、
「このかめは、わしらがかんがえていたほどありがたいかめじゃないぞ。わしらのしんぱいごとまでばいになっちまうじゃないか」
と、まんまとおじいさんが叫ぶあたりで、やっぱりねー、なんてニンマリわくわく(?)してしまうのですが、物語は、そんな思惑などのほほんととびこえて、ほのぼのまんまるい絵にぴったりの、四方八方まるくおさまるめでたい結末を迎えます。
いろいろありましたが、最後の近所の人々の言葉が、すべてを物語っているのかも。おじいさんとおばあさんたち、末永くお幸せに!

作者のリリー・トイ・ホンさんは、中国系アメリカ人で、他にも『The Empress and the Silkworm』(Albert Whitman & Co)The Empress and the Silkworm など、中国の昔話を題材にした絵本があるそうです。

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 オンライン書店ビーケーワン:にげだしたえんとつくん 

にげだしたえんとつくん
津田櫓冬作・絵 岩崎書店 1982年 品切れ

コミカルでこなれた線画に、シンプルな茶色の一色使いの絵本。影の部分にはポイント的にドット模様のスクリントーンを用いているのかな?
軽快な画風で、軽々とにげだしたえんとつくんの物語を明るく描いています。

そもそも、えんとつが逃げ出すなんてね!
いきなりぱったり煙をださなくなって、家の中はすすでいっぱい。えんとつそうじのおじさんがかけつけてみたら、

あれあれあれ、
えんとつくんがにげだした。

どうして?なんて、おじさんにもえんとつくんにもわからないけど、とにかく逃げる、追いかける!
夢中で走る途中で、女の子のかさをひっかけて、それでもなんでも逃げて、高い煙突にのぼって、たちまち追いかけてきたおじさんにおいつめられて、あっ、足を踏み外してしまったえんとつくん・・・、

でも、うまいぐあいにかさがひらいて、ふんわりふんわり。

しかし、これくらいであきらめるおじさんではありません。
えんとつくんは・・・

抜群に愉快、爽快、元気いっぱい。
本来無機質のはずのえんとつが唐突に意思をもち足をもち(?)逃げ出すなんて、どこかあの『ふらいぱんじいさん』(あかね書店)を思い出すような、楽しい楽しい物語。
ロシア民話などの、にげだしたおだんごパンみたいに、弾む展開がたまりません。
行き当たりばったり、出たとこ勝負のおいかけっこの最後のオチが、これまたとぼけて、しゃれてるなぁ。これぞ職人、自分の持ち場をきっちりわきまえつつ、与えられた仕事をかっちりきわめる、律儀なおじさんにカンパイ。

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ねこガム

ビーケーワン

 ねこガム
きむらよしお作 こどものとも年少版通巻334号 2005年1月号

クチャクチャ
男の子がガムをかんでいます。
プー
ガム風船をふくらませました。
もういっかい。
クチャクチャ
プー

すると・・・!

男の子におこった奇想天外な出来事を、ぜひ、親子で目撃者してください!
すいこまれそうな迫力に、のみこまれないよう要注意?
何故ねこガムなのか、何がねこガムなのか。まったく接点のわからない着眼点がたまらない!もしも疑問に思ったら、いぬガム、とりガム、らいおんガムと、どんどん仲間をお試しになるのもいいかも?
今すぐコンビニで探してみる?

 オンライン書店ビーケーワン:ねこさんびき

ねこさんびき
アン・ブルイヤールさく すえもりブックス 2000年

三匹のねこが、枝の上から水面をじーっと見下ろしています。
水の中には三匹の赤い魚。
三匹のねこはじーっと見つめていましたが、やがて、意を決したかのように、果敢に水中に飛び込みました!
そして・・・。

という、なんと文字なし絵本
ねらいを定めるねこと魚のはりつめた空気を感じるような、力強いイラストがすべてを物語ります。
一度目は作者の意図にまんまと操られ、あっと驚いて笑ってください。
二度目は親子で、文字なし絵本の醍醐味を生かし、好きな台詞で好きな呼吸で、即興芝居風に読み聞かせしてみてもきっと楽しいですよね!

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