
『ここってインドかな?』 ぶん/アヌシュカ・ラビシャンカール え/アニータ・ロイトヴィラー やく/角田光代 アート 2005年
この絵本の絵は絵の具やペンなどで描かれた絵ではなく、スイス生まれの世界的に著名なキルト作家、アニータ・ロイトヴイラーさんが、1999年のインド旅行で集めたはぎれを効果的に用いてつくった、手作りのぬくもりあふれるキルトの作品です。 この思い出をぬいこんだキルトをもとに、インドの児童文学者、アヌシュカ・ラビシャンカールさんが、テキストを添えたのがこの絵本、だそうです。 アヌシュカ・ラビシャンカールさんは、ノンセンスな楽しさにあふれた詩を得意とするそうです。 (『ここってインドかな?』アートン 著者紹介 より)
『ここってインドかな?』の茶目っ気あふれるテキストも、言葉遊びのような、禅問答のような、へりくつのような、なぞなぞのような、はぐらかしのような、すりかえのような、わかったつもりでまったくわからないような、ノンセンスな楽しさがいっぱい!
インド旅行から帰ってきたアンナおばさんが、思い出を縫いこんで作ったキルトを、たくさんのお土産話といっしょに私にくれました。キルトのいろいろな景色を眺めて、夜くるまったとき、 あれれれ、わたし、青ネズミちゃんになっちゃった! そしてインドを旅してる!
でも、わたしはどこにいるのかしら? 誰かに聞いても、 「ねえ、もしあなたが逆立ちしているんなら、 あなたは髪の毛の上に立ってるってこと。 でも、自分の足で立っているんだから、 どこへだって歩いていけるじゃない」 なんて、きっぱりとさっぱりわからない答え!
なんておおらか、おおざっぱ、ある意味無意味である意味真理の、ケムに巻かれたようなキツネにつままれたような、やっぱりさっぱりわけのわからない、インドの人々の粋な答え。
あー、いいなあいいなあ。こういうの、たまらなく好き。愉快痛快、油断してたら、チクチクイタガユイくらいです。 ほどよくざらり、さらりとした手触りのよさそうな、インドの趣きあふれる布の、手作りのあたたかなキルトから、こんな心浮き立つ不思議な物語が生まれるなんてね! あなたもキルトにくるまって、素敵なケムにまかれつつ、自分の行き先を探してみる?
原書は『Excuse me, is this India?』2001 Tara Publishing,Chennai,India とあります。
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