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おとうさんは頑張ります。 真似てみたり、あやしてみたり、準備万端整えてこっそり待ち構えてみたり。動物のおとうさんの頑張る4コマ劇場、ごらんあれ。
可愛い子どものために、ちょいとやる気をおこしたおとうさんの慣れない頑張りが、結果的にちょいと的外れで可笑しくて、読み手の心の的をまっすぐ射抜く絵本。いつになくけなげでしおらしいおとうさんの奮闘ぶりが、ほのぼのとユーモラスでとぼけた粋な絵にぴったり。 みんなはどのおとうさんが好き?
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1ページにひとコマずつ明快に描かれた、4コマ漫画みたいにシンプルで愉快な「おとうさんのえほん」。 ゴリラ、ペンギン、しろくま、ワニ・・・どっしりどっかりとでっかい動物のおとうさんが、可愛いこどものために奮闘する様子をひとコマずつ目で追うと・・・ほほえましくて、噴出します。
ゴリラ、わに、ライオン、なんて、みためも堂々といかついおとうさんが、高畠純さんのデザインにかかると、色形も垢抜けておさまりよくまとまって、ほわんと愛らしいぬいぐるみみたいに変身するのですから、それだけでもほのぼのにっこり。ペンギン、ぶた、ひつじ、なんて、最初から親しみやすくて和やかな動物だったらなおのこと。 さらにそのうららかなおとうさんが、目撃した別の親子の父親を几帳面に真似て試してみたり、子どものために何か遊びをしてみたりと、普段のイメージとは少しかけはなれたようなとぼけた何かをしてくれたりするのですから、意表をつかれて可笑しいのと同時に、絵にぴったりのユーモラスなオチに、やんやと拍手喝さいしたくなります。いいぞいいぞ、おとうさん!
ライオンのおとうさんなんて、もう、そのちょいと屈折した可愛いやきもちがなんともかんとも、誇り高い百獣の王の末裔という感じで、好き。
ちなみにこの絵本には、続編が出ています。続編では、「にわとりのおとうさん」「くまのおとうさん」などがお気に入り。
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『おとうさんのえほん その2』 高畠純 絵本館 1995年
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おとうさんはまだまだ頑張ります。お調子者のおとうさん、こだわりのおとうさん、こだわらない動じない大まかな大らかなおとうさん、みんなみんな大集合。
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『パーティはこれから』 作 高畠純
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佼成出版社 1991年
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なかなかやってこない友達を心配するくまと、まったくのんきに構えているペンギン。二人の意見はことごとくかみ合いません(のがクククと可笑しい)。でもある究極の(?)心配をクマが言ったとき・・・。
とぼけた絵で明快に描かれた陰と陽。浜辺の砂粒のように可愛らしいおめめなのに、トホホと弱ったりいきいきと輝いたり、表情豊かで、笑えます。
さてあなたの想像は、くま派?ペンギン派?ハンテイはこれから?
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くまとペンギンが、北の国に住むしろくまとあざらしに手紙を書いて、自分たちの家に招待しました。 けれど約束の日になっても、ふたりはなかなかやってきません。 「おかしいなあ、なにかあったのかなあ」 と、くま。 くまの想像は、いつだってちょっと曇り空。 「おおきなあらしにであったとか、おおきなとりにつかまえられて、たいへんなめにあっているとか・・・」 対するペンギンの想像は、いたって陽気、お天気です。 「そうかなあ、とちゅうでつりでもしているんだよ。かもめとなかよくやってるさ」 ・・・
パーティが始まるまでのどきどき、みんなが集まるまでのそわそわ。なかなかやってこない待ち人に、手に取るものも手に付かず、うろうろ落ち着かないあの時間。 心配屋のくまと楽天家のペンギンが、互いの観点から客の遅延理由を推察した意見を交互に述べあう、楽しい待ちぼうけ物語。 どこまでも不安にかりたてられたくまの意見と、そこからあっさりとマイナスを取り去るペンギンの明るい意見の、対句のような陰と陽の繰り返しが、とてもリズミカルで楽しい作品。くまから見ればペンギンの根拠の無いのんきさは無責任だし、ペンギンから見ればくまの度をすぎる心配はまったくの杞憂、人騒がせだし、足して2で割るとちょうどいいような、とぼけたコンビがいい塩梅に描かれています。
二人の相容れないたくましい想像は、以外にもあるものの登場でぴったり一致、二人が準備して家の外に飛び出そうとしたそのとき・・・。 登場するたくましいあるものが、私の心をがっちりとらえました。これぞ究極の想像の産物、個人的にいるいる絵本特別編▲に加えたいなあ、ぜひ(笑)。 3姉妹二女のお気に入り。
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『だじゃれ しょくぶつえん』
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文・中川ひろたか 絵・高畠純 絵本館 2004年
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もぎたて、とりたて、今が満開の、植物たちのだじゃれの絵本。 『だじゃれどうぶつえん』▼『だじゃれすいぞくかん』▼(ともに絵本館)、に続く、第3弾ですって。
動物、魚類につづいて、今度はきわめておとなしいはずの植物たちが、何食わぬ顔で、けなげにだじゃれ劇を演じているところが、よけいにいとおしかっかったり、おかしかったり。
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おシクラメンじゅう おされてなくな (鉢植えのシクラメンの花がおしくらまんじゅうしている絵)
やメロン! (メロン頭に赤いマントの正義の味方が、女の子をつかまえている悪役にさけんでいる絵)
・・・
涼しい顔でとりいれた植物の名前をひけらかしている(?)だじゃれのテキストと、植物を擬人化したり小道具として用いたりして、テキストに忠実に描こうとしているありえないイラストが、ナンセンスでユーモラスな可笑しさをかもし出していて、ぷぷっと大笑い。
見開きページで、一つの物語になっているふたコマまんが的なものや、一ページ一つのひとコマまんが的なものが、なんとなく関連があるようでないような順番でおさめられていて、どれをとってもクククのク。 しっとりとしたシックな色合いと、ひょろりとした和やかタッチで、植物たちのぬかりないだじゃれ劇が描かれているので、うっかり笑いすぎにご用心。
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『だじゃれ どうぶつえん』
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文・中川ひろたか 絵・高畠純 絵本館 1999年
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わたし かばいい? (カバ・レリーナ嬢、質問) おら うたわん (オラウータン氏、マイク固辞)
などなど、こちらはどうぶつたちのだじゃれの園。 のどかな線と、きわだつ色、あどけないどっきりおめめのとぼけた姿で、だじゃれにいそしむ動物たちのユーモラスな姿をたっぷりと。 言葉遊び、だじゃれに目覚め始めた子どもたちの贅沢なお手本。おとうさんの大いに頼れる参考書。
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『だじゃれ すいぞくかん』
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文・中川ひろたか 絵・高畠純 絵本館 2001年
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フグおこるんだから アワビのしるしです ま、イカ
なんて、すいすい冴えてるだじゃれ絵本、第2弾。 水の生き物たちがおりなす、抱腹絶倒のだじゃれ人生劇場。日々のふとした瞬間のつぶやきを、魚たちが逃さず捕らえて、とびきりのユーモアでサバいてくれました。 イラストもマスマスカレイに光っていますよね。
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