■高畠純さんの絵本
1948年愛知県名古屋生まれ。愛知教育大学美術科卒業。東海女子大学教授。1983年『だれのじてんしゃ』(フレーベル館)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。『だじゃれすいぞくかん』(絵本館)など、作品多数。
『オー・スッパ』*『オレ・ダレ』*『おどります』*『よこむいて にこっ』*『なんでしょなんでしょ』
≫別頁『おとうさんのえほん』*『パーティーはこれから』*『だじゃれしょくぶつえん』*『だじゃれどうぶつえん』*『だじゃれすいぞくかん』
≫別頁『おとなりさん』*

 

『オー・スッパ』講談社

『オー・スッパ』
越野民雄文 
高畠純絵 
講談社
2003年

「レモン24ページぶんのビタミンC」
と、表紙カバー見返しにすっぱり一行。
見返しはきれいな黄色いレモンのられつ。大きな大きな雨粒みたいな、レイン・レモンに、一つだけ輪切りのレモンがぽつん。みているだけで、オー・スッパ

オンライン書店ビーケーワン:オー・スッパ

みずみずしい黄色いレモン。どっちがしっぽでどっちがさきっぽ?さきっぽからしずくのような優雅なふくらみを見せて、おなじたわわなリズムでしっぽに終結していく、手のひらにちょうどすっぽりおさまりそうな、魅惑的なレモン。
あるいは、くし切りの美しい船のような、輪切りの美しい車輪のような、黄色いレモン。
あなたは思わずうっかり、見かけにつられて、がぶりとしてしまったことがありますか?

これは、そんな楽しい動物たちのどっきり初体験を、24ページにわたってくっきり鮮やかに描いた、スッパらしい、じゃなかった、すばらしい、まさに筆舌つくしがたい絵本。
文章も絵もきりりとして、くせになる酸味かも。
レモンをかじれば、あなたもわたしもリッパな25ページめの仲間?

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『オレ・ダレ』講談社

『オレ・ダレ』
文 越野民雄
絵 高畠純
講談社
2002年

オレさまはダレだ。
アタシたち、ダレだと思う?
ナイーブなこのアタシ、だーれだ。

夜の動物たちのナイショのなぞなぞ、よいこのみんなはわかるかな?アレ、そこで、くくくと肩を震わせているのはダレ?

オンライン書店ビーケーワン:オレ・ダレ

オースッパ』(講談社)のコンビの絵本。
紺色の空に黄色い三日月、真ん中にのっそり黒い影。おちょぼおめめがご愛嬌。
「オレ・ダレ」
なんて訊かれたら、
「そら、しらん」
なんて答えそう。
絵本を斜めにして光にかざすと、黒色の中にも、部分的に照りの異なる黒色があって、目をこらして見る楽しみも隠されているのでした。粋ですね。

「オレ・ダレ」
は、動物たちの夜の姿の楽しいなぞなぞ。昼間の姿ならよーく知ってる、子どもたちの大好きな動物たちが、ひっそりと夜ひとりで、あるいはみんなとかたまって、ちょいと舌足らずな雰囲気で、ごちたり、つぶやいたり、うろたえたり、おすまししたり。
ドレドレ、ちょっくら目をこらしましょ。
青、黄色、白、黒1、黒2、の5色(?)のみ使用の、潔い絵と、潔い文は、見てて気持ちがいいくらい。最後にハリネズミの行列が満月をしょってるみたいに登場するのも、たまらなく好きだなあ。
「コレ・クレ」
って、早速図書館に走ってみる?

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 『おどります』絵本館

『おどります』
高畠純さく
絵本館
2005年

ぶたがおどります
メケメケフラフラ
メケメケフラフラ

うまがおどります
メケメケフラフラ
メケメケフラフラ

・・・

まだまだおどります
メケメケフラフラ
ひたすらおどります
メケメケフラフラ

そろそろ、あなたもわたしもメロメロクラクラ、絵本のトリコになってきたころではありませんか?

オンライン書店ビーケーワン:おどります

あーもう、ぞうさんのゆれるしっぽの豊満な後ろ姿にメラメラグラグラ、ハート沸騰、こぼれて転倒、ヨタヨタヘナヘナ、肩の力がぜーんぶ抜けちゃって、あー、なんだかうっとり、うっかり惚れてしまいそう(笑)。
ページをめくったら、見返し一面、踊る象形文字がお出迎え。さあさあ、動物たちのメケメケフラフラ、ヤメヤメなんてダメダメコラコラ、いいことあるよイケイケホラホラ、何だか楽しいシメシメホクホク、どうぞあなたもごいっしょに。

なよなよとゆれる線とぺっとりした色のバランスがいいなあいいなあ。

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『よこむいて にこっ』絵本館

『よこむいて にこっ』

高畠純
絵本館
1998年

約16センチ×16センチの正方形の愛らしいサイズの24ページの絵本。
「逆」いないいないばあ絵本というか、いないいないばあ絵本ちょいひねり編というか(笑)、むっつりした正面顔、あるいはびっくり面が、めくってにっこり横顔、あるいはにっかり横顔に変わる、いいないいなあはは絵本。だんだんニンマリ楽しくなってきたら、最後にはそんなものまで横向くなんて、(剥いてないけど)そんなバナナ?

オンライン書店ビーケーワン:よこむいてにこっ

前から見たらコワモテの動物たちも、横から見たら、あらら、にこっ。
ほんとは怒っていなくてああよかった、と、ほっとするか、なあんだ起こっていないんだ、と、シメシメ、とするかは、見ているアナタしだいかも(笑)。
まてまて、あたかも怒ったり驚いたりして見えるけれど、実は一流のポーズで、内心ほくそえんでいたり、いいぞいいぞ、なんて思っていたりするのが、横顔に知らず出ていたりして。
そんな風にうがって考え出すと奥が深くて、もはやワタシも絵本のとりこに。にこっ。

大胆そうに見えて小刻みにしびれる線、くっきりと鮮明でぺったりと濃厚な色、おちょぼなお目目にどっかりしたウシシ口、いいなあいいなあ、にこっ。

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『なんでしょなんでしょ』アリス館

『なんでしょなんでしょ』

高畠純

アリス館
2004年

ペンギンがすなはまでえをかきました
なんでしょなんでしょ

わかった子もわからない子も、ページをめくってびっくりひっくりかえるかも?
あっけらかんと楽しいよ!

オンライン書店ビーケーワン:なんでしょなんでしょ

のどかなひろーい砂浜で、ペンギンが棒で絵を描きました。
なんでしょなんでしょ。
ずりずりぐぐーうにゃーらららぐぐーずずず。

うわっ、たこ
描いたらびっくり、本物になっちゃった!
ペンギンが逃げ出したあとは、たこが砂浜でおえかきおえかき。なんでしょなんでしょ。
くりっくりっきゅっきゅっ、ずずずーぬぬぬー・・・

今度は何が飛び出すか、誰が何の絵を描くか、めくってびっくりあわわ、ニンマリあははのナンセンス絵本。
気の向くままに果てしなく、力いっぱいでっかい絵を描いてみたくなっちゃうね。


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