表紙画像のころころつんつんしたお茶目な動物は、ヤマアラシ。 「どうぶつにふくをきせてはいけません。 ヤマアラシはとんでもないことになるし ラクダは・・・」 ハイ。 本当にフリーハンドで描いたのかと思うほど精密で、何か法則でもありそうなほど厳密なイラストの線と線の間隔から、とてもクラシカルで格調高い雰囲気がただよいます。 動物たちのあどけない瞳からは無邪気な愛らしさがただよい、丹念に描かれた動物たちのいっちょうらのお召し物のナレノハテからは、とにかくきっちりと襟をあわせて着こなした無理矢理感と、だからいわんこっちゃない的無常観がないまぜになって、なんとも可笑しみがこみあげます。 大真面目にお洋服に自分をつめこんだ動物たちが、身をもって、絵でもって示してくれているちぐはぐなおすまし顔は、まさしく、 もしもし子どもたちが、「なんで?どうぶつにふくをきせてはいけないの?」と聞いたなら、この絵本で決まり。 原書は『Animals should definitely not wear clothing.』、初版は1970年、アメリカではロングセラーだそうです。
↑このアマゾン洋書は、中身ページ一部を見ることができます。
↑このアマゾン洋書『Animals Should Definitely Not Act Like People』は、・・・もしかすると続編?それとも、表紙違い?パンダのイラストは、『どうぶつにふくをきせてはいけません』の本文にはないものです。姉妹編があるなら、もっともっと見てみたいですね! 余談ですが、この絵本の表紙のやぶれかぶれ・ヤマアラシくんは、表紙、中表紙、本文最初、(裏表紙)、と、すべて異なるイラストで繰り返し登場しているので、とびきり作者のお気に入りなのかもしれません。なんとも愛らしく、可笑しさと、インスピレーションのこみあげるようなイラストですよね。 非日常的なありえなさをまことしやかに生真面目に描く、絵本ならではのやり方で、見事に真実に迫った絵本。 よろしければ図書館などでお読みになってくださいね。
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