■ドン=アルムクィストさんの絵本
Don Almquist  1929年アメリカのハートフォード生まれの画家。デザイン学校を卒業後、新聞・週刊誌の挿絵などで活躍。
(『ゆめってとてもふしぎだね』偕成社 本文巻末 ●作者と作品について 那須辰造 より)
その他の挿絵作品には、『Spring is Like the Morning』1965、『Dolls from Cheyenne』1967、『Loudmouse』1968、などがあるようです。
『ゆめってとてもふしぎだね』

 

『ゆめってとてもふしぎだね』偕成社 品切れ

『ゆめって
とても
ふしぎだね』
ウィリアム=ジェイ=スミスぶん
ドン=アルムクィストえ
なすたつぞうやく
偕成社
1969年
品切れ
61p

ぼく、おさんぽでなにをみたとおもう?

ぞうさんがうさちゃんみたいにぴょんぴょんとんだり、りすさんがおぼうしかぶったり・・・
ゆめのなかでは、何だってできるんだね。

素直であどけない子どもの夢が、絵本の中にふわふわと甘くやさしく広がる絵本。
白黒の格調高いイラストの背景に、とろりと甘いピンクや黄色、黄緑の単色の地をそえたような、やさしさと気品がとけあった絵本。

ぼく、おさんぽにいきました。
ぼく、なにをみたとおもう? 

おうち、にわとりやうまのおうち、木。
ぼく、ようくみたよ。

そしたらね、そのとき、へんなものがみえたんだ。
おうちが、ことりみたいにとびたって、あおいおおぞらをぐるぐるまわりだしたんだよ。

へんだなあ、おうちがとぶなんて。
・・・

でもね、ちっともへんじゃなかったんだ。
おしえてくれたんだよ。
ゆめのなかではね−−−どんなことだっておこるのよ。
って。
・・・

お散歩に出かけたぼくの、陽だまりの中でゆっくりとながめたものたちが、夢の中で自由にはばたく様子を描いた絵本。
親しみのこもった穏やかな文と、デッサンのような、どこか版画のような、さりげないコラージュのような、気品のある白黒のイラストで、ぼくの中に広がるのびのびした夢の世界を描き、夢の不思議について、詩情豊かに教えてくれます。
かすれた線画のような趣きある白黒のイラストなのですが、ページの単色の地色にそれぞれクリーミーな黄色、ピンク、黄緑色が、リズミカルに繰り返し登場しているので、やさしく華やいだ雰囲気も。
本文61pと、普通の絵本の約2倍あるので、ゆったりしたテキストと、たっぷりしたイラストが楽しめる贅沢も。

目をさましたぼくが見たもの、ぼくの楽しい散歩のしめくくりに見たものは、とても確かで安心できる、ぼくの世界。
何度でも行きたくなるような、ほのぼのと心温まる森の散歩がつまった絵本。

原書は『WHAT DID I SEE?』、最初の出版は、1962 CROWELL-COLLIER PRESS ,New York. とあります。

テキストの作者、ウィリアム=ジェイ=スミスさんは、1918年生まれのアメリカの詩人だそうです。
アマゾン洋書で検索すると、作品が多数ヒットしました。中でも、個人的に大好きな画家、エリック・ブレグバッドさんとのコンビの詩集絵本を発見。↓

 

 『Around
My Room

(ハードカバー) 』
Farrar Straus &
Giroux (J)
(2000/03)
William Jay Smith 
Erik Blegvad

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