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『ねこの エレメノピオ』 文:ハリエット・ジーフェルト 絵:ドナルド・サーフ 訳:泉山真奈美 朔北社 2002年 |
きょうはいつもとちがうみたい。ぼくだけのドアがこわれて、修理中なんだって。お出かけできないなんて、どうしたらいい?
しかたなく部屋を探検したエレメノピオが見つけたのはね・・・。
のびのびと明るい絵で、ちいさなエレメノピオのでっかい夢を描いた、爽快な大型絵本。毎日いろいろなことがあるけど、どんなことにも楽しみを見つけて過ごせたらいいね!
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ぼくのなまえはエレメノピオ。 まいにちきまったじかんにおなじことをしてすごすのがすきなんだ。 朝ごはんのあとは、ぼくしかとおれないドアを出て、庭でとりと遊んだり、おひるねして空とぶ夢を見たり。お昼ごはんを食べたらねこのともだちと遊んだりね。
だけどきょうはいつもとちがうみたい。ぼくだけのドアがこわれたから、いましゅうりしてるんだって。 これじゃあどこへもおでかけできないよ。 どうすればいいの? しかたがないから、家中の部屋を探検したら、絵の具箱をみーつけた。 ・・・
深みのある色合いの、のびのびした筆づかいの明るい絵が、ページをめくるたび元気いっぱい、鮮やかに目に飛び込んでくる大型絵本。 ねこらしい毎日の日課を描いた楽しいページも、さまざまな色調の美しい緑色の中に、堂々としたしっぽの白黒のねこのエレメノピオが表情豊かに描かれていて、はつらつとした充実感がいきいきとつたわってきます。ちょうど、毎日が楽しくてたまらない小さな子どもたちみたいですよね。
そのエレメノピオが、ねこ専用のドアが修理中のせいで、いつものように外に出かけることができなくて、家の中に閉じ込められてしまったら・・・。
まるで、元気ありあまる子どもたちの雨の日のような気分かも。 けれど、エレメノピオは、自分で自分の心を晴れやかにする、とっておきのいいことを思いついて、さっそく実行したのです、すごいね!
充実した毎日が基本にあるから、不意におとずれたいたずらな出来事も、気の利いたひらめきで新しく塗り替え、楽しくのびのびと取り組むことができるのですね。 そう思ったら、ねこのエレメノピオが、とてもいとおしくなる絵本。
原書は『Elemenopeo』1998 とあります。 アマゾン洋書ではこちら。↓
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『Elemenopeo (ハードカバー)』 Walter Lorraine (1998/9/28) |
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『ぼくはいぬの プーシュキン』 ハリエット・M・ジーファート文 ドナルド・サーフ絵 山元育代訳 ほるぷ出版 2002年
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いぬのプーシュキンと、飼い主のケイトとマイケル。それまでさんにんでしあわせに暮していたのに、ある日あかんぼうがやってきてから、なにもかもかわっちゃうんだ。
ユーモラスなプーシュキンの活躍と心の軌跡を描いて、弟や妹ができた上の子の共感をよぶ、色鮮やかで美しい絵本。
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ぼく、プーシュキン。 ぼく、しずかなまちのしずかなとおりで、ケイトとマイケルとくらしてる。 さんにんで、なかよくね。 なのに、あるひ、なにもかもかわっちゃうんだ。 やっと二人が帰ってきたと思ったら、ちいさなつつみを持っていた。 ふたりともそのつつみにむちゅう。 なかみはなんとあかんぼう。 ・・・
ケイトとマイケルの愛情を独り占めしていた犬のプーシュキンが、あかんぼうの出現でたちまち形勢逆転、戸惑いとつまはじきの気分を味わいながら、持ち前の明るさを失わず、機転をきかせて晴れ晴れとして、だんだんなじんでいく様子を描いた愛らしい絵本。 明るく元気ないぬのプーシュキンのテーマは、ある日おねえちゃん、おにいちゃんになってしまった、上の子の気持ちと同じですよね。
まろやかな筆づかいと、深みのある色使いが、ユーモラスなふくらみをみせながら、のびのびとページにひろがっていて、青空の白雲のように気持ちのいい絵本。 ドナルド・サーフさんの描く、奥行きのある色がとても好みなのですが、なかでも、庭の草花や部屋の壁紙や床の緑色、プーシュキンの服の赤ワイン色、窓からのぞく青空やプーシュキンのお茶碗の色の青色の3色のあかぬけたとりあわせが、とてもきわだって美しく感じます。
原書は『PUSHKIN MEETS THE BUNGLE』1998 とあります。 アマゾン洋書ではこちらなど。↓ そして続編?
『Pushkin Meets the Bundle (ハードカバー) 』 Atheneum (1998/04)
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『Pushkin Minds the Bundle (ハードカバー)』 Atheneum (2000/04)
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翻訳希望!
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『こねこの ウィジー』 さく:ハリエット・M・ジーファート え:ドナルド・サーフ やく:加藤チャコ 福音館書店 1999年 品切れ
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「ねえ、いっしょにあそぼうよ!」 こねこのウィジーが夢中でちょうちょを追いかけるうち、森で迷子になっちゃった。 おんおんないたけど、でもウィジーはげんきをだしました。 ・・・
「あたし、ちょっとこわかったけど でも、たのしかった」
小さなウィジーの小さな大冒険を温かく描いた、愛らしい絵本。大胆で華やかなイラストが魅力的。
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これがこねこのウィジー いつもおひさまといっしょにはねおきて・・・
きょうはなにしてあそぼうか、ウィジーはちゃあんときめています。 「まずどろんこみちをゴロゴロゴロっところがって・・・」 ・・・
お気に入りのお決まりのコースの途中で、夢中でちょうちょを追いかけてわき道へ。気が付くと森で迷子になったこねこのウィジーの、ちょっとこわくてでも楽しい、小さな冒険物語。 無邪気なウィジーの好奇心、不安、そしてけなげな勇気と頑張りは、元気いっぱいの小さな子どもたちといっしょだね!
おめめのでっかい白黒のねこ・「エレメノピオ」▲よりも、おめめがちょこんと小さい分、より本物のねこみたいな雰囲気。手足もほっそりよりねこらしくしなやかに、優雅なバランス。ロンパースみたいなピンクの長袖の洋服が、擬人化半分くらいの愛らしいバランスで、チャームポイントでもあります。
森の緑、野の緑、草葉の緑、木の緑、こっくりとしたまろやかな緑色、エメラルドみたいな深い緑色・・・さまざまな緑色がとても印象的。 華やかな紅色とのとりあわせが、この絵本でも冴えています。
原書は、『Wee. G.』1997 とあります。 アマゾン洋書ではこちらなど。↓
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『Wee G (ハードカバー)』 Atheneum (1997/04)
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『Ten Little Sleepyheads (ハードカバー)』 Bloomsbury USA (2005/4/16)
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『The Easter Bunny That Overslept (図書館) 』 Harpercollins; Revised版 (2002/02)
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『Train Song (ハードカバー) 』 Orchard Books (2000/03)
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Harriet Ziefertさん とのコンビの絵本。
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『Hello Hello (ハードカバー)』 Megan Tingley Books (2004/08)
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