■チャペックのフィルム絵本シリーズ
原作アニメーションについて
チャペック兄弟の文と絵を元に、チェコの映画会社Kratky Film Praha, a.s.が制作したアニメーション(全6作品)。カレルのファンタジックなストーリーと、兄ヨゼフの味わい深いイラストがアニメーションとして見事に再現されている。1959〜73年に作られたが、長い間に本では紹介されることがほとんどなかった幻の名作。独特の郷愁感あふれる可愛らしい世界は、見る人の心を一瞬にして魅了する。
(『郵便屋さんのお話』ゴマブックス 表紙カバー見返し より)
『郵便屋さんのお話』*『犬と妖精のお話』
『カレル・チャペックの童話の作り方』*『カレル・チャペックのごあいさつ』*『カレル・チャペックの日曜日』*『カレル・チャペックの新聞賛歌』*『カレル・チャペック童話全集』*『ダーシェンカ』と『プドレンカ』*『こいぬとこねこは愉快な仲間』*『チャペックの本棚』
≫別頁『Seltsame Geschichten von Räubern und Polizisten, Briefträgern und Prinzessinnen, Drachen und anderen Tieren.』*『ソリマンのおひめさま』

 

『郵便屋さんのお話』ゴマブックス

チャペックのフィルム絵本シリーズ1
『郵便屋さんのお話』
POSTACKA POHADKA
カレル・チャペック

ヨゼフ・チャペック
ゴマブックス
2007年

チャペックのアニメーションフィルムに基づいた絵本。
みんなが誰かをまっすぐに思う、大好きな「郵便屋さんのお話」。
穏やかで温かく、愛らしいチャペックのフィルムの世界が、どのページからもよみがえってくるよう。

オンライン書店ビーケーワン:郵便屋さんのお話

彼はひたむきな郵便配達のコルババさん。
一日働いて、ついぐっすり郵便局で寝込んでしまったコルババさんは、真夜中物音で目を覚まし、せっせと働く郵便局の小人の妖精たちを見ました。
てきぱきと仕事を終えた妖精たちは手紙でトランプ遊びをはじめました。仲間に入れてもらったコルババさんが出した手紙のカードは、いちばん強いハートのエースでしたが、それは住所も宛名もない迷子の恋文で・・・。

チャペック兄弟の文と絵を元に、チェコの映画会社Kratky Film Praha, a.s.が制作したアニメーションに基づいて、ゴマブックスが監修したフィルム絵本。企画・協力: 株式会社 レン コーポレーション、日本語原案: 阿部賢一
(『郵便屋さんのお話』ゴマブックス より)

小ぶりの版型のページに、愛らしいチェコのフィルムの数々の名場面が、たくさんたくさんつまっています。
古いフィルムに基づいた、少し甘い仕上がりの雰囲気も、ざらっとした紙の質感も、素朴でやさしい温かみにつつまれているよう。
絵本の底を流れる人々のやさしさやひたむきさ、チェコの風景の美しさにも、魅了されます。
フィルムならではのコマわりのにぎやかなページもあり、実際に映画館で拝見した記憶とあいまって、心の中で絵が本当に動いているような、フィルムを目で追っているような、楽しい気持ちになりました。
文章は、ルビなしの漢字が普通に用いられているので、読み聞かせの絵本として、あるいは少し大きい子の児童書として、さらに大人の鑑賞用として、長く楽しめそう。
大好きな場面を何度でも気軽に手にとって眺められる、いとおしいフィルム絵本。

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『犬と妖精のお話』ゴマブックス

チャペックのフィルム絵本シリーズ2
『犬と妖精のお話』
PSI POHADKA
カレル・チャペック

ヨゼフ・チャペック
ゴマブックス
2007年

チャペックのアニメーションフィルムに基づいた絵本、その2。
犬の愛らしさと人々の温かさ、日常とちょっぴりの非日常のほどよくいりまじった、なつかしい世界への入り口。

オンライン書店ビーケーワン:犬と妖精のお話

ある夜、居酒屋からの帰り道に、おじいさんが生まれたての子犬をひろいました。ヴォジーシェクと名づけられた子犬は、家族の一員として可愛がられ、他の犬を知らないまま立派な犬になりましたが、犬としての鳴き方を知らず・・・。

素直で愛らしく、人(?)のよい犬のヴォジーシェクと、彼をとりまく素朴な人々の、愉快で不思議な物語。仕事を終えた人々が集い、ねぎらい、にぎわう居酒屋の場面が何度も出てきて、あこがれのチェコの居酒屋の雰囲気をちょっぴり味わっているような気分になります。
表紙の、ちょこんと座り、片耳を持ち上げ、小首をかしげ、じっと見上げて見つめるヴォジーシェクの愛らしいことといったら!
『ダーシェンカ』を読んだときのように、犬の人間への気持ち、人間の犬への気持ちが、物語の底であたたかくつながっているのを感じました。
お茶目なおとぎ話のような、妖精の美しい場面も、本当におとぎ話と日々の暮らしがまだとなりあわせにあるような、豊かなチェコのフィルムへのあこがれをかきたてられます。
古いチェコのフィルムを贅沢に用いた画面は、温かくて、なつかしくて、たちどころに心のよりどころになりそう。


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