■シド・ホフさんの絵本 |
Syd Hoff 1912~2004年。ニューヨーク生まれ。ナショナル・アカデミー・オブ・デザインで絵を学ぶ。18歳で『ニューヨーカー』に漫画家としてデビュー。新聞に、続き漫画を連載すると共に、数々の雑誌で活躍。児童書の作品に『ナガナガくん』(徳間書店)など。 (『ぞうのオリバー』偕成社 表紙カバー裏 みかえし 著者紹介 より) |
『ぞうのオリバー』*『きょうりゅうくんはするよ・しないよ』 |
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『ぞうの オリバー』 シド・ホフ作 三原泉訳 偕成社 2007年
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ぞうのオリバーのゆめは、サーカス団にはいること。ところが運悪く入れなかったオリバーは、自分の居場所を求めて、動物園に行ってみたり、誰かのペットになろうとしてみたり・・・。 気立てのいいオリバーのお茶目な挑戦の繰り返しが楽しい絵物語。
明快な絵が物語を導き、痛快な物語が小さな読み手の心をとらえ、希望をくれる、夢いっぱいの読み物。
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ぞうのオリバーは、サーカス団に入るために、船でやってきた、11番目のぞうでした。 ところが、10頭しか注文していないと、団長さんに断られて、オリバーはひとりぼっち。 これからどうしようと、こまっていると、親切なねずみが教えてくれました。 「どうぶつえんにいれてもらったら?ぞうって、にんきがあるらしいよ」 さっそくオリバーは、動物園へと向かいましたが・・・。
見るもの聞くものすべてが新鮮で、はつらつとしているぞうのオリバーの、へこたれない珍道中が、ほほえましい絵物語。 念願のサーカス団にも、動物園にも、誰かの家にも、なかなか居場所の見つからないオリバーですが、その大きな体から感じるおおらかさと、無邪気な表情そのままに、やることなすことちょっぴりずれているところが、くすくすと楽しい気持ちにさせてくれます。 大きな体で、飼い主の望む犬のふりをしたり、馬のまねをしてみたりと、メルヘン的な妥協を試みて失敗する場面も、持ち前の明るさと気立てのよさで、あっけらかんと楽しく読めます。 そんな風に謙虚に学んだり、まねっこしたり、場の空気をさっと読んだりするオリバーの努力が、子どもたちや読者をひきつけて、夢をたぐりよせる力になるのですよね。子どもたちと、オリバーとのひとときの愉快な交流も、心に残る場面。 読んだあとは、オリバーからもらった勇気と、希望で、力がみなぎってくるみたい。
64p、全頁カラー。明快で愛嬌たっぷりのイラストが、起伏に富んだ痛快な物語を、頼もしく導いてくれる読み物。明るく澄んだ色使いが好きです。
原題は、『OLIVER』 コピーライトは、1960、1988 by Syd Hoff とあります。Oliginally published by HarperCollins Publishers Inc.
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『Oliver (I Can Read) (ペーパーバック)』 Harpercollins Childrens Books (2000/4/4)
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『きょうりゅうくんはするよ・しないよ』文化出版局 品切れ
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『きょうりゅうくんは するよ・しないよ』 シド・ホフ作 こだまともこ訳 文化出版局 1985年 品切れ
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きょうりゅうくんがしてること、きみにもできるかな? 気持ちよく暮らすためのルールとマナーを、きょうりゅうくんと一緒に楽しく学べる白黒絵本。 きょうりゅうくんがすることだったら、みんなも一緒にできるよね!
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きょうりゅうくんは 「おきなさい!」って おかあさんにいわれたら、すぐおきる。 きょうりゅうくんは うちのなかで ローラー・スケートなんかしない。 きょうりゅうくんは ・・・
よい子のきょうりゅうくんが、みんなによい子のお手本を示してくれる本。 ほっそりとした長い首の、巨大な身体のきょうりゅうくんが、すずしい顔で、すいすいいろんな行動を見せてくれます。 おかあさんが喜ぶようなおりこうさんを演じることもあれば、子どもたちが手をたたくようなやんちゃないたずらをしでかすこともあります。 きょうりゅうくんがやってのけると、おしつけがましくないし、ほのぼのとほほえましくて、生活の基本的ルールやマナーが愉快に学べそう。 読み聞かせすると、子どもたちの反応も楽しめて、一場面一場面、きょうりゅうくんの模範的行動にうなづいたり感心したり、反面教師的行動に首をふったり意見したりと、結構白熱しました。
シンプルなイラストは白黒で、テキストは華やかな濃いピンク色。 小さめの版型も、愛らしくてお気に入り。3姉妹もかくれたお気に入りで、読み聞かせ頻度大でした。
原題は、『DINOSAUR DO'S & DON'T'S』 コピーライトは、1975 by Syd Hoff とあります。
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