■スティーブン・ケロッグさんの絵本 |
Steven Kellogg アメリカコネティカット州生まれ。ロードアイランドのデザイン学校卒業後、イタリアに留学。本格的に絵の勉強をする。ケロッグの動物好きはとても有名で、家の中はいつもたくさんのペットたちでいっぱい。他の邦訳には、『マーティンより大きく』(ほるぷ出版) 、『あかいてぶくろみなかった?』(偕成社、品切れ)、『あーのるどのおねがい』(至光社、品切れ)などがある。 (『ふしぎなおたまじゃくし』猫といるか社 表紙カバー裏見返し 著者紹介 より) |
『ふしぎなおたまじゃくし』*『ロバートのふしぎなともだち』 |
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『ふしぎな おたまじゃくし』 スティーブン・ケロッグさく すずきまさこやく 錨といるか社 2001年 ほるぷ出版1980年刊の再刊
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ルイスのたんじょうびプレゼントにもらったオタマジャクシは、どんどん、どんどん大きくなり、とうとう家で飼うことができなくなって・・・。
夢とあこがれがいっぱいつまった、みずみずしい古典絵本。 アルフォンスもでっかいけれど、解決方法もでっかくて爽快!
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ルイスのたんじょうびに、スコットランドにすんでいる、マカリスターおじさんから、プレゼントが届きました。びんにはいった、オタマジャクシです。 ルイスはオタマジャクシに、アルフォンスというなまえをつけて、まいにちチーズバーガーをいくつもやり、大切にかわいがって育てました。 アルフォンスはだんだんおおきくなって、びんにも、ながしにも、ふろおけにもはいらなくなって、とうとう、アパートにもおいておけなくなってしまいました。 「となりのちゅうしゃじょうをかって、プールをつくったらどうかなあ」 ルイスは提案してみたのですが、そんな大金はどこにもなくて・・・。
すくすくすこやかに成長するふしぎなおたまじゃくしと、ルイスの友情を、のびのびと描いた愉快な絵本。 とんとん拍子に展開する物語と、軽快な挿絵の、おっとりしたハーモニーがたまらなく好きです。 透明度抜群の湖をながめているような淡い色使いも、描きこまれた繊細な線画も、文章をさらに発展させている登場人物たちのさまざまな表情も、見どころ満載で、嬉しい限り。 後半から登場する図書館員のたちまわりが、お茶目な中にも颯爽としていて、光っています。 アルフォンスの巨大化と居住問題の天晴れな解決方法が、これまた壮大で、爽快な読みごこち。 続編を想像したくなる結末も、鮮やかですよね。
アルフォンスを守り続けるルイスと、ルイスをしたい続けるアルフォンス。身体の大きさはどうであれ、ルイスとアルフォンスのいきいきと輝く無垢な瞳が、たまらなく可愛い絵本。
原題は、『THE MYSTERIOUS TADPOLE』1977 、First published in the United States by The Dial Press とあります。 アマゾン洋書ではこちらなど。↓
『The Mysterious Tadpole (A Pied Piper Book) (ペーパーバック)』 Puffin; Reissue版 (1993/01)
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『The Mysterious Tadpole (ハードカバー) 』 Dial Books for Young Readers; 25th Annv版 (2002/8/26)
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25周年記念版。 表紙が邦訳と異なっています。 表紙に、NEW ILLUSTRATIONS AND TEXT BY STEVEN KELLOGG とあるので(アマゾンで拡大してみてくださいね)、新版?
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『ロバートのふしぎなともだち』 マーガレット・マヒーさく スティーブン・ケロッグえ うちだりさこやく ほるぷ出版 1978年 品切れ
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学校の帰り道、1ぴきのかばが、ロバートのあとをついて、うちまでやってきてしまいました。かば好きのロバートは、びっくりしたりよろこんだり。 翌日、かばは4ひきになり、次の日には・・・
ロバートを慕ってか、どんどん数を増す謎のかばたちの、繊細で無邪気な描写が愉快。かばをとりまく騒動の、ほのぼのととぼけた雰囲気が楽しい古典絵本。
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ある日、ロバートという小さいふつうのおとこの子ががっこうからかえろうとしました。ふっとふりかえると1ぴきのかばがついてきます。 ロバートはびっくりしたりよろこんだり。よろこんだのは、かばがだいすきだったから。びっくりしたのは、こんなことうまれてはじめてのできごとだったからです。
ロバートの後についてうちに着いたかばは、しばふの中の金魚の池でその日を過ごし、次の日、学校にもついてきました。 やがてロバートが、学校から帰ろうとすると、こんどは4ひきのかばが・・・
かばに好かれたかば好きの男の子・カバート、じゃなかった(苦笑)、ロバートの愉快なお話。 日がたつにつれて、どんどん増えていく厚かましいかばの数に、なかなかの豪邸で上品に暮らすお父さんもお母さんも、いくら礼儀正しい人々とはいえ、だんだんうんざり、おかんむり。 そこでかば祓いをするべく、お子さま専門をうたう魔女をよんで、まじないの薬を試してみたら・・・。 シャボン玉のような淡い色をのせた繊細な線画で、ふつうのロバートをとりまくふつうでないかば騒動を丹念に描き出していて、笑えます。 人事みたいに淡々としたテキストも、どっしりとしたかばのつぶらな瞳も無心の笑顔も、あまりものおじしていないロバートの様子も、かば騒動のナンセンスさをひきたてていて、痛快。しぐさは可愛いけれどうろうろひしめく巨体のかばに、これからどうなるのかしらとこちらがおろおろするほどには、登場人物がおたおたしていないように見えるところが、またおっとりと楽しかったりします。お父さんと、お母さんでも、かば自体に対してのうろたえはあの程度なのですよ。とばっちり気味の魔女が笑えます。
どこからどうしてやってきたのかもわからないまま、とにかく決着のつけられてしまったはかないかばくんたちですが、ちょっぴりしゅんとしながら物語の結末をめくると、ふたたびニンマリしちゃいます。やったね!
原題は、『THE BOY WHO WAS FOLLOWED HOME』。1975 Franklin Watts, Inc アマゾン洋書ではこちらなど。↓
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『The Boy Who Was Followed Home (Picture Puffin) (ペーパーバック)』 Puffin Books (1993/5/27)
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