■ゼバスティアン・メッシェンモーザーさんの絵本 |
Sebastian Meschenmoser ドイツで注目を集める若い絵本作家の一人。「リスとお月さま」が2005年のボローニャ国際ブックフェアのベスト・イラストレーター展にノミネートされた。 (『リスとお月さま』コンセル 著者紹介 より) |
『リスとお月さま』 |
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『リスとお月さま』 ゼバスティアン・メッシェンモーザー作 松永美穂訳 コンセル 2007年 |
ある日突然、空から落っこちたのか、木の上のリスの家の前の枝にひっかかったお月さま。 お月さまどろぼうだと思われては大変と、リスはお月さまをなんとか動かそうとしますが・・・。 ハリネズミのお気の毒でお茶目な活躍(?)もお楽しみ。 ところどころに差し挟まれるページの、暗示的な白黒の場面が、奥深く不思議で神秘的。
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お月さまが、いったいどうしてリスのいえにおちてきたのでしょう? ぼくのところにあるのがみつかったら・・・ どろぼうだとおもわれて、つかまってろうやにいれられちゃうよ。 お月さまをどこかへやらなくちゃ! ・・・
ひょんなことから落っこちてきたお月さまをめぐって、リスとハリネズミとヤギたちが奮闘する、愉快で不思議な物語。
鉛筆画でしょうか、さらさらと美しい線の重なるタッチが、リアルな迫力と、ファンタジックなぬくもりを描いている不思議な絵本。控えめな色使いも、流麗で質感のあるタッチをひきたてているよう。 表紙をひらいた、見返しから、流れるように物語が始まっています。 リスを困らせ、ハリネズミをまきこみ、ヤギにつらぬかれた黄色いお月さまの正体はいったい・・・。 静かに浮かび上がる白黒のページの謎めいた雰囲気と、端整なイラストのあちこちににじむユーモアが、不思議な不思議な余韻。白黒のページの少しずつの変化も、お茶目だったり、神秘的だったり。
それにしても、リスやハリネズミやヤギたちのしぐさが生き物そのままのリアルさでありながら、いまにもしゃべりだしそうな表情をしていて、見ごたえがあります。 『リスとお月さま』のタイトルからは惜しくももれているものの、ハリネズミの活躍もリッパに主役級(あ、ヤギもネ)で、個人的に嬉しい絵本(笑)。
原題は、『Herr Eichhorn und der Mond 』 2006 Esslinger Verlag J.F. Schreiber Gmbh, Esslingen, Germany. とあります。 アマゾン洋書ではこちら。↓
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『Herr Eichhorn und der Mond (ハードカバー)』 Esslinger Verlag (2006/07)
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