■ロジャー・デュボアザンさんの絵本
Roger Duvoisin 1904-1980 スイス、ジュネーヴに生まれる。ルイーズ・ファティオと結婚後、アメリカに移住。息子のために絵本を作ったことがきっかけで、子どもの本の世界に入る。『ロバのロバちゃん』(偕成社)、『ゆくえふめいのミルクやさん』(童話館出版)、『しろいゆき あかるいゆき』、『はる・なつ・あき・ふゆ いろいろのいえ』楽天ブックス はる・なつ・あき・ふゆ いろいろのいえ(ともにBL出版)など優れた作品を次々と発表し、それらは長年にわたって多くの子どもたちから愛され続けている。
ルイーズ・ファティオとの夫妻コンビの作品には、『ごきげんならいおん』(福音館書店)楽天ブックス ごきげんならいおん 、『ペンギンのへクター』(童話館出版)など。
『(『マリーのお人形』BL出版 表紙カバー裏見返し 著者紹介 より)
『マリーのお人形』

 

『マリーのお人形』BL出版

『マリーのお人形』
文 ルイーズ・ファティオ
絵 ロジャー・デュボアザン
訳 江國香織
BL出版
2007年

ためいきをつくアンティーク・ドールにぴったりの、品のよい古風なタッチで軽やかに仕上げられた、人形と女の子の愛らしい絵本。

自分の絵本と同じ本文の、お人形のための小冊子の付録が小粋!

ビーケーワン マリーのお人形

パリの街に、朝から晩までためいきばかりついている、ひとりのお人形が住んでいました。
お人形は、りっぱなドレスの、とても貴重なアンティークドールでしたが、ながいあいだこっとうひん店のウィンドウにすわったきりの、とても孤独なお人形でもありました。
「いっしょに遊べる小さな女の子さえいてくれたらなあ」
「ああ、いっしょにお茶をのんだり、いっしょに本をよんだりできるのに!」

けれどもまた、このおなじ大通りには、お人形を心から好きな誰かも住んでいました。
郵便屋さんの娘のマリーです。でも、マリーには、そんな貴重なお人形を買うだけのお金なんてなくて・・・。
・・・

タイトルに『マリーのお人形』とあるように、物語は、こっとうひん店のウィンドウの貴重で高価なアンティーク・ドールと、アンティーク・ドールに遊び相手のお人形としてあこがれる小さなマリーの、激動の(?)軌跡の物語。感じのいいとしとったご婦人にはちょいとお気の毒な面もありますが、脇役たちの愉快な活躍や、小道具の用いられ方も、軽やかで、洗練された雰囲気。

読みながら、お人形と一緒におままごとをして遊んだ、遠い(?)日々の記憶かよみがえるような、甘酸っぱい気持ちになりました。さらに、お人形に読み聞かせるための、小冊子版『マリーのお人形』までついていて、感激!
自分のための普通の大きさのハードカバーの絵本、自分のお人形に持たせてあげるための小さな、けれど本文は自分のものと同じ冊子の絵本・・・と、2冊ならべて眺めたら、思わずオオトメゴコロをくすぐられ、一人で(もしくは、お人形と一緒に)ニンマリしてしまいそう。

原題は、『A DOLL FOR MARIE』copyright (c) 1957 by Louise Fatio Duvoisin and Roger Duvoisin とあります。

最近、いろいろな絵本が復刊されたり、新しく翻訳出版されたりと、嬉しいニュースが続いていてめでたい!

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