■レックス・パーキンさんの絵本
Rex Parkin 他の作品に『The shadow train』(Macmillan 1962)がある。
『あかいじゅうたん』

 

『あかいじゅうたん』ジー・シー 品切れ

『あかいじゅうたん』
レックス・パーキンぶんとえ
みむらみちこやく
ジー・シー
1989年
品切れ

くるくるするするころがるころがる、縦横無尽の傍若無人の赤いじゅうたんが、どうにもこうにも止まらない!

どこへ行くのか誰も知らず、じゅうたんさえも運命の分かれ道でほんのちょっぴり迷うほど。

導かれるままにたどり着いたオドロキの先は、なんと!

パレードにふさわしいにぎやかでお洒落で華やかな絵本。
3姉妹読み聞かせ大好評、もう一回コール頻度大。


原書は『THE RED CARPET』(The Macmillan Campany 1948)と、あります。アマゾンの洋書を検索してみたのですが、品切れ。ちなみに1993年re print版とありますので、幾度か再版されているのでしょうか?

ゅうたんといえば、空とぶ魔法のじゅうたんがすぐに思い出されますが、こちらの赤いじゅうたんも、奇想天外摩訶不思議。
見かけはいたって普通の、ベルビューホテルのとっておきのじゅうたん、特別の日の特別のお客様のお出迎え用に入り口に広げる、すてきに赤いじゅうたんなのです。
いつもはくるくるまかれておとなしく倉庫にしまわれているこのじゅうたん、いざ大切なお客様・サルタナ公をおむかえすべく、さあひろげようと、空色の服のドアマンが、ひもをほどいてつつみをあけて、ぽん、と、足先で一押しすると、あら不思議・・・。

くるくるするする、巻物状の赤いじゅうたんは、ろうかをころがり、ロビーをぬけ、
ドアを通り越し
ほどうをわたり

道路に飛び出し・・・、


とまらなくなってしまった!

のです。

これは大変!

それもただ転がるだけでなく、ちゃんと車をよけたり、角で曲がったりしながら、どんどん勢いづいて調子づいて、あたかも生きているように、分かれ道で好きな方角を選んだりするのですから、もう驚きがとまりません。

逃げるじゅうたんの、レトロな配色のカラーのページと、あかいじゅうたんの赤がひときわ目立つ白黒のページが交互に編まれていて、縦横無尽のじゅうたんの傍若無人(?)ぶりを、つぎつぎとめくりたくなる構成になっています。赤線で迷路をなぞるように、町中の道路をうねうねと駆け巡るページなど、子ども達にひったくられる可能性大ですので要注意(笑)。

市長も止められない、警察も止められない、大騒ぎのいきつく先は、いったいどこに?
このてんやわんやの顛末が、最初からしくまれたお茶目なワナのように、ちゃっかりと八方丸く、しかもいちばん華やかであっぱれな形でおさまったりするのですから、小粋ですよね。

ころがる毛糸玉のように、テンポよいテキストが抜群に面白く、さらにシックなマリンカラーの配色のクラシカルなイラストがとてもお洒落で、きかんぼのあかいじゅうたんがとてもお茶目な、わくわくするナンセンス絵本。

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