原書は『THE RED CARPET』(The Macmillan Campany 1948)と、あります。アマゾンの洋書を検索してみたのですが、品切れ。ちなみに1993年re print版とありますので、幾度か再版されているのでしょうか? じゅうたんといえば、空とぶ魔法のじゅうたんがすぐに思い出されますが、こちらの赤いじゅうたんも、奇想天外摩訶不思議。 くるくるするする、巻物状の赤いじゅうたんは、ろうかをころがり、ロビーをぬけ、 それもただ転がるだけでなく、ちゃんと車をよけたり、角で曲がったりしながら、どんどん勢いづいて調子づいて、あたかも生きているように、分かれ道で好きな方角を選んだりするのですから、もう驚きがとまりません。 逃げるじゅうたんの、レトロな配色のカラーのページと、あかいじゅうたんの赤がひときわ目立つ白黒のページが交互に編まれていて、縦横無尽のじゅうたんの傍若無人(?)ぶりを、つぎつぎとめくりたくなる構成になっています。赤線で迷路をなぞるように、町中の道路をうねうねと駆け巡るページなど、子ども達にひったくられる可能性大ですので要注意(笑)。 市長も止められない、警察も止められない、大騒ぎのいきつく先は、いったいどこに? ころがる毛糸玉のように、テンポよいテキストが抜群に面白く、さらにシックなマリンカラーの配色のクラシカルなイラストがとてもお洒落で、きかんぼのあかいじゅうたんがとてもお茶目な、わくわくするナンセンス絵本。 Copyright (c)2006 kudolacieko All Rights Reserved |