■ルーシー・カズンズさんの絵本
Lucy Cousins 1964年イギリス生まれ。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート在学中に『ポートリーのぼうし』偕成社で絵本賞を受賞。「メイシーちゃん」のシリーズオンライン書店ビーケーワン:メイシーちゃんレモネードをつくります(←画像は『メイシーちゃんレモネードをつくります』偕成社)で世界的な人気を得る。その他の作品には、『それゆけ!さかなくん』(偕成社)オンライン書店ビーケーワン:それゆけ!さかなくん!など。
『ポートリーのぼうし』*『メイシーちゃんのたのしいキャンプ』*『ベイビー・ジャジーのかくれんぼ』

 
『ポートリーのぼうし』偕成社

『ポートリーの
ぼうし』
ルーシー・カズンズ作
五味太郎訳
偕成社
1996年

いじわるかもめのスチュアートが、ペンギン・ポートリーの大事なぼうしをかっさらった!
チビで勇敢な鳥・バートが、追いかけて・・・。

自由闊達大胆無邪気な絵と書き文字で、鳥たちの帽子奪還物語を愉快に描いた愛らしい絵本。姿かたちが異なっていたってみんな仲間。見かけで判断したり、馬鹿にしたり、いじわるしたりするのは防止だよ!
ルーシー・カズンズさんの記念すべきデビュー作。

オンライン書店ビーケーワン:ポートリーのぼうし

ペンギン・ポートリーはいつでもぼうしをかぶってるよ。
ところがある日、いじわるかものスチュアートが、飛べないポートリーを馬鹿にして、ぼうしをかっさらっていった。
そこへチビだけど勇ましいとりのバート。
「よし、おれがとっつかまえる」
・・・。

イギリス生まれの世界的人気絵本作家、ルーシー・カズンズさんのデビュー作。子どものらくがきみたいに元気いっぱいの筆による輪郭線はそのままに、シンプルでシックな色使いが小粋な絵本。ルーシー・カズンズさんののちのカラフルな絵本に比べて、余白の白のままの部分が多いところも、なんだかわくわく新鮮。
小さいながら型破りの斬新な絵本で、ペンギンのポートリーもかもめのスチュアートも鳥のバートも大胆にデフォルメされ、背景もばっさり省略された独特の奔放なアートがド迫力。物語は素直ながら気持ちのよい展開で、バートの活躍にぐっと溜飲をさげたら、きがつけばポートリーと一緒に拍手喝さいしているかも(あれ、主人公はだれだった?なんてあんまり気にならないよね、笑)。

とにかく、帽子好きならたまらない、愛すべきやんちゃな一冊。見返しの水玉模様的帽子整列模様(?)もおしゃれ。
原書は『Portly's Hat』1988 Macmillan Childrn's Books,London とあります。

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『メイシーちゃんのたのしいキャンプ』偕成社

ルーシー・カズンズさんの代表作、「メイシー」ちゃんのシリーズは、大胆な黒線でふちどられた形と、天性の陽気な色使い、独特のにぎやかなデフォルメで、どれもそろって元気いっぱい、大人気。
仕掛けのある絵本もあったり、小さい子用のボードブックや、布絵本もあったり、種類もよりどりみどり。
邦訳もたくさん出ているので、どれを選ぶか迷うくらいなのですが、こちらは見え隠れが楽しい一冊。↓

 

『メイシーちゃんの
たのしいキャンプ』
作・ルーシー・カズンズ
訳・なぎともこ
偕成社 
2004年

ともだちみんなで、キャンプにでかけたメイシーちゃん、テントでおやすみするために、一人ずつ中に入りました。
あれあれ、どんどんテントはぎゅうぎゅうに・・・!

だんだん高まっていくわくわくとはらはらが楽しいメイシーちゃん絵本。
いつものカラフルでビビットなイラストと、テントの中の影絵のようなイラストが、対照的で楽しいね。

オンライン書店ビーケーワン:メイシーちゃんのたのしいキャンプ

なつのあるひのごこ。
いなかにキャンプにでかけたメイシーちゃんたちは、わいわいテントを組み立てて、さあ、おやすみの時間。
最初にテントにはいったのは、リスのシリル。
こうして、まずはテントのなかに、−ひとり!

おつぎは、わにのチャーリー。
これで、テントのなかは、ふたり!

そしてつぎは・・・

メイシーちゃんとおともだち5人、みんなみんなテントにはいれるかな?
積み木をだんだん積み上げていくみたいに、ほどよい緊張感と期待が高まる絵本。最後のお客は、どうなるの?

懐中電灯で照らされたテントの中は、くっきりとした影絵の世界。色とりどりのビビットなみんなが、テントの中に足を踏み入れたとたん、オレンジ色とベージュ色の2色使いに変わるところが劇的でなんとも楽しいね。
ひとり、ふたり・・・数の勉強にもなっちゃうかも。英文併記だから、原書の雰囲気も楽しめて、英会話だって学べちゃうかもね。

原書は、『Maisy goes camping』2004 Walker Books Ltd.,London.とあります。

 

『Maisy Goes
Camping

(Maisy)
(ハードカバー)』
Walker Books Ltd
(2004/5/3)

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『ベイビー・ジャジーのかくれんぼジャングル』偕成社

 

めくってのぞいて
しかけであそぶ

かくれんぼえほん
『ベイビー・ジャジーのかくれんぼ
ジャングル』
作・ルーシー・カズンズ
訳・なぎともこ
偕成社 
2002年

ベイビー・ジャジーはどーこだ?

きょろっとのぞくかわいいお目目に、こーこだ、と、穴あきページをめくってみたら、
「ここにはいないよ」

巧みな切り込みと穴あき仕掛けで、ページをつぎつぎめくるのも楽しい鮮烈な絵本。みなぎる濃密なタッチ、色と形の熱気は、まさにジャングル。

オンライン書店ビーケーワン:ベイビー・ジャジーのかくれんぼジャングル

しましましっぽのながーいワオキツネザルのママ・ジョジョと、ベイビー・ジャジーが、ジャングルのなかでかくれんぼ。
ベイビー・ジャジーは、どーこだ?

緑豊かなジャングルの、とりどりの色、思い思いの形、いきいきとした模様で華やかに咲きほこる、目の覚めるような草花たち。
ベイビー・ジャジーの可愛いおめめが、あの緑のすきまからちらり、この葉陰からちらり、そのしげみのむこうにちらりと、たちまちのぞいているような気がするのですが・・・樹木の枝葉にそって巧みに切り落とされた楽しいページをめくってみると、あれあれ、
「ここにはいないよ」
いたのは、違う動物。
親切にいろいろ教えてくれたりするのですが、なかなかベイビー・ジャジーは見つかりません。
かくれんぼ上手のベイビー・ジャジーは、いったいどーこだ?

カラフルなジャングルの植物の模様の「点」が、丸くくりぬかれた穴からのぞくと、ちょうどお目目みたいに見えるのですね。
小さい子は絵本のお目目に敏感だから、大喜びで、かくれんぼしていそうな疑惑のポイントをつぎつぎと「発見」しては、めくって楽しく仰天するのではないかしら。
めくった後の穴も、きちんと点がおさまる見事なレイアウトだから、大きい子はぱたぱた絵本をめくって確認しては、その絶妙な一致に驚嘆したり。草や木の形に切り込まれた数ページが、ひとつのまとまりをもつ舞台のような構成になっているので、ページの形と形の重なりや奥行き感で、半立体的な楽しさも感じたり。

大判の絵本のページいっぱいに、自由闊達大胆無邪気に筆を走らせた、色鮮やかなイラストたちが、ページのむこうから手を振ってくれているような、お楽しみ絵本。
英文併記なので、原書の雰囲気も、訳文の楽しさも両方味わえます。

原書は『Jazzy in the Jungle』2002 Walker Books Ltd.,London. とあります。

 

『Jazzy in
the Jungle
(ペーパーバック)』
Walker Books Ltd
(2004/5/3)


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