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1982年『Sylvia und der Wunderbaum』***未邦訳「シルビアと不思議な木」

初版 1982年
タイトル 『Sylvia und der Wunderbaum』
テキスト Lorenz Elfriede
イラスト Josef Palecek
出版社≪シンプルに Verlag Jungbrunnen Wien und München ◆くわしく
大きさなど※ ペーパーバック版
カラー、32p。
約27.4*20.6センチ
邦訳 未邦訳
「シルビアと魔法の木」

原書を見て
表紙

                     

↑しましまのイメージはこんな感じでしょうか・・・

さわやかな青と白の縦じまの大きなリボンで髪をポニーテールに結った、可愛い少女・Sylviaが主人公の物語です。リボンは縦じまですが、お洋服のシャツは青と白の横じまで、なんだかとってもお洒落です。

表紙はそのシルビアと、白い愛らしいねこが、さくらんぼのたわわに実った不思議な魅力的な模様の木のこずえから顔をのぞかせ、片手をあげて、ハーイ、と、にっこりしているようなイラストです。


物語

この不思議な木というのは、どうやらシルビアの家の庭のさくらんぼの木のことのようで、シルビアやお父さんが水をやったりして大切にお世話をしています。
さくらんぼの木の秘密は何なのか、語学力不足でわからないのが悲しいのですが、近所の子どもたちがさくらんぼの収穫を手伝いにくるのをはじめとして、口ひげの紳士が国際色豊かな部下の者たちをひきつれてリムジンらしき車でのりつけるあたりから物語がどんどん展開し、不思議の木めぐりツアーか何かの旅行客までかけつけるありさまとなり、すっかり有名になってしまいます。
さらに、(たぶん口ひげの紳士の指図する)トラックやハシゴ車なども駆けつけて、なにやら騒々しくなってきて・・・。

ヨゼフ・パレチェクさんならではの色彩豊かで濃密なタッチはここでも本当に美しく、1970年代よりもよりくっきりと明るく澄んだ色調になっているように思います。

さくらんぼの木の少し渋い黄緑色やさくらんぼの赤など、オレンジ系のイメージの色使いの中で、シルビアのリボンやお洋服の青色は、とても効果的な指し色になっているように思えます。
特に、さくらんぼの木の庭を背景とする、青紫色を基調とした三日月の夜の場面は、月明かりにシルビアとシルビアのお母さんの並んで歩く姿が青白くほのうかんで、幻想的でなんてきれい・・・。

眺めているだけで元気になり、喜びがあふれてくるようなチャーミングな絵本です。
ぜひ、翻訳希望です!

ヨゼフ・パレチェクさんの描く一本の木の美しいモチーフは、オリジナルポストカードの一枚「DAREK-a」にも見ることができます。詳しくはこちら◆

テキストのLorenz Elfriedeさんは、アマゾン洋書で検索してもわからなかったのですが、アマゾンドイツなどで検索すると、『Anders geht es auch』1982年などの作品があるようです。
また、1983年Verlag Jungbrunnen 社より出版された児童文学作品集『Ihr seid gross und wir sind klein.◆』の中にも、作品「Wer furchtet sich vor der Hexe?」がおさめられています。

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