***ヨゼフ・パレチェクさんの作品一覧表の見方***最初にクリックしてご覧ください。

1977年『トララララ』***邦訳『Das grosse Tralala.』

初版 1977年
タイトル 『Das grosse Tralala.』
テキスト≪シンプルに Libuse Paleckova(Palecek)
◆くわしく
イラスト Josef Palecek
出版社≪シンプルに

原書;
学研
◆くわしく

ドイツ語版;
学研が印刷
(販売はH. Peters, Hanau 1978年?)

原書 邦訳
『トララララ』
リブシェ・パレチコヴァー作
ヨゼフ・パレチェク絵
千野栄一訳
学研ワールド絵本
品切れ
大きさなど※ 月刊予約絵本の1冊だったと思われます。・・・未読。
ドイツ語版大きさなど※ ドイツ語版
カラー、28p。
約26.2*21.2センチ
ドイツ語訳Rose Pflock
アマゾン洋書※

『Das grosse Tralala.』
ペーパーバック
H. Peters, Hanau 
ISBN: 3876278651
(1987/12)

上記版元H. Peters, Hanau 社は、1982年『Kinder- Schmuckbriefkarten I.◆』を出版

 

 

※レン・コーポレーションさまの許可を得て画像を掲載しております。無断転載などはご遠慮ください。


原書『トララララ』を探して・・・
1977年初版、学研ワールド絵本の1冊で、月刊予約絵本、ペーパーバック版だったと推測されますが、未読のため詳細不明。
学研ワールド絵本のために、パレチェクご夫妻が描きおろしてくださった、幻(?)の絵本です。幼稚園、保育園などでの一括予約購入絵本だったためか、図書館にも蔵書がなく、目下熱く探求中。
私物は方々探して入手したドイツ語版『Das grosse Tralala.』で、版元はDr. Hans petersVerlag,Hanau、1978年コピーライト、とあります。その原書表記には、1977年コピーライト、Gakken Co Ltd.,printed in japan、とあります。
日本発の「輸出版」学研ワールド絵本、ということになるのでしょうか。

ちなみに、日本語題名だと『トララララ』なのに、ドイツ語になると『Tralala (トラララ)』と一文字短くなるんですね。発見。


表紙と物語、裏表紙へ
表紙は、緑の静かな炎のような草むらの中に、ひざを抱えた女の子がひとり。
そうです、ヨゼフ・パレチェクさんのさまざまな絵本にしばしば登場する、ひざを抱えた女の子!(←続きは左下表をご参照ください)
長い素直な髪は豊かに流れ、そのほおはばら色なのに、少し憂えた表情で、まあるく小さく、物思いに沈んでいます。
虹色のワンピースに、三つ折りのソックス。かたわらにはちょうちょがひらひら飛んでいます。

こんなに可愛い女の子が、どうしたのかしら・・・と、扉を開くと。
並んで大きく口をあけて、うっとりと歌う三匹のリスの描かれた、中表紙。
つづいて、本文がはじまって・・・青い鳥。チャーミングで不思議な文様の青い鳥が、翼を広げて飛びながらうっとりと歌います。
「トララララ!」
つづいて、太陽。右ページいっぱいに描かれた大きな太陽が、にっこりと口をあけ、両手を広げ、元気いっぱい歌っているようです。
「トララララ!」 
この太陽、水色の小花のお目目やほっぺたの文様、さりげなくちょこんと体がついているデザインなど、『Mein Kindchen das bleibt mein.◆』の表紙にもお出ましだった、あの太陽にモチーフが少し似ています!それから続いて、大きなシンバルをかまえたうさぎ、ホルンを吹く牛、自身がカラフルな五線譜のホルンのような、指揮棒を振るかたつむり、縦笛を奏でるしましま帽子の桃色の三日月・・・・。
つぎつぎと元気いっぱいの生き物たちが、画面いっぱい、にぎやかに登場し、軽やかに歌い上げています。
どのモチーフも、パレチェクさんならではの、どこかの絵本でしばしば見かける愛くるしいモチーフばかり!
パレチェクさんワールドの個々の作品を越えたつながり、ひろがりを感じて、嬉しくなってしまいます。
これらのモチーフが、ヨゼフ・パレチェクさんのオリジナルポストカードにも登場しています。くわしくはこちら◆

「ひざをかかえた女の子のモチーフ

ひざをかかえるおんなのこ ポスター

ポスター

ヨゼフ・パレチェクさんの
オリジナル・ポストカードの一枚
取扱店で発売中
ポストカード特集はこちら

(c)Josef Palecek (c)project ano

この虹色の縦じまのワンピース、素直な長い髪、大事に抱えられた両ひざと、どこかアンニュイな女の子のあふれそうな心・・・。
初めてみた瞬間、
『トララララ』!
に、そっくりだと思ってしまいました。
(もちろん同じではありません)このポスターの女の子はほほえみをうかべていて、眺めているこちらまでにっこりと魔法をかけてくれそうです。まるで小鳥の巣のように女の子を包む金色の木、楽しく寄り添うたくさんの生き物たち・・・これは、本物の魔法かもしれませんね!


『マシュリカの旅』リブシェ・パレチコヴァー作 ヨゼフ・パレチェク絵 編集工房くうアンニュイな雰囲気でいうなら、『マシュリカの旅◆』のこの美しい女の子も、忘れることができない珠玉の絵本です。

さらに、「ひざをかかえた女の子」のイメージの雰囲気を感じるイラストには、『おやゆびひめ◆』の一場面、『Piccoli concerti della sera◆』の一編、「はなのすきなちょうちょのおはなし」のイラスト、

『Der Regenbogenberg, eine Traumgeschichte◆』の白黒の一カットなどがあります。発見するたび嬉しくなるような、そっと包み込みたくなるような、大切なイメージですよね。

さて元気いっぱい歌ったり、楽器を奏でているその生き物たちは、表紙の憂えた女の子を、元気付けようとしているのでしょうか?
その答えは、もしかするとほほえましい裏表紙に。女の子が再び登場していますので、もし邦訳などご覧になる幸運な機会に恵まれましたら、ぜひお見逃しなく!(そして内容について教えてくださいませ!)

とてもいきいきとのびやかで、マーブルチョコレートみたいにカラフルで、眺めているだけで楽しくて元気の出てくる絵本。
復刊切望です・・・。

▲上へ

ヨゼフ・パレチェクさんの絵本トップページへ

▲HOMEへ
くどー★La★ちぇこさんの絵本日記HOMEへ


Copyright (c)2005-2006 kudolacieko All Rights Reserved