***ヨゼフ・パレチェクさんの作品一覧表の見方***最初にクリックしてご覧ください。 |
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大きさなど※は、私物を参考にはかったものです。ページ数表記のないものが多く、本文イラストのページを主として数えていますが、数え方によっては誤差もありますことをご了承ください。測り方による多少の誤差もご了承ください。 アマゾン洋書※は、2006年2月時点の検索結果に基づいています。古いものは詳細不明であるものも多く、また再版や、ペーパーバック版は、初版の版元と異なる場合も多いようです。 |
基本的にドイツ語、英語の洋書を、個人的に入手できたものに限り一覧表にしていますので、本国チェコの本など、すべてを網羅しているわけではありません。 また、チェコ語のフォントにつきましては、正しいフォント表記ではありません。ご了承ください。 引き続き探求中ですので、間違い指摘、訂正、追加、新情報などなどいただけましたらとても嬉しいです。 |
■1976年『Pummel.』***邦訳『ちびでぶカバくん』 |
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■原書を見て ■表紙 オフホワイトの地に、黒いしっかりとした輪郭線でラフに枠が描かれ、その中に真っ赤な夕日(朝日?)と、ほっぺの桃色の可愛いちびでぶカバくんが、水に浸りながら、にっこりと草をはんでいる表紙です。 クレヨンをお使いなのでしょうか、パステルでしょうか、ヨゼフ・パレチェクさんならではの、深みのある色使いの、温かでのびやかなタッチ。 ところどころで、植物やちょうちょの羽の飾りに用いられている、ペイズリー模様(勾玉模様、渦巻模様とも呼ばれるそうです)のような文様が、ちびでぶカバくんたちの点々の眉や、可憐な草花とも調和して、リズミカルでどこかなつかしく、心地よい独自の雰囲気をかもし出している感じです。 ■邦訳を読んで カバー見返しの、千野栄一さんの訳者のことばのひとつひとつがとても心に響きます。美しいイラストについても、 「・・・この絵を描いたパレチェックはいつも心に暖かさを持った優しい人で、その気持がどの絵にもあふれているとは思いませんか?」 とあり、お二人のすばらしいお人柄と交流がしのばれて、感激です。 物語は、ちびでぶカバくんことフリネックの、「自分探し」の遍歴を楽しく描いた物語。 ちゃいろがわのカバむらに、家族や仲良しのオテルカたちと住むすむフリネックは、いたずらと歌うことが大好きな陽気なカバ。 「あなたはようきでかわいらしいカバさんよ」 「ちょうちょみたいにかろやかでうつくしくなりたい・・・」 フリネックは、ちょうちょになってふわりと舞い上がり、カバむらの上までやってきますが、おばさんカバと遊んでいるオテルカは気づきません。 ■邦訳のフリネックの名前について ところで邦訳のちびでぶカバくんの名前はフリネックなのですが、これは原書『Pummel.』が1976年に出版された翌年1977年に制作されたチェコアニメ・『Tylinek』(←左記表参照)と、言葉の音が似ています。訳者の千野栄一さんは、チェコ語の原文から直接翻訳なさったのかもしれません(チェコ語の原本もあったのかも?)! ちなみに、ドイツ語原書『Pummel.』のちびでぶカバくんのお名前は、「Pummel.」、なかよしの女の子のカバの名前(邦訳はオテルカ)が「Pummeline」なのでは、と思われます(ドイツ語が読めないので推測・・・)。 ■「原本ほるぷ世界の絵本」について また、原書『Pummel.』が、なんと図書館に蔵書があったので、喜んで早速借りたのですが、1994年第三刷(※↓下記表参照)で、日本の「原本ほるぷ世界の絵本」のために再版されたもののようです。なんとパレチェクさんデザインのかわいい「原本ほるぷ世界の絵本」マークと、タイトルの下にパレチェクさんのサインの印刷が入っていました! ■1977年アニメーションフィルム化 ←左記表をご参照ください。 2006年4月、日本でもついに上映。2007年2月21日、待望のDVD化。他のチェコのアーティストのアニメ作品とともに楽しめます。 ■1990年新タイトル・新テキスト・新イラストの『Stupsi』について 下記1990年欄▼もご参照ください。 さらに、1990年にはすべてを新しくなさった、『Stupsi : Die Geschichte vom kleinen Flusspferd, das auf der Suche nach sich selbst ist』が出版されています。
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■1990年『Stupsi : Die Geschichte vom kleinen Flusspferd, das auf der Suche nach sich selbst ist』***邦訳『かばのティリーネック』 |
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■原書を見て ■表紙 1976年初版の『Pummel.▲』をもとに、イラスト・テキスト・版元をあらためた絵本『Stupsi : Die Geschichte vom kleinen Flusspferd, das auf der Suche nach sich selbst ist』が、1990年に出版されています。 裏表紙は、1976年『Pummel』、1990年『Stupsi』ともに、魔法の花が描かれています。『Pummel』ではけしの花のような、きれいな普通のピンクの花に描かれていましたが、『Stupsi』では、よく似たモチーフの花びらの花の真ん中に、擬人化されたやさしい人の顔が描かれています。 ■本文を眺めて 上記1976年『Pummel.▲』もご参照ください。 本文イラストは本当に夢のように美しく、明るく濃厚で繊細な色彩で、太陽の国の神秘的な密林を思わせる独特の魅力あふれる風景が描かれ、表情豊かで愛嬌と元気いっぱいの登場人物たちが、いきいきしたレイアウトも楽しく、絵本の中をぴちぴちととびはねるように描かれています。 ■邦訳『かばのティリーネック』を読んで
↑ 2006年、アニメーションの上映にあわせて、ついに『stupsi』の翻訳絵本『かばのティリーネック』(プロジェクト・アノ)が出版されました! 大きさ、ページ数、イラストとテキストのレイアウト、奥付表記の場所などなど、すみずみまで原書に忠実で、細やかな配慮のゆきとどいたとっておきの一冊! 物語は、基本的には1976年『Pummel』と同じティリーネックの「自分探し」の遍歴の物語。そしてさらに細やかになめらかに、小さなエピソードが広がった感じがします。 いたずらが好きで歌うことが好きであかるいやんちゃなティリーネックは、みんなに愛されるかばでした。 「あなたは今までだって、ずっとかばだったじゃないの。いつも明るくて、元気いっぱいだったわ!」 美しいチョウチョになって、かばのむれのいるところまで飛んでいきますが、ひとりぼっちでさみしそうなオティルカはまったく気づきません。 1976年の『pummel』のラストに、さらにじっくりと描き足した結末が、豊かで幸せな余韻をもたらします。 「自分」を探したティリーネックが、川のほとりを歩いて、そして駆け出していく・・・その先さえも、読み手の中につむいでゆくような、心に響く美しい絵本。 |
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