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1975年『Michael hat einen Seemann 』***未邦訳「ミハエルと船乗り」

初版 1975年
タイトル 『Michael hat einen Seemann 』
テキスト≪シンプルに Wolf Harranth
◆くわしく
イラスト Josef Palecek

出版社シンプルに

Verlag Jungbrunnen,Wien-München
◆くわしく
その他 ペーパーバック版
カラー、白黒、32p。
25.5*19.5センチ
邦訳 未邦訳
「ミハエルと船乗り」

原書を見て
表紙
 

枠はこんな雰囲気でしょうか???。海の青のイメージ・・・

個人的に知り得たかぎりでも、ヨゼフ・パレチェクさんのたくさんの作品たちの中で、海の場面が登場する貴重な1冊といえるかもしれません。

主人公はめがねの少年、ミハエル。アパートに両親と住んでいて、少し内気ではずかしがりやさんのようです。
表紙は、さわやかな青系の枠の中の、白い地の真ん中に、船乗りの制服のような、青い横じまのシャツに紺色のズボンのおひげのおじさんが、ひざまづき、めがねのミハエルの方を抱いてほほをよせているほほえましいイラスト。


物語
本文はカラーと白黒が交互に編まれた構成。
ページをめくると、そのミハエルが、アパートの階段に元気なく座って、くまのぬいぐるみを抱えている場面。そこへやってきたのが、ジャムのビンのようなビンをいくつもかかえ、パイプをくわえた、おひげのおじさん。このおじさんは、表紙の船乗りと同じ人物なのでしょうか・・・?

 

ミハエルは、ひっこみじあんなのか、表で遊ぶ子供達の輪の中にも、なかなか入れないようですが、ある夜、船乗りのおじさんから、さまざまな海の冒険物語を聞く機会にめぐまれます。

すっかりあこがれて、勇気をもらったミハエルは・・・。

ドイツ語が読めないので、イラストから想像するのみですが、内気なミハエルが、海と船乗りのおじさんから憧れと勇気をもらう、とても心温まる物語のようです。
ただ、船乗りのおじさんは、ページによっては実線で描かれず点線で現されている箇所や、うすく透かして描かれた箇所など、もしかすると、実在の人物ではないのかも、と、思えるような場面もあるようです。もしかすると、ミハエルにしか見えない夢の人物なのかも?

ミハエルの夢と憧れを乗せた船出の白黒の場面、続く海のカラーの場面はとりわけ美しく、少し切なくて、幻想的で、長く心に残ります。(ちなみに、この船出の場面に、万国旗が描かれていて、日本の国旗もちらりと登場しているのです、白黒なので、他の国旗の可能性もありますが・・・)
ぜひとも邦訳を読んでみたい1冊。

なお、ヨゼフ・パレチェクさんの絵本たちの中で、海の出てくる他の作品は、1980年『ソリマンのおひめさま◆』、1981年『La petite ondin◆』、1995年『Die Insel Hammerbö◆』などが思い浮かびます。

チェコは海から少し離れていますが、これらの海は、とてもとても幻想的で夢のように美しいです!

 

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