***ヨゼフ・パレチェクさんの作品一覧表の見方***最初にクリックしてご覧ください。 |
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大きさなど※は、私物を参考にはかったものです。ページ数表記のないものが多く、本文イラストのページを主として数えていますが、数え方によっては誤差もありますことをご了承ください。測り方による多少の誤差もご了承ください。 アマゾン洋書※は、2006年2月時点の検索結果に基づいています。古いものは詳細不明であるものも多く、また再版や、ペーパーバック版は、初版の版元と異なる場合も多いようです。 |
基本的にドイツ語、英語の洋書を、個人的に入手できたものに限り一覧表にしていますので、本国チェコの本など、すべてを網羅しているわけではありません。 また、チェコ語のフォントにつきましては、正しいフォント表記ではありません。ご了承ください。 引き続き探求中ですので、間違い指摘、訂正、追加、新情報などなどいただけましたらとても嬉しいです。 |
■□1974年原書あり?「くろいこねことしろいこねこ」***『The Little Black White Cat』 |
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■□英語版『The Little Black White Cat』を見て 実は、この、日本語原書の「ワールド絵本」の「The Little Black White Cat」を、個人的にまだ一度も見たことがありません。聞いたこともありません。頼みの図書館にも蔵書がないようなのですが、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらぜひ教えてくださいませ! 出版されているとしたら、『トララララ;▼コチラララ参照』、『ちびとらちゃん;▲コチトラ参照』などと、同じ頃・1970年代中頃のものなのでは、と、思っているのですが、どうでしょう・・・。 私物の英語版『The Little Black White Cat』は、版元がGakken co.,ltd 、printed in Japan とあります。テキストもイラストもヨゼフ・パレチェクさんによるもので、英語テキストは、Ann Herringさんとあります。 また、後の1976年には、原書コピーライト表示『The Little Black White Cat』1974として、新タイトル、新テキストの、『The Suprise Kitten』Parent's Magazine Press , New York 、英語テキストEd Sand、が出版されたようです。(▼下記参照) また、James Krüssさんによりドイツ語にも訳されたようですが(『Der kleine schwarze Weissfellkater.』詳細不明)、未読のため、どのストーリー(『The Little Black White Cat』もしくは、後の1976年の新タイトル『The Suprise Kitten』)に基づいているかなどくわしくは不明です。ご存知の方教えてくださいませ。 ■□表紙 表紙は、三匹の白いこねこと一匹の黒いこねこが、まあるいお目目をぱっちりあけて、まあるいかごの中から毛糸だまのようにまあるい愛らしい顔をのぞかせているイラスト。 一匹だけ黒色のこねこなのでとても目立ちますが、よく見ると、残りの三匹の白色のこねこたちの顔も、みんなそれぞれ違っています。 誰一人同じねこはいないのだと、細やかに個性を描き分けていらっしゃるのだと思います。 裏表紙は、美しい藍色の夜のイラスト。満天の星のもと、同じまあるいかごのなかで、同じ4匹のこねこたちがすやすやとまあるい顔を寄せ合って眠っています。 表紙と、裏表紙だけでも、同じかごの中で、一つの物語を作り上げていらっしゃるようです! 余談ですが、この愛らしいこねこのモチーフは、『Mein Kindchen das bleibt mein.◆』などでも登場するなど、しばしばパレチェクさんの作品の中に見られる楽しいモチーフの一つです。 ■□物語 そして表紙をめくると・・・。ある家の台所に白いねこの家族が住んでいました。4匹のこねこがいましたが、そのうちの一匹(男の子)だけ、なぜか頭の先から尻尾の先まで真黒ねこでした。 4匹のこねこで遊ぶとき、雪の中で黒いこねこはすぐに捕まってしまいます。石炭倉庫でかくれんぼするとき、黒いこねこだけいつまでたっても見つかりません。 黒いこねこは、ある日一緒に遊ぶことをやめて、だまって物思いに沈みます。 そんな憂える黒いこねこを見て、白いねこの家族は、そっと台所を抜け出して、石炭倉庫に向かいます。 そして墨をなすりつけて、真黒になって戻ってきてみると、黒いこねこは・・・。
お互いがお互いを理解しよう、認めようと歩み寄る、とても愛らしい物語。本物は、うわべや見かけには左右されないと、こねこたちのくるくると澄んだ瞳が語りかけてくるようです。 ■□1976年新タイトル『The Suprise Kitten』について ※▼下記1976年『The Suprise Kitten』欄もご参照ください。 1974年学研『The Little Black White Cat』として出版されたとの表記があり、表紙、本文イラストともにすべて同じものを用いた絵本で、版元は、Parent's Magazine Press , New York、英語テキストは、Ed Sand、とあります。 作者表記はby Josef Palecekと同じですが、英語テキストが異なり、物語設定の細かな部分と、ラストの白黒決着のつけ方が少し異なっているようです。
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■□原書を見て 学研ワールド絵本「くろいこねことしろいこねこ▲」のタイトルと英語文を改め、版元を変えて出版されたものです。ただし、原書は学研の1974年の 『The Little Black White Cat』、とのコピーライトの記載があります。 イラストは『The Little Black White Cat』と全く同じものだと思われます。
■□物語を読んで ※▲上記1974年「くろいこねことしろいこねこ」欄もご参照ください。 『The Little Black White Cat』では、三匹の白いこねこと一匹の黒いこねこ(男の子)は兄弟という設定でしたが、 『The Suprise Kitten』では、違います。ある日どこからか、一匹の黒いこねこ(女の子)が、白い三匹のこねこのいる家族のもとに、迷い込んできた設定です。名前をPepperとつけてもらって白ねこの家族の一員になります。 それから、最後。ラストの決着のつけ方が、少しだけ異なるように思います。 二つの色の物語、といえば、有名なレオ・レオニさんの 『◇あおくんときいろちゃん』(至光社) がありますが、二つの色の決着のつけ方には、いろいろな展開があると思います。まさしく、「白黒つける」というか、「白」になるか、「黒」にそまるか、まざって「灰色」になるか、まざるのですが混ざり方が「ぶち模様」になるか、「マーブル状」になるか、などなど・・・。 それぞれの「白黒つけかた」に、こめられた意味や思いがあると思うのですが、テキストによって、同じイラストでも、ラストの展開が異なるところが興味深いです。 かつてガース・ウィリアムズさんの 『◇しろいうさぎとくろいうさぎ』(福音館書店)が出版なされたとき、白と黒ということで、いろいろ言われたむきもあった、という話をちらと聞きましたが、この、『The Suprise Kitten』、『The Little Black White Cat』は大丈夫だったのかな・・・とも、考えたりもします。でも何度か再版されているのですものね。ぜひもう一度、日本でもよみがえれ。 |
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