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1972年『"Da ist eine wunderschöene Wiese,"sagt Herr Timtim』***未邦訳「美しき草原」

初版 1972年
タイトル 『"Da ist eine wunderschöene Wiese,"sagt Herr Timtim』
テキスト≪シンプルに Wolf Harranth
◆くわしく
イラスト Josef Palecek
出版社
≪シンプルに
Verlag Jungbrunnen,Wien
◆くわしく
大きさなど※ カラー、白黒、32p。
ペーパーバック
約25.3*19.5センチ
アマゾン洋書※

『Da ist eine wunderschoene Wiese.』
ペーパーバック
Jugend u. Volk, Wien
ISBN: 3702649107
(1992/01)

※この版元Jugend u. Volk, Wien は1992年『◇Ein Kinderbuch quer durch die Welt.』Hubert. Hladej (編集), Josef Palecek (イラスト) ペーパーバック (1992/01)も出版。(原書『Ein Kinderbuch quer durch die Welt.◆』の初版年数不明)

邦訳 未邦訳
「美しき草原」
英語版

英語版
『The Wonderful Meadow』
James Dobson英語訳
Dobson Books
1980年

この版元Dobson Books社は、1980年に同じコンビの作品をもう一冊、
『No Time for Claudia』;『Claudia mit einer Mutze voll Zeit.◆』を、出版しています。

英語版大きさなど※ ハードカバー
カラー、白黒、32p。
約25.8*19.7センチ
英語版アマゾン洋書※

『The Wonderful Meadow』
英語版
ペーパーバック(※実際にこのISBNでアマゾンイギリスから届いた絵本は、ハードカバーでした)
Dobson Books
ISBN: 0234721464
(1980/08)
32p

原書を見て
表紙
・・・
・・・
 

こんな雰囲気でしょうか???。

本文はカラーイラストとモノクロが交互に編まれた形式。私物はペーパーバック版、わら半紙のような紙質が年代を経て、印刷の色合いがしっとりと沈み、独特の美しさをにじませているようです。
表紙は、黄緑色の地に、帽子に蝶ネクタイ、白いシャツに縦じま◆のつりズボン姿のTimtim氏が、画面の左上に立ち、タイトルの,Da ist eine wunderschöene Wiese,'を、ふき出しの中でしゃべっているレイアウトです。そして、右下には愛らしい草花と、無邪気なちょうちょうが。
そして裏表紙は・・・、

・・・・・・
・・・

 

こんな雰囲気???。

Timtim氏の姿は消えて台詞だけが残っているのですが、その台詞に新たに緑色でandere(英語ではanother)、の一語が、Da ist eine の後に加わっています。そして、画面半分から下は、濃くたれこめた紫色の舗装道路・・・の上で、チョークで大きなちょうちょうの落書きを描いている、少年の後姿が・・・。
皮肉な鏡あわせともいえる、物語を象徴するようなイラストは、やはりパレチェクさんならでは。

 


英語版『The Wonderful Meadow』Dobson Books を読んで(眺めて)
ドイツ語版原書とは、表紙が異なり、本文最初のイラストを用いています。
◇アマゾンイギリスで注文して2ヶ月近く待って届いた待望の英語版、『The Wonderful Meadow』。(Dobson Books 1980年出版)を読みました。
くりかえしのリズムよくきびきびとしたテキストで、すばらしい緑豊かな広い草原の、街から憩いに来た人々とのかかわりを描いた、楽しい、そしてピリッとスパイスの効いた奥の深い物語、のようです。
パレチェクさんの描く独特の文様の美しい草原は、見るものの目に喜びと元気を与えてくれるようです。
この美しい草原が、ページを繰るごとにどんどん移り変わってゆくさまを、パレチェクさんならではの濃密な筆で明るくからりと描きながら、物語のシニカルな面を逆に浮き彫りにしています。

 


物語
すばらしい草原。
Timtim氏(英語版ではSmith氏)は言いました。
灰色の汚れた空の下の街からきた人々も、緑豊かで広々とした草原を、ひと目見てすっかり気に入りました。
ここには花と蝶とみつばちばかりで何もないけれど、車もない、工場の煙もないのです。
何もないけれど、広さはあるので、多少の人々がやってきても大丈夫。

でも、たくさんの人々がおしかけてきたら・・・自分の場所をめぐって小競り合いが起きたら、どうしましょう。

そこで人々は草原に塀を建てました。
これでもう大丈夫。
でも、塀を乗り越えて誰かがしのびこんできたらどうしましょう。

そこで人々は草原に道路を作りました。
これでもう大丈夫。
でも・・・。

人々の憂いがどんどんエスカレートするごとに、草原もどんどん様変わりしていきます。
1972年初版の作品ですが、今見ても変わらぬ人間と自然とのかかわりのテーマが、今見ても新鮮なタッチで、子どもたちにもわかりやすく、ユーモアたっぷりに描かれた、深い味わいのある作品。
また宝物が一つ増えました!


■参考;Winfried Opgenoorth 画、『Da ist eine wunderschoene Wiese.』について
初版 1985年
タイトル 『Da ist eine wunderschoene Wiese. Umwelt-Bilderbuch.』
テキスト Wolf Harranth
イラスト Winfried Opgenoorth
出版社 Jungbrunnen-Verlag
アマゾン洋書

『Da ist eine wunderschoene Wiese. Umwelt-Bilderbuch.』
Jungbrunnen, Mchn. 
ISBN: 3702655751
32p

邦訳 未邦訳
「美しき草原」

 


参考;Winfried Opgenoorth 画、『Da ist eine wunderschoene Wiese.』について

後にこのドイツ語版『Da ist eine wunderschoene Wiese.』は、イラストをWinfried Opgenoorth さん(ウィンフリート・オプゲノールト、『◇あるきだしたゆきだるま』(偕成社、のイラストの方)のもので再版された模様です。

◇アマゾンドイツに画像がありました。何度か再販されているようです。

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