■西川おさむさんの絵本 |
1940年福岡県生まれ。絵本作家、画家。『おばけとこどものおうさま』(PHP研究所) でボローニャ国際児童図書展エルバ賞受賞。作品に『ミイラくんあそぼうよ』(PHP研究所) 、『こいぬと10ぴきのおばけ』(ひかりのくに) など、多数。
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『うさぎのぱんとぶたのぱん』 |
別頁『ものぐさドラゴン』 |
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『うさぎのぱんと ぶたのぱん』 小沢正ぶん 西川おさむ絵 小峰書店 1992年
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きつねのパンやさんて変わってる。一見普通の、美味しそうな動物の顔の形のパン。食べてびっくり、その動物に変身しちゃう!
前半は、うさぎぱんを食べてお母さんに見破られなかった可愛いこぶたくんのお話。後半は、人間パンを武器に、友だちのうさぎを助け出しに言った勇敢なうさぎの物語。 どちらを読んでも愉快な発想と巧みな展開に、おなかいっぱい、満足満足。 もったいなくも、長く品切れでしたが、どうやら復刊になった模様。うれしいなったらうれしいな。
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きつねのパンやさんて、ちょっとかわってます。アンパンもジャムパンもクリームパンもないかわりに、ぶたぱんとかうさぎぱんとか、動物の顔のパンばかり売っているのです。 さて、いつもは 「ころちゃんはぶただから、ぶたぱんを買いましょうね」 といわれているぶたのころちゃんですが、今日は一人でお買い物、たまにはうさぎぱんなんて、初めて買ってみようかな・・・。 するとあらら・・・(「うさぎのぱんとぶたのぱん」)
後半の続編「うさぎのぱんとにんげんぱん」では、前半に登場したきつねのパン屋さんの不思議なパンを小道具に、猟師に捕まってしまったうさぎを助けるべく、うさぎのはなぴくが大活躍! もったいながりやでぬけめのない猟師のもとへ、にんげんぱんで人間に変身したはなぴくが果敢に飛び込みますが、うさぎのシチューをつくるお手伝いなどさせられてしまいます。 しかもどきどきびくびくしてしまって、猟師に何か聞かれるたび、うっかりどっきりボロを出しそうになって、材料を取りこぼしてしまう始末。すかさず、もったいながりやで忘れんぼの猟師が拾って食べてしまううちに、つかの間人間偽装疑惑を忘れてくれますが・・・。 果たしてはなぴくたちの運命はいかに?
愉快痛快、切り刻むたまねぎのようにさくさくとんとんと進む物語。その擬音語の豊富さ・楽しさも必見。 個性的な猟師とはなぴくの、漫才みたいなかけあいが絶妙で、このあと一体どうなるかは、本当に何度読んでもお楽しみ。これ以上書くなんて、もったいないったらもったいないので、ぜひぜひ、親子で楽しくお腹を抱えてくださいませ。
わけても長女・二女のお気に入りは、後半の2話目のお話「うさぎのぱんとにんげんぱん」。 これは、前半の1話目のお話「うさぎのぱんとぶたのぱん」の続編で、さらに発展・飛躍させた小気味よい物語です。 3姉妹の大好きな、「食べる・食べられる、のちょっとコワーイお話」であるうえに、昔話などによくある繰り返しの形式をきちんと踏んだ、なおかつ登場人物たちの台詞が個性的で響きが面白いお話なので、読むハハも結構ノリノリ、聞く3姉妹も期待通りわくわくで、3姉妹の「読んでくれ」頻度のかなり高いお気に入りの1冊です。
でも、いちばんもったいないのは、こんな面白い名作が、いつのまにか品切れ状態になっていることですよね!あー、もったいないったらもったいない。
↑ なんと、いつのまに購入可能になったのかしら?うれしいなったうれしいな。
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ちなみに、テキストの作者小沢正さんの絵本『すてきなバスケット』(福音館書店)も、小道具の「すてきなバスケット」の発想と設定と展開がお見事で、3姉妹の大のお気に入り、「食べる・食べられるのちょっとコワーイお話」なのですが、・・・こちらも現在品切れ。 もー、もったいないったらもったいない!
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