『もしもぼくがおとなだったら・・・』文溪堂

『もしもぼくが
おとな
だったら・・・』

文 ヤニコヴスキー・エーヴァ
絵 レーベル・ラースロー
訳 マンディ・ハシモト・レナ
文溪堂
2005年

こどもはみんなしっている。
おとなのほうがいいことたくさんあるんだ!

手描きの素朴さと洗練されたセンスをちりばめたイラストと、ぼくのおしゃべりのようなほほえましく苦笑いのテキストで、子ども心にうつる大人の不思議を描きます。
丁寧に描かれた子どもたちの姿に、その健やかな成長と未来を願う作者の心がつたわってくるような、ほのぼのと温かな絵本。あかぬけたユーモアも学べそう!

とても気になるハンガリーの絵本、待望の邦訳です!

オンライン書店ビーケーワン:もしもぼくがおとなだったら…ほっこりとぬくもりを感じるイラストに、ぴりっとスパイスをきかせたお茶目なテキスト、ぎゅっと愛らしさとくすぐったさと、ちょっぴりのイタガユサがつまっている絵本。
テキストの文字のフォントやレイアウトにも粋なこだわりが感じられて、素朴だけれどあかぬけていておしゃれ。

テキストのヤニコヴスキー・エーヴァさん(1626-2003)は、ハンガリーの代表的児童文学作家だそうで、2003年ハンガリーの名誉賞であるコシュート賞など、国内外の多数の賞を受賞、その作品は世界30数カ国で出版され、今なお愛され続けているそうです。

イラストのレーベル・ラースローさん(1920-2001)は、国内外で20以上もの賞を受賞した、これまたハンガリーを代表するイラストレーター、芸術家だそうです。
(『もしもぼくがおとなだったら・・・』作者紹介欄より)

原書は『ha en FELNOTT volnek』Mora Publishing House 1999年が初版でしょうか(正確な表記ができなくてごめんなさい)。
まさしくハンガリーを代表するお二人の、円熟した1冊なのですね。

オンライン書店ビーケーワン:もしもぼくがおとなだったら…テキストは、無理やりこじつけ的個人的感想を述べるならば、ハンガリー版「マンロー・リーフ絵本」と、よびたいお茶目でこころにくい文章です。

主人公はこどものぼく。
こどもはみんなしっている。
おとなのほうがいいことたくさんあるんだ!

ぼくの無邪気で鋭いおしゃべりが、しゃぼんだまのようにきらきらかがやきながら、つぎつぎとうかびあがります。

大人は自分好きなことが出来て、子どもに注意してばかり。
子どもがお行儀よくしているときだけ機嫌がいいのは何故だろう?

もしもぼくが大人だったら、こんな大人になりたいんだ。
そしてぼくが大人になって結婚したら、子どもたちのこんなパパになるんだ。ぼくがなんでもいちばん。
だってぼくはいちばん大きなパパだからね。

ああ、はやくそんな大人になりたいなあ!

ぼくの理想の「大人像」が、一つ一つあたたかな大人のまなざしで選び抜かれ、きらきらと磨かれていながら、子どもらしい奔放さを存分に残していて、読み聞かせた3姉妹も真剣に聞き入るほど自然。
大人はきっといい顔をしないだろうけれど、ぼくの思い切りやってみたい、あんなこと、こんなことが、ユーモアとやんちゃな夢たっぷりに描かれていて、読み聞かせのハハも口元がほころんで、それからちょっぴりぴくついてしまいそう(苦笑)。

「もしもぼくがおとなだったら、
しろいてぶくろをはめて、てつのフェンスをさいごまでさわって・・・」
なんて、子どもだったら、さわっている感触を確かめたくて、大喜びでやりのけそうなあどけない挑戦ですが、大人だったらさわった後のことをつい考えて、悲鳴をあげてしまいそうなとんでもないイタズラも同然!

うーん、何で、子どものひそかな常識は、大人の非常識なのでしょうね。
その子どもの常識を大切にまもりながら、子どもの目から見た大人の常識を、楽しくくすりと、鋭くぴしりと描いた絵本。
子ども心で読めばカチンコチンの大人が可笑しくて、不可思議で、的を得たぼくの指摘が痛快。
大人心で読めば・・・もろもろの「世間一般常識」や大人なら暗黙の了解的諸事項などに対する、ほほえましくもちょっぴり手厳しいぼくの疑問、質問に、どう答えるべきか苦慮、苦笑。
ちなみに、小学一年生の長女のクリスマスプレゼントにこの絵本を贈ったのですが、彼女は大変気に入ってくれました。果たして、そろそろ「大人読み」したのか、まだまだ「子ども読み」したのか、妙齢にさしかかっていて、ちょっぴり気になるところではあります。

ともあれ、イラスト豊富の楽しくて明るい絵本です。
テキストとイラストからあふれているのびのびとした子どもらしさ、素直でやんちゃなおしゃべりに、作者たちの子どもたちへの思いが、未来への希望がこめられているような、温かい絵本です。
まだまだ子どもだけの常識のさなかにいる子どもたちも、子どもだけの常識がいつのまにかひっくりかえってしまった大人たちも、みんなで何度も味わいたい、素朴でおしゃれな作品。

よろしければ図書館などでご覧になってくださいね!


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