| ■宮下森さんの絵本 |
男性。1916年中国湖南省・長沙で生まれる。1945年ころから、政治漫画を中心に、生活漫画、子ども漫画を手がける。60年代より木版画の制作にも携わる。版画集に、『地の果て海の底までも』がある。 連載漫画『てい子さん』『ミーちゃん』などのほか、児童向けの絵本として『ミーちゃん』(あい書房)、『ねずみちょうじゃ』(童心社)、紙芝居に『わっしょいわっしょいぶんぶんぶん (かこさとし紙芝居傑作選)』、『ありのぼうけん(小さな生物のせかい ) 』(いずれも童心社)などがある。 (『あるくやまうごくやま』童心社 著者紹介、 『ねずみちょうじゃ』童心社 表紙カバー裏見返し 著者紹介 参照) |
| 『ミミちゃんのたまご』*『わっしょいわっしょいぶんぶんぶん』*『あるくやまうごくやま』*『ねずみちょうじゃ』*『おはようおちゃわん』 |
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『ミミちゃんの たまご』 作・絵 宮下森 ポプラ社 1975年 品切れ |
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愛らしいミミちゃんの見つけた、不思議な不思議なタマゴの大活躍する夢いっぱいの物語。 素朴であたたかな版画にどこかなつかしい和風な色彩の大胆な配色がお洒落で新鮮。
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「あっ タマゴ!」 ミミちゃんはのはらでタマゴをみつけました。 「なんのタマゴかしら。そっとしておいて、またあしたみにこよう。」 あさおきてみると、そとはおおゆきです。 ミミちゃんがしんぱいして、見に行くと、 「キャーッ。たいへん。」 「ミミちゃーん。」 タマゴがゆきだるまのようにおおきくなりながら、コロコロころがってきたのです。 ・・・
無邪気なミミちゃんが愛らしい版画絵本。つぎつぎとくりひろげられる奇想天外、自由奔放なタマゴの物語にびっくりわくわく。 なんてったって、このタマゴ、「ミミちゃーん」なんて自らおしゃべりしたり、コロコロころがったり、羽が生えたかと思うと、ミミちゃんとおじさんをのせて空を飛んだりするのですから、ただごとならぬタマゴの予感! このひげのおじさんも愛らしいことこの上なくて、まんまるい鼻にまんまるい顔、まんまるい体、何かの制服みたいな茶色いつばの帽子に、茶色いベルトをしめた茶色いつなぎのズボン姿で、ハンプティ・ダンプティみたい、愛嬌たっぷり。 赤と紫できめたミミちゃんの服も洒落ていて、赤いつばの帽子に赤い靴、黄色いベルトのよく似合う赤い短いワンピース、その下には紫のシャツと紫のズボンをはいて、おねえさんみたいにばっちりです。
なにより、その赤や紫などのはっきりした色に、中間色の緑色、青色、茶色、黄色など、どこか和の雰囲気のはんなりした色を自由に組み合わせた、宮下森さんの大胆な配色の版画が、とてもとても印象的。すこしなつかしい雰囲気の絵は、「童画」という言葉がぴったり。
楽しい楽しい夢を見て目覚めた朝のように、何だかうきうき得した気分になれるみたい。
主として漫画家としての宮下森さんについて、そのお人柄や業績にふれた、「漫画展のかなめ宮下森さん」というエッセイを、『まんが横町の住人たち』(永田竹丸著、ぺップ出版、品切れ)の中で読むことができます。
宮下森さんの天真爛漫な笑顔の版画は、紙芝居『わっしょいわっしょいぶんぶんぶん』(かこさとし紙芝居傑作選)』(童心社)などでも見ることができるようです。↓ 表紙画像などは、童心社さんのHPを検索すると見ることができました。
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『わっしょいわっしょい ぶんぶんぶん』 かこさとし紙芝居傑作選 制作童心社 脚本かこさとし 画宮下森 16場面
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かこさとしさんの楽しい物語と、宮下森さんの愛らしい版画がひとつになった紙芝居。大型のイラストと、紙芝居ならではの迫力で、また絵本とは異なる楽しさ、盛り上がりや、一体感が楽しめます。
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みんなしあわせで、おんがくがだいすきな、とてもよいくにがありました。 ところが、それをねたんだ、欲張りで意地悪なあの悪魔が、ある晩魔法で、たいこだのギターだの、みんなの楽器を全部ぬすんでしまいました。 「これでおれさまだけが、たのしめるぞ」 あくまは上機嫌でしたが、鳴らし方を知らないので、ちっとも楽しくありません。しゃくにさわるので、大きなくものすにひっかけて、ぐうぐう寝てしまいました。
さて、人々は楽器がみんなぬすまれてしまってとてもがっかりしましたが、どうしたらいいか、考えに考えて、あきかんやらびんやら、いろいろな道具やガラクタを集めて、再びもっと楽しく音楽をはじめました。
おどろいたあくまはまたまほうで・・・。
にぎやかな音楽の聞こえるような、リズミカルな文章の、繰り返しのテキストと、愛らしくいきいきとした力強い版画のイラストが、元気いっぱい楽しい紙芝居。 無心に音楽を奏でる大人や子どものイラストを見ているだけで、気持ちがにっこり。 くじけない明るさ、立ち向かう勇気、乗り越える工夫、創造力が、すがすがしい紙芝居です。 音楽も台詞も、口調のよいナレーションも、てきぱきとした場面転換も、出てくる登場人物の豊富さも、楽しくて鮮やかなので、実際に子どもたちの劇仕立てにしても、ぴったり。
ちなみにかこさとしさんご本人のイラストの絵本はこちら。 絵本でまたさらなる楽しみを共有するのもいいですよね。 ↓
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ねずみちょうじゃ
ビーケーワン
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『ねずみ ちょうじゃ』 川崎大治おはなしえほん 画・宮下森 童心社 1976年 品切れ
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ねずみにおにぎりをわけてやったやさしいおじいさんと、意地悪く真似をしたよくばりじいさんの、きっぱりとした対比が楽しい昔話。 宮下森さんの版画の魅力が満開のリズミカルな昔話絵本。
1976年当初は、あい書房より発行された(発売は童心社)。
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むかしむかし。それはそれは、こころのやさしいおじいさんがいましたよ。あるひのこと。やまでしばかりをして、ひとやすみしていると、 チューチュー チューチュー 「おにぎりちょっぴりちょうだいな。」 「ひとくちわけてちょうだいな。」 「おうおう、これはかわいいねずみさん。おあがりおあがり。」 ・・・
ねずみにおにぎりを快くわけてやり、不思議なねずみのごてんでねずみのごちそうや踊りにもてなされ、たくさんのほうびをもらった心優しいおじいさんと、それをねたんで真似たものの、欲深で意地悪なやり方でいそいだために、散々な目にあったよくばりおじいさんの、日本の民話の物語。
ページ全体を使った宮下森さんの版画は、黒色と着色のバランスが美しく、明快な形や無邪気でコミカルな表情が楽しくて、いきいきと弾むような雰囲気です。 とりわけ、ちいさなねずみたちが連続して描かれている部分は、まるで園児たちがみんなで踊っているみたいににぎやかな雰囲気。それに対して、ページの緑色の枠からはみだして、ページの角に、ちょこんといっぴきクローズアップされたねずみが、先生役のようで、絵本を眺める子どもたちに、「さあみてごらん」と案内してくれているみたい。 イラストの配置、テキストの配置、全体の画面構成も、よく練りこまれていて、耳からも、目からも、リズミカルな昔話が心地よくとびこんでくるようです。
見返しの、タイルみたいに一面に敷き詰められた、満面の笑顔のねずみの連続版画模様も、愛らしいのひとこと!
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かこ・さとしかがくの本4 『あるくやまうごくやま』 かこ・さとし著 宮下森絵 童心社 1968年
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「固定した考えから抜け出し成長すること。 山の特徴の一つである、動かないということも、ほんとうはそうではなく、一瞬の休みもなく動いているということ、火山の力や、水や風の力によって、何百年も何千年もという時間の経過によって、山はかわるということを示したのがの本です。」 (『あるくやまうごくやま』童心社 著者あとがきより)
長い時間をかけて、山も動き、変わっていく。 ひとつひとつイラストで示しながら、わかりやすく丁寧に解説した、子どもたちのための科学の絵本。 宮下森さんのイラストは、版画ではなく、ペンなどによる線画に絵の具、あるいはインクなどで着色したものと思われます。力強く明快で簡潔なデザインに、山の表情が愛らしいところが、宮下森さんならでは。
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『おはようおちゃわん』あい書房 発売・童心社 品切れ
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| おはよう おちゃわん
ビーケーワン
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考える子を育てる総合絵本 『おはようおちゃわん』 画・宮下森 発行所・株式会社あい書房 編集・はじめての本刊行会 発売・童心社 1975年 品切れ
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宮下森さんの絵本がもっと見たくて、図書館の閉架書庫から取り寄せたハードカバーの絵本。 挿絵は宮下森さんの版画で統一されていますが、テキストは一人の作家によるものではなく、いろいろな作家のいろいろな作品をひとつにまとめ、「おやのぺーじ」「この絵本を理解するために」という解説を添えた親と子の総合絵本。 宮下森さんの天真爛漫な絵が愛らしい一冊。
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収められている作品はさまざまですが、『おはようおちやわん』のタイトルにもあるように、食べることをテーマにした作品が選ばれています。
「まーちゃんのひるごはん」 −アグニヤ・バルドーの作品による−(訳者がわかりませんでした) |
いぬ、ねこ、にわとりなど身近な動物が登場し、鳴き声も楽しめ、くりかえしの楽しい詩。 |
「いぬたべ ねこたべ」 (さく・まつばしげつね) |
動物たちのたべる様子を擬音を用いて表現した短くて楽しい詩。 |
「ねずみのすもう」 (ぶん・かわさきだいじ) |
日本の昔話。 |
「パイ」 (「マザー・グース」より し・まどみちお) |
マザーグースの詩。 |
「ハンプティー ダンプティー」 (「マザー・グース」より し・まどみちお) |
同上。 |
| なかまはずれはどおれ? |
いろいろな野菜の版画絵の中から、一つだけ仲間はずれの絵を探す絵遊びのページ |
| 「ミーちゃんのおるすばん」 |
4コマ漫画風の版画のお話。少女ミーちゃんのおるすばんのあいだに、なかよしのねこが・・・。 |
そのほかに、子どもの詩、おやのページ、この絵本を理解するために、というページがあり、すべてに宮下森さんの版画の挿絵が添えられています。
その版画の作風には、ネガのように黒の分量の多いもの(「ねずみのすもう」「ミーちゃんのおるすばん」)、黒の分量は比較的少なく、力強い輪郭線で掘り込まれたもの(その他の作品)があるのですが、どちらも、版画ならではのきりっとした雰囲気と、あたたかな味わいの、無心に笑う子どもたち、動物たちの絵が楽しめます。
ちなみに、あい書房の「おはようシリーズ」(品切れ)をビーケーワンで検索すると、≫こちら。 シリーズ順に並べたものは≫こちら。(未読。すべて読みたい、豪華なシリーズ・・・)
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