■三浦太郎さんの絵本
1968年愛知県生まれ。大阪芸術大学美術学科卒。現在までに、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に4回入選など、国内外で受賞多数。2004年『JE SUIS・・・』(ぼくは・・・』ブロンズ新社)が、スイスのLa Joie De Lire社から、イタリアのEdizioni Corraini社より『TON』が出版される。
『ぼくは・・・』*『ぼくはまる』*『ぼくはさんかく』*『ぼくはしかく』*『くっついた』*『なーらんだ』*洋書

 

『ぼくは・・・』ブロンズ新社

『ぼくは・・・』
三浦太郎
ブロンズ新社
2005年

ぼくは・・・?

記号化されたぼく
暗号化されたぼく
標識化されたぼく
ぼくの見本市
とくとごらんあれ!

ぼくは・・・

オンライン書店ビーケーワン:ぼくは…

表紙の濃いオレンジのまんまるい顔。
頭に立つ三本のまっすぐな髪の毛、横顔に刺さるまっすぐな鼻、まんまるびっくりまなこ、あんぐりの四角い口。個人的な第一印象をひとことでいうなら、驚愕。
ぱっちりおめめは何かに目覚めて、逆立つ髪の毛は何かに気づいて、とがった鼻は何かをかぎつけて、開きかけの口は今まさに何かを言わんとしている・・・感じ。

「ぼくは・・・」

暗号めいた簡素なデザイン、微妙にずらされたオレンジ色とともに、とてもとても気になる、惹きつけられる表紙ですよね。

オンライン書店ビーケーワン:ぼくは…

見返しにはたくさんの顔。表紙と同じオレンジの顔が、水玉のように一面に。
中表紙は、そのオレンジのまあるい顔が、

クエスチョンマークの下の●の部分になっています!

ぼくは・・・

ぼくは冒険家
ぼくは空想家
ぼくはひとりぼっち
・・・

くっきりとした形、こっくりとした色、シンプルで無駄なく、遊び心を残し、つきつめられた形。
短い言葉と、言葉をふくらますシンプルな絵。
とてもおしゃれな標識のよう!

ぼくは○○
その○○にあてはめられた軽やかなイラストが、笑いあり、皮肉あり、共感あり、驚嘆あり、どきりとし、ちくりとし、くすりとし、にやりとし、これはすごいとうなったり。
いつまでも、色鮮やかなぼくの七変化を眺めていたくなります。
ぼくのさまざまな側面を、きっと誰もが心のうちに秘めている繊細な部分を、大胆に切り取って記した、いさぎよい絵本。

裏表紙の見返しの、水玉のような、たくさんのまあるいぼくの顔の色にも注目です。
裏表紙の装丁もおしゃれ。

若手国際派作家の今後の作品に期待がふくらみますよね!

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『ぼくはまる』ブロンズ新社

『ぼくはまる』
三浦太郎
ブロンズ新社

小さい子向け厚紙絵本。
どんどん世界がひろがってゆく赤ちゃんへ。
認識しやすく美しいデザインを、自分で認識できると嬉しくて。

さりげない3冊シリーズセットでの構成も魅力的。

オンライン書店ビーケーワン:ぼくはまる

「まる
ぼくはまる
おひさまはまる
ぼーるもまる
・・・」

テーマカラーは赤系。
幼い子の手になじむ愛らしい大きさの、角のまあるい厚紙絵本。シンプルで贅沢な形、色、文、身近なものがはずむように描かれていて、どれも赤ちゃんの興味をひき、手をのばしたくなるものばかり。目にも耳にも心地よい、単純な繰り返しの後に、最後のページがぱあっと花開きます。きれい。ぜひともシリーズで読んで、並べておきたい赤ちゃん絵本。

他のシリーズには、
ぼくはさんかく
ぼくはしかく
があります。
どれも赤ちゃんの「知ってる」の喜び、「わかった」のときめき、「うわあ」の驚きの顔が見もの!
3冊セットでの構成もさりげなく考慮されているので、もしも3冊読むなら、『ぼくはしかく』を一番最後のお楽しみに。

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『ぼくはさんかく』ブロンズ新社

『ぼくはさんかく』
三浦太郎 
ブロンズ新社

「ぼくはさんかく
パンツもさんかく
かみひこうきもさんかく

・・・」

テーマカラーは緑系。
元気な男の子の姿が目に浮かぶよう。もちろん女の子も夢中!

オンライン書店ビーケーワン:ぼくはさんかく

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『ぼくはしかく』ブロンズ新社

『ぼくはしかく』
三浦太郎 
ブロンズ新社

「ぼくはしかく
ほんはしかく
でんしゃもしかく
・・・」

テーマカラーは青系。
単純明快、グラフィックで美しい四角がいっぱい。
上記2冊の総まとめ的絵本でもあります。読んでの嬉しいお楽しみ!

オンライン書店ビーケーワン:ぼくはしかく

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『くっついた』こぐま社

『くっついた』
三浦太郎作
こぐま社 
2005年8月

まあ、愛らしい表紙。
幼児の手になじむ小ぶりの絵本で、やわらかい線のはっきりした明るい色と、シンプルでわかりやすい形の絵本。
だれかさんとだれかさんが
くっついた
と、見開きの左と右から、同じ仲間がきゅっと手をのばしてくっつきます。
ちょうど真ん中に鏡をおいたように、くっついた右と左が対称になっている感じなので、見ていて楽しく、ゆったりと安定感があります。
ほほえましいラストは、たぶんさっそく真似するのではないかしら。
ひと目見て、きっと気に入るだろうと思ったら、やっぱりすっかり気に入りました。

オンライン書店ビーケーワン:くっついた

くっついた』は、「0歳の我が子との触れ合いの中から生まれた」そうです。(『くっついた』著者紹介より)
お子様の成長とともにこれからのご活躍が楽しみですね!

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『なーらんだ』こぐま社

『なーらんだ』
三浦太郎作
こぐま社
2006年

「なーらんだ」って、嬉しいね。
自分でするのも、発見するのも、楽しいね。
わかる喜び、できる喜び、みつける喜び、まねする喜びを、やさしくてカラフルな色と形で、赤ちゃんに届ける絵本。

オンライン書店ビーケーワン:なーらんだ

あれあれありさんも、とりさんも、
みんなみんな、なーらんだ

思い思いにちらばっている生き物たち、ものたちが、ページをめくるとあらまあきれい、ずらり、きちんと並んでいる絵本。
思わず赤ちゃんもにっこり、ぱちぱちぱち、なんて、手をたたいてしまいそう。

並ぶって不思議。
きちんとしてみえるし、きれいにみえるし、気持ちよく思えるのはなぜかしら。
一生懸命赤ちゃんの小さなおててで、赤ちゃんの考えた順番どおりにならべたおもちゃも、人気のレストランからずらり並んだ行列も、枯葉舞う木立の道も、通り過ぎていく夜汽車の窓も、おすましの背表紙で並んだ棚の絵本も、果ての無い円周率も、緻密な結晶の構造も、何かの法則できちんと整列した方程式も、みんなみんなきれいで、美しい。
並べる人の手、あるいは自然の力があるから?偶然ではなくて何かの必然を感じるから?

ともあれ、本当に、並べると楽しくて、嬉しい気持ちが、ページから伝わってくるような絵本です。
そしていちばん赤ちゃんが喜ぶのは、もちろん、いちばん最後のページですよね。

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洋書

ページ数も多く、充実の内容なのでしょうね!
これもやがて「おかえりなさい」になるといいなあ。

『Ton
(ハードカバー) 』
Chronicle Books Llc
(Juv)
(2006/6/30)
40p

『Tools
(ハードカバー)』
Chronicle Books Llc
(Juv)
(2006/9/30)
52p

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