■ミルコ・ハナークさんの絵本
Mirko Hanak 1921-71。チェコの画家。150点以上の作品のほとんどが海外でも出版。ソフトで流麗なタッチは、中国の古美術の影響によるもので、厳しさのなかにも豊かな情緒がとけこんでいる。
(『動物たちのおしゃべり』小池書院 著者紹介欄より)
『青い小鳥』*『動物たちのおしゃべり』

 

『青い小鳥』佑学社 品切れ

青い小鳥
ビーケーワン

世界の名作童話シリーズ
『青い小鳥』

マリー・ドォルノワ著
ミルコ・ハナーク絵
乾侑美子訳
佑学社
1978年
現在品切れ


むかし、美しいミラン王とつぼみひめが恋に落ちました。横恋慕する義理の姉のみにくいかえるひめと、かえるひめの名付け親の妖精スーシオの企てにより、ミラン王とつぼみひめは引き裂かれ、つぼみひめは高い塔に幽閉され、ミラン王は7年の間「青い小鳥」に姿を変えられてしまいます。
しかし、それでも二人の絆は分かたれず、青い小鳥のミラン王は夜のまにまにつぼみひめの塔を訪れ、ひそやかに愛をささやくのでした。
やがてそのことにとうとう気づいたみにくいかえるひめたちは・・・。
昔のかっちりとした製本のチェコの絵本そのままに、ミルコ・ハナークさんの麗しいイラストがたっぷりと楽しめる、豪華で贅沢な読み物。

美しいミラン王とつぼみひめの愛の絆を描いた、情熱的で格調高い物語。
同時に、つぼみひめの義理の姉でみにくいかえるひめの名付け親の妖精スーシオと、ミラン王の名付け親の大魔法使い、マーリンとの、宿命の対決を巧みに絡めた、壮大な物語でもあります。

つぼみひめと青い小鳥のミラン王は、かえるひめによってひきさかれても、その愛の奇跡で再会し、高い塔の窓辺で毎夜のように語り合います。
その密会の、ミラン王が夜毎に贈り物の宝石をささげる場面の麗しくロマンチックなこと!
本格的な物語を彩る魔法の妖しさ、美しさ、宝石のきらびやかさ、愛の気高さ、清らかさに、知らず心がときめき、華やぎ、すっかり魅了されてしまいました。

さらに、美しいイラストが圧巻。にじみとぼかしと筆のはらいで、水と筆の魔術師のような、情緒豊かで幻想的なイラストは、東洋の水墨画と、西洋の絵画の美しい融合の奇跡を見るようです。
目をつむってもひたひたとにじみ出てくるようなあでやかさ、そのインクのしたたるような色艶、秘めたるしなやかさ、力強さ・・・ただ、時を忘れて見ほれるぱかりです。
夜の場面が多いので、個人的に大好きな水色、青色、藍色・・・月明かりをともすような青、紫がかった高貴な藍色、闇にとけてゆきそうな紺色・・・さまざまな深い青色が冴えざえと美しく、それたけでも息をのむ感じなのに、見開き2ページにわたって描かれているイラストなど、息をすることも忘れてしまいそうなくらい美しい・・・。

本国チェコでの製作で、魅惑的なつぼみひめの描かれた表紙カバーを外すと、紺色の布張りの表紙になっています。原題は『THE BLUEBIRD』、(c)1970 by Artia, Praha Illustrations (c) 1969 by Mirko Hanak とあります。
裏表紙には、「チェコスロバキア最優秀絵本賞受賞」とあります。
こんな絵本を手にとって読めた当時の子供たちは幸せですよね!

アマゾン洋書ではこちら。↓

 

『Der blaue Vogel』
Suedwest Verlag
(1985/09)

ミルコ・ハナアクさんの、現在唯一入手可能の貴重な邦訳はこちら。↓ぜひとももっともっとの邦訳を望みます!

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『動物たちのおしゃべり』小池書院

オンライン書店ビーケーワン:動物たちのおしゃべり

『動物たちの
おしゃべり』
山崎陽子著
ミルコ・ハナアク絵
小池書院
1997年

その気高く詩情豊かな動物たちのイラストに、山崎陽子さんのつむぎだす動物たちのおしゃべりをそえた、静謐で美しい絵本。
ミルコ・ハナークさんの静かで力強いイラストは、鏡のように凪いだ湖の真ん中に、ひとしずくぽたあんと雨がこぼれたみたい。美しい波紋のささめきがまっすぐに心にひろがります。迷いなく一息に描ききったような、凛としたいさぎよい筆さばきの妙なること!

静かに強い光をともすくろぐろとした瞳から、先っぽまでぴんと強い意志を張ったひげの一本一本から、穏やかな光にとけこむようにゆっくりとにじんだ毛並みから、聞こえてきませんか?
動物たちの愛らしいおしゃべり、切ないつぶやき、無邪気なひとりごと・・・そっと心をひらいて、よりそって、耳をかたむけてください。
美しい画と詩の響きあう、大切な贈り物絵本。

「いいなあ−−−いぬ」
「どうして、わたし・・・−−−ねこ」
「ねずみが歌った日−−−ねずみ」
「あげる あげない−−−さる」
「あの子に−−−うさぎ」
「お嫁にまいります−−−かば」
「なにがはいってるの−−−らくだ」
「思い出話−−−にわとり」
「ひとりぼっち−−−ふくろう」
「ともだち−−−はりねずみ」
・・・

などなど、魂のこもったイラストにそっと添えられた珠玉の詩が、28編。

原書は、
Moje zviratka,Zviratka z lesa,and Zviratka z celeho sveta 、
Albatros,Praha、コピーライトは1966年、1969年とあります。

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