『How My Library Grew by Dinah』
|
|
『How My Library Grew by Dinah』 Story and Pictures by Martha Alexander The H.W.Wilson Company 1983
|
Dinahの家の向かいに建設されることになった新しい図書館のできるまでと、それを毎日熱心に見守っていたDinahの、すこやかな成長物語。 穏やかで優しくて、こまやかな愛情に包まれた絵本。
|
ハードカバー版の絵本を図書館で借りました。 「図書館ができるまで」なんて、まさに図書館にぴったりのタイトルのこの絵本、内容もぴったりで、「図書館ができるまで」を、少女Dinahの視点から、親しみやすくわかりやすく描いた物語でした。
ある日工事のものおとで目をさましたDinah。それは家の向かいに、新しい図書館が建設され始めた音でした。図書館がどういうものか知らなかった彼女とテディベアは、とても興味をもって、庭から基礎工事の様子を見つめます。庭の見やすい場所に、ちょうど見る高さにぴったりの、昔の赤ちゃん椅子をひっぱってきて。 やがて基礎工事が完了すると、今度は建物の建設です。Dinahは毎日わくわくと見守ります。 ・・・
図書館が出来上がってゆくのと同じように、毎日少しずつ成長してゆく小さなDinah。移り変わる季節と、両親の愛情に包まれて、図書館についていろいろと学んでゆくのです。
マーサ・アレキサンダーさんの、澄んだ水色を基調としたやわらかい水彩のイラストが、実に好み。繊細な輪郭線は、鉛筆でしょうか、均整がとれていて、いまにも動き出しそう。 ハードカバー版の絵本の本文に用いられている、ほどよくざらざらとした画用紙のような紙も、淡いさわやかな色合いによくなじみ、美しいスケッチを見ているよう。 Dinahの成長をからめた物語も素直で愛らしくて、絵本をなでなでしてあげたくなります。 またまた探求書が一冊増えました。1980年代のマーサ・アレキサンダーさんの絵本、もっともっと見てみたい!
▲上へ
『Even That Moose Won't Listen to Me』
|
Dutton Childrens Books (1988/03) |
『Even That Moose Won't Listen to Me』*by Martha Alexander Dial Books for Young Readers 1988 |
聞く耳をもたない大人たちと大鹿に敢然と立ち向かう主人公の可愛い言動が、ちくちく愉快痛快な絵本。 軽やかな絵とおしゃべりのなかに、さりげないユーモアがたっぷりとつまっています。
|
たいへん、畑におおきな鹿が出たの! 庭でトンテンカンテン、宇宙船をつくって遊んでいたレベッカはびっくりぎょうてん、白黒のぶちの飼い犬といっしょに、あわてて家族のところにつぎつぎと駆けつけて窮状を訴えますが、畑のかかしをつくっているお兄さんも、テレビ観戦に夢中のお父さんも、壁のペンキ塗りの真っ最中のお母さんも、まったく本気にしてくれません。 仕方がないので、レベッカは一人で大鹿と対決することに。あの手この手で追い出そうとしますが、大鹿さえもとりあってくれず・・・。
ハードカバー版の絵本を図書館で借りました。 鉛筆と、淡く澄んだ色調の水彩のやわらかいタッチで描かれた、茶目っ気たっぷりの親しみやすいイラストで、
The full-color artwork was prepared using pencil and watercolors. It was then color-separated and reproduced as red,blue,yellow,and black halftones.
とあります。もとの絵を色分解し、赤、青、黄、黒の中間色で仕上げた、ということかなあ?
渋めの色調で穏やかに描かれた日常のひとコマの中に、突如出現した非日常が知らん顔でとけこんでいて、小さなレベッカと(犬と)読み手だけがそれに気づき、いさましく立ち向かうところが痛快です。 てこずりながらもとうとうやってのけ、苦い教訓を得て、少し大人になったレベッカの、すました顔にニンマリ。
▲上へ
『I'll Protect You from the Jungle Beasts (図書館)』 Charlesbridge Pub Inc; Reissue版 (2006/07) |
|
『Poems and Prayers for the Very Young. (Picturebacks S.) (ペーパーバック)』 Random House Childrens Books (1973/09) |
|
▲上へ
マーサ・アレクサンダーさんの絵本2 「ま」の絵本箱へ
HOMEへ
Copyright (c)2005-2006 kudolacieko All Rights Reserved
|