■マイ・ミトゥーリチさんの絵本
Mai Miturich 1925年、モスクワで、画家のピョートル・ミトゥーリチを父に生まれた。モスクワ印刷大学に学ぶ。現代ロシアの代表的な画家。1993年、モスクワ古生物博物館の壁画に対してロシア共和国国家賞受賞。邦訳絵本も多数。

『初めての狩』(未知谷)オンライン書店ビーケーワン:初めての狩の画家、ピョートル・ミトゥーリッチは父、彩色のヴェーラ・フレーブニコワは母。『ラルーシとひつじのぼうや』(福音館書店)オンライン書店ビーケーワン:ラルーシとひつじのぼうやなどの画家のベーラ・ブレーフニコワは娘。
(『なぞなぞ100このほん』福音館書店 著者紹介 より)
『はりねずみかあさん』*『なぞなぞ100このほん』*『おんどりコッコちゃん冬の一日』
≫別頁『赤い花と美しい娘と怪物の物語』*『お日さまをみつけたよ』

 
『はりねずみかあさん』福音館書店

『はりねずみかあさん』

まつやさやかぶん
M.ミトゥーリチえ
こどものとも012
1996年1月号
福音館書店
1999年

りんごをみつけた
はりねずみかあさん
こどもが まってる
よいしょ こらしょ
・・・

静かで淡い筆で、しっとりとはりねずみ親子の愛情を描いた美しい絵本。
わらべうたのような文と、墨絵のような絵が、ゆったりと小さな心に広がります。
はりねずみ絵本の傑作の一冊。

オンライン書店ビーケーワン:はりねずみかあさん

はりねずみかあさん どこへいくの?
おいしいりんご みーつけに
・・・

やさしいはりねずみかあさんの、子どもたちへの愛情を、しっとりと歌い上げた、美しい絵本。
軽やかに澄んだ寒色系の色彩のイラストが、絵本の中にゆったりと広がって、みずみずしい風がふきぬけるよう。
イラストのあちこちに用いられている、藍色のような、紺色のような、ひかえめな青色の筆の淡いタッチが、墨絵のような静謐さをかもし出しています。
その中で、比較的しっかりと、透けることなく描かれた、淡い土の色のはりねずみかあさんの、ふっくらとした、まろやかな背中が好き。整ったハリすらもいとおしく、そっとなでたくなります。
あおいりんごのさわやかな色も、可憐な白い花も、何もかも好きですが、いちばん衝撃的に好きなのは・・・やっばり、はりねずみかあさんのまろやかな背中のラインのきわだつ、りんごたちの運搬方法。個人的に、その後の私のリンゴ・ハリネズミ絵本探求を決定づける、忘れがたい大切な一場面となりました。

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『なぞなぞ100このほん』福音館書店

『なぞなぞ100このほん』
M.ブラートフ採集
松谷さやか編・訳
M.ミトゥーリチ絵
福音館書店
1994年

生き生きとしたやさしいなぞなぞ100個に、ミトゥーリチさんの美しく明快なイラストか添えられた、贅沢ななぞなぞ絵本。
ずっと大切に伝えていきたい、豊かな自然や素朴な伝統にまつわるなぞなぞもたっぷりと。

オンライン書店ビーケーワン:なぞなぞ100このほん

みずからうまれたくせに
みずをこわがってる

ちいさないきものだけど
せなかにぎんかを百まい
しょっています

・・・
ロシアからやってきた、子どもむけの楽しいなぞなぞが全部で100個!
それぞれに、ミトゥーリチさんのイラストが添えられているので、華やかなイラスト集、カット集のように愛でる楽しみもたっぷり。
無駄のない巧みな筆の技で、いきいきと描き出された、ロシアの自然や身近な生き物、道具たちのイラストを見ていると・・・ほとんどなぞなぞの回答集ともいえますが、やさしい問題文とイラストの答えの間にちりばめられたウィットが、心地よい読後感をくれそうです。
もしかすると現代の都会の子どもたちには、少し手ごわいなぞなぞもいくつかあるかもしれませんが、ずっと伝えていきたいものばかり。

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『おんどりコッコちゃんふゆの一日』新読書社

『おんどり

ふゆの一日』
マイ・ミトゥーリチ絵
ライサ・クダショワ作
吉田知子訳
新読書社
2002年

オンライン書店ビーケーワン:おんどりコッコちゃん、ふゆの一日

小川のほとりのいっけんの小屋で、おんどりのコッコちゃんがねえさんと住んでいました。
冬がおとずれると、コッコちゃんはさっそく小川でひとすべり・・・しようと思ったら、ねえさんがこわい顔でおどかします。
「だめだめ、スケートなんて。
おかからすべりおりたらね、
ふかい小川にドホーンとおちるわよ。」

ねえさんのたんじょうび、たくさんのおきゃくさんをまねくことになって、ねえさんは、ピロシキをやくのにおおいそがし。そのすきにコッコちゃんは小川にいって・・・。

ロシアのやんちゃなおんどりコッコちゃんの、愉快な愉快なお話。
色鮮やかで軽やかなタッチで、愛らしいコッコちゃんとその仲間たちを楽しく描いています。
だめだめ、と止められているのに、こっそりちゃっかり行ってしまういたずらっこ、どこかのうちにもいませんか?
ほーら、ごらん、あーあ、なんて、ため息も聞こえてきたりして。
それなのに、なんでこんなに可愛いんでしょうね。ミトゥーリチさんの色と筆の魔法かしら。いきいきと小さい子の心によりそった楽しいお話の力かしら。

巻末には、日本ともかかわりの深いミトゥーリチさんについて、ミトゥーリチさんと新読書社さんとの親交についてなどの文章もおさめられていて、絵本の魅力をさらにまるごと楽しめます。

原書は『петушок』とあります。

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