『かわせみと
まほうのさかな』
ヨーロッパの民話より

作・絵/ヤン・クドラチェック 
文/保富康午
学研フローラル絵本
品切れ

みずうみのそこふかく、ひかるさかながすんでいました。
おひさまのひかりからうまれたので、そのさかなはおよぐときは、まるでちいさなほうきぼしのようでした。

みずうみのきしには、かわせみがすんでいて、あみをはって、さかなをとってくらしていました。
あるひ、ひかるさかなが、あみにかかりました。
さかなはたのみました。
「にがしてくれれば、ねがいをかなえてあげます。」
・・・

静かな色調と、舞う雪がしみじみと美しい挿絵で、ヨーロッパに伝わる民話の世界へといざなってくれる絵本。
寒く厳しく、色の少ない冬景色の中で、願いが叶えられていく場面の、華やかな色調の変化に魅了されます。

かわせみの、まんまるで大きな瞳や、すんなりのびたくちばしが印象的ですが、何より不思議な雰囲気なのは、その素朴な衣装・・・わらを束ねたような帽子に、蓑のようにも見えるマント、そして、そこだけ鮮やかにも思える、かわせみ色のネッカチーフ。
結末の場面で初めて見るきりっとした美しさには、自然のままで美しいかわせみへの、人々の敬意や憧れがにじみでているのかしら?・・・なんて、あれこれ考えたりもしました。

↑アマゾンでは、合本版絵本の情報がありました。
1981年とあります。

■いくつかの版について

学研ワールド絵本は、海外で活躍する作家の方たちの描きおろし作品で、日本の子どもたちのためのオリジナルという贅沢なシリーズ。現在も月刊絵本として出版されつづけています。

かつて出版された、「かわせみとまほうのさかな」の収録された絵本には、
1.サリー・シーダーさんの『ひをはくぺロゴンのおはなし』との合本版(豪華!)と、
2.『かわせみとまほうのさかな』のみ収録の絵本版
があるようです。
ちなみに、私物の『かわせみとまほうのさかな』のみの絵本は、フローラル<いちご版>で、1993年10月1日新訂1版発行とありました。このフローラル<いちご版>は、当時、全20巻、セット販売だったようです。
前述のサリー・シーダーさんの『ひをはくぺロゴンのおはなし』も、ヤン・クドラチェックさんのもう一つの作品『ちびむしちゃんのさんぽ』も、全20巻の中に収録されています。

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