↑『Wie die Wassermaenner den Wels besaenftigten
(ハードカバー)』
Dausien Werner
(1984/01)

未邦訳
Jak vodnici udobrili sumce
(かっぱたちがどうナマズをてなずけたか※)』
Bohumil Riha 作
Jan Kudlacek 絵
Albatros, Prag, 1974
78p

※タイトルは『おかしな結婚式』(童心社品切れ)の訳者井出弘子さんの「おわりに」を参照)

後に国際アンデルセン賞作家賞を受賞するボフミル・ジーハさんと、ヤン・クドゥラーチェクさんのコンビの、1974年の作品です。
カバーをはずすと薄いブルー・グレーの布張りの豪華な書。文章量の多い児童書のようですが、大型で、見開き一面を用いての迫力あるイラストや、まる1ページのイラストなど、美しいカラーイラストがリズムよくさしはさまれていて、眼福です。
私物はチェコ語版なのですが、物語のタイトル文字が、流れる映画の字幕を見るかのように見開き3場面にもわたって贅沢に描かれていたり、物語の終わりにもしめくくりのタイトルページがあったりと、こだわりのある丁寧なつくりが、さすが絵本大国チェコの書、という感じです。持っているだけで嬉しくなってしまいそう。

物語は・・・残念ながらわかりませんが、後の1980年の同じコンビによる作品『SVATBA V RYBNICE』1980 (邦訳『おかしな結婚式』(童心社 1986年 品切れ))に登場するような、大きなお目目のダンディなカッパたちや、大小さまざまなお魚たちが、深い緑の池の中できらきらと躍動する、とても美しく優雅な絵本です。光の粒子のはじけるような、繊細で美しいタッチにただもうみほれてしまうばかり。

ちなみに、作品中のいくつかのイラストと、『SVATBA V RYBNICE』1980(邦訳『おかしな結婚式』(童心社 1986年 品切れ))の一部のイラストは、モチーフが重なっている(あるいは同一)ものもあるようです。
物語がわからないので不明ですが、2作は一連のシリーズなのかもしれません。
さらに、イラストのモチーフが重なっている(あるいは同一のものがある)という点で、個人的な感想としては、この『Jak vodnici udobrili sumce』、
『SVATBA  V  RYBNICE』(邦訳『おかしな結婚式』)、
『かんむりをもらったかえる』(学研ワールド絵本 1975年 品切れ)
『Das schimmernde, flimmernde Licht.』(Carlsen Verlag GmbH・Reinbek 1975、未邦訳)は、大きな意味での一連のシリーズを形成しているのかもしれません。なんという魅力的な世界でしょうね!

 


ドイツ語版は、
Wie die Wassermanner den Wels besanftigten.
Albatros, Prag, 1980
未見・未読につき詳細不明。

 

■『Wie die Wassermanner den Wels besanftigten.』について

余談ですが、アマゾンのマーケットプレイスなど、海外の古本市場で、『おんなのことあめ』『ゆきのおうま』各ドイツ語版(それぞれタイトルの違う2種類とも)とともに、比較的よく見かけるのがこの絵本です。
逆に、『おかしな結婚式』のドイツ語版『Hochzeit im Teich.』(Altia Verlag, Praha 1980)は、何故かあまり見かけないようにも思います。
日本では『Wie die Wassermanner den Wels besanftigten.』は、未邦訳の作品なので、こちらもぜひ出版をお願いしたいですよね!

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