『雨ひめさまと火おとこ』
テオドール・シュトルム 作
ヤン・クドゥラーチェク絵
塩屋竹男訳
佑学社
世界の名作童話シリーズ
1978年
56p
品切れ
製作 アルティア社(チェコスロバキア)
DIE REGENTRUDE
Written by Theodor Storm
Illustrations by Jan Kudlacek
Graphic design by Vladimir Rocman
(c)1972 by Artia, Praha, Czechoslovakia
Illustrations (c) 1972 by Jan Kudlacek

100年ぶりの暑い夏、草木もかれ、動物はいきもたえだえでした。沼地の畑で牧草が枯れず、ひとり悠々としている地主は、助けを求めてきたシュテーネのおかみさんと話すうち、雨ひめさままの話をきいて、こう約束してしまいます。
「雨ひめさまとやらをさがしだし、呪文をとなえたらどうだ!あすの晩までに雨をふらせたら、そのときは・・・、そのときはアンドレースをうちのむすめと結婚させてやろう!」
シュテーネのおかみさんの息子・アンドレースと、地主の娘・マーレンは、恋人同士だったのです。
その話を聞いて喜んだマーレンは、早速シュテーネやアンドレースと、呪文を思い出そうとしますが・・・。

勇敢な恋人たちが、雨をつかさどる美しい雨ひめさまに会いに行く、幻想的な物語。
雨ひめさまや、わるさをするこびとの火おとこは、どこかの土地に伝わる伝説をもとにした人物なのでしょうか?
雨ひめさまのもとへ通じる秘密の道を、うっかりのせられて、自分のからしゃべってしまう火おとこは、グリム童話などのこびとのモチーフと共通した部分があるようで、親しみやすい雰囲気。
陽気で、花のさきにおうように美しい雨ひめさまは、超越した輝きを放ちながら、人間の娘と同じような可愛らしさや、あねご肌的なところものぞかせて、ますます情熱的な魅力を感じます。

ひいおばあさんの娘時代から、そのもっともっと前の時代から、何もかもお見通しで、だまって見つめつづけてきた雨ひめさまの温かなまなざしが、本を閉じてからも、一片の白雲から注がれているような、神秘的な余韻を感じました。

雨ひめさまの息づく世界の輝きが、繊細で美しいイラストに惜しげもなくちりばめられ、ページから慈雨のように心をうるおす、贅沢な絵童話。
熱く復刊を希望しています・・・。

 

花と星をちりばめたドレスの美しいおひめさまの表紙カバーを外すと、黒色のような、深い深い緑色のような濃色の布張り(もしくは布のような紙?)の表紙に、金色で、「T.S.」(Theodor Storm)の飾り文字。
私物のドイツ語版も、同じおひめさまの表紙カバーを外すと、日本語版よりは明るめの深緑色の布張りの表紙に、金色の「T.S.」(Theodor Storm)の飾り文字(日本語版と同じ)の型押し。
かっちりとした丁寧なつくりにあこがれます。

DIE REGENTRUDE
THEODOR STORM
GRAFISCHE GESTALTUNG VON VLADIMIR ROCMAN
ILLUSTRATIONS (c) 1972  BY JAN KUDLACEK
(c)1972 BY ARTIA, PRAG,
PRINTED IN CZECHOSLOVAKIA BY POLYGRAFIA
ドイツ語版
56p

アマゾンドイツでは≫こちら

▲上へ

ヤン・クドラーチェクさんの絵本 へ
くどー★La★ちぇこさんの絵本箱へ

HOMEへ
くどー★La★ちぇこさんの絵本日記HOMEへ


Copyright (c)2005-2007 kudolacieko All Rights Reserved