■国井節さんの絵本 |
くにい せつ 多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。挿絵作品に、「おひめさまシリーズ」(ポプラ社) (画像は、『おひめさまパンやさんになる』(ポプラ社)、『ビルにきえたきつね』(ポプラ社) など。 (『へんてこパン』ポプラ社 表紙カバー裏見返し 著者紹介 より)
|
『へんてこパン』 |
|
『へんてこパン』 小沢正・作 国井節・絵 ポプラ社 2006年
|
パン屋のネルおじさんのじまんは、手作りのパンやき自動車。注文する動物にぴったりのパンを、目の前でたちまち焼いてくれます。
絵画タッチの部分と、オブジェタッチの部分が不思議にとけあった、力強い挿絵が圧巻。本物のパンみたいなパンのイラストの、てりと艶の美味しそうなこと!
だあれ、「へんてこパン」なんていってるのは?
|

パンやさんのネルおじさんは、じぶんでつくった、じまんのパンやきじどうしゃにのって、毎日パンをうりにでかけます。 お客さんが買いに来ると、パンをやくきかいのボタンを、ちょいちょいちょい。スイッチをいれて、ぶんぶんごとごと。 ぴょーん。 飛び出してくるのは、出来立てほかほか、そのお客さんが大喜びするような、飛びきりすてきなパン。 ねこのにゃあくんには、さかなの形のパン、いぬのわんくんには、ロボットの形のパン・・・。
そこへやってきたのが、うさぎのミミちゃんでした。 さっそくいろいろなパンを焼きますが、ミミちゃんは・・・。
夢いっぱいで、楽しくて美味しくて、しっかりと食べごたえのある、愉快な絵本。 なんといっても、大好きなパンのお話ですもの! おはなしも、こんがりふっくら、かむたびに美味しい味のひろがる楽しさですが、イラストが、これまたこんがり、もっちり、不思議な感覚。下地のキャンバスの目を活かしたタッチが、途中からこってりもりあがって、部分的に、紙粘土細工みたいに、ふくらんでいるのです。半立体的に仕上げられたパンの絵には、香ばしそうなつやもあって、まるで本物のパンみたい! 思わずなでたくなるような、光と影と照りと艶が際立つ、2次元半の力強いイラストが、たっぷりと堪能できる絵本。
ミミちゃんのなぞも、理由がわかれば、なんて愛らしくてけなげなんでしょ。 そのおかげで、ネルおじさんの「へんてこパン」がたくさん楽しめたのですから、ほくほく得した気分かも。あー、食べたいなあ。
▲上へ
国井節さんの絵本 「か」の絵本箱へ

HOMEへ

Copyright (c)2005-2007 kudolacieko All Rights Reserved
|