■川上和生さんの絵本 |
1959年北海道生まれ。北海道デザイナー学院卒業。デザイン会社勤務を経て独立。雑誌、広告などで活躍中。絵本に『そだててあそぼうリンゴの絵本』 『つくってあそぼう草木染の絵本』 (ともに農文協)など。 |
『やまなし』 |
≫別頁 『山のごちそう どんぐりの木』 |
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『やまなし』 宮沢賢治・作 川上和生・絵 三起商行 2006年
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谷川の底から、幼い蟹の兄弟のまなざしで、命のいとなみを見つめた、神秘的な青い幻燈の世界。 宮沢賢治童話の美しさに共鳴するような、冴え冴えとした美しい絵の世界に、陶然となる一冊。
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小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。 ・・・
幼い蟹の兄弟が、よどみなくながれる谷川の底から世界をながめ、めぐる季節や命のいとなみを見つめた、珠玉の童話。 宮沢賢治童話の美しい世界を、青く淡く深く澄んだ美しい絵が、さらさらとうたいあげています。 冴え冴えとした色調、端整な形、川底から見上げる世界の、小石一個、あぶくの一つまでもおさまりのよい配置が、ひんやりと心地よく、一緒にゆらゆらとたゆたっているよう。 水の中を貫く光の筋や、水面でたわむれる光の波の絵からは、神秘的なメロディがきこえてくるような気がしました。 色も形もきりつめ、そぎおとした、潔い美しさの余韻が、静かな物語とともに、いつまでも心に刻まれる作品。 いろいろな画家の『やまなし』がありますが、この『やまなし』も、童話の魅力をあますところなく引き立てている作品の一つだと思いました。
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