■軽部武宏さんの絵本 |
昭和44年東京生まれ。画家、絵本作家。級建築士免許を持つ絵本作家。第12回日本グラフィック展浅葉克己賞、第2回岡本太郎記念現代芸術大賞展入選、第3回Pinpoint Picture Books Competition優秀賞受賞他。作品に『いいないいなこのおうち』(小学館) など。 (『こっそりどこかに』長崎出版 著者紹介 参照) |
『こっそりどこかに』 |
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『こっそりどこかに』 軽部武宏さく 長崎出版 2006年
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夕暮れ迫るなつかしい風情の町並みを、わきめもふらずどこかへ急ぐ少年。 少年をとりまく町角が、ゆっくり妖しくうごめいて、闇の顔を見せ始めます・・・。 ちょっぴりこわくてどきどきして、ちょっぴり切ない、こっそり心にしまっておきたくなる絵本。
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日暮れの町にぽろんぽろん はやく拾いに行かなくちゃ ・・・
夕闇の迫る下町の、そこはかとなく妖しくてひっそりとした空気を、白黒の鉛筆画のようなタッチで、しっとりとリアルに、ノスタルジックに、描き出した迫力ある絵本。 主人公の黄色い雨ガッパや、紫の夕焼け空などの、そこだけ部分的に色づけされた箇所が、白黒のページの中で際立っていて、胸がざわめくよう。 闇に目が慣れるのをじっと待つときのように、白黒の部分に目をこらしていると、つぎつぎとひそむ妖しい者たちを発見して、ぞくぞくわくわくしてしまいます。 もののけというのか、妖怪というのか、おばけというのか、なんと呼べばいいのかわからないけれど、どこかで見たような、聞いたような、闇を背負い、影をひきずり、どこかにくめない愛嬌をまとった、妖しい者たち・・・。 描きこまれたページをみながら、それぞれの関連を発見したり、推理したりするのもお楽しみ。 黄色い雨ガッパのぼうやのいちずさにも、心うたれます。「こっそりどこかに」こんな世界が息づいていると想像すると、ほのぼのと心強く感じました。
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