■五味太郎さんの絵本

1945年東京生まれ。『かくしたのだあれ』『たべたのだあれ』(ともに文化出版局)で、1978年サンケイ児童出版文化賞など、受賞多数。卓越したアイディア、デザイン、色使いの絵本を中心に、著作は330冊以上。海外でも数多くの絵本が翻訳出版されている。エッセイ、写真、アニメーションビデオ制作など、幅広く活躍中。

『かくしたのだあれ』*『たべたのだあれ』*かくれんぼ絵本たち
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『かくしたのだあれ』文化出版局

子どもたち大好き、3姉妹もお気に入りの、かくれんぼ・みつけっこ絵本はこちら。

『かくしたのだあれ』
五味太郎さく
文化出版局
どうぶつあれあれえほん
1977年

「てぶくろかくしたのだあれ?」
つぶらなひとみのにわとりが二羽。
頭のてっぺんのとさかからしっぽまで、つぶさに眺めて・・・あれ、あれれ?
そんなところにどうやって「かくしたの」なんて、それには目をつぶりましょ。

こつぶな絵本ながら、かくれんぼ上手、愛嬌と度胸の大物動物ぞろいです。

1977年の作品なのですね!
五味太郎さんの作風は、今見てもまったく古びない新鮮さ、完成度の高さはうなるばかり!
そして、文化出版局さんの、お求め安い価格設定もなんとありがたいかぎり。

ページをひらくと、3姉妹も釘付け。
「てぶくろかくしたの だあれ」
のシンプルな左のページには、小さなてぶくろのイラスト。
右のページには、何食わぬ顔でむかいあう二羽のにわとり。

さあ、楽しいくらべっこ、みつけっこの始まり始まり。
てぶくろは、どのこがどこへかくしたかな?
よおくイラストを見てごらん。大人ならたまらずふきだすかも(笑)。だって隠し場所があまりにもナンセンスでとぼけすぎですよね。
木の葉を隠すなら森へ、とはいうけれど、この場合隠しているっていうのか、あっけらかんと見せびらかして、逆に画している、というか、何かたくらんでいるに違いないとさえ思わせる、堂々たるさまはどうでしょう(笑)。

ともかく親子で絵本を開いてみてください。
このすかっと肩の力の抜けそうな、楽しいユーモアがたまりません。しかも美しい五味太郎さんのイラストだもの!
なんだか、説得力あります。
隠しているつもり(?)の動物たちには、迫真の演技賞をあげたいくらい。

そしてさりげなく、二羽のにわとり、三匹のわに、・・・と、順番に数が増えてにぎやかになっているのですね。動物たちの「かくす芸」も心憎いけれど、数の勉強にもなってしまうという芸の細かさ。

おすすめです。
この絵本『かくしたのだあれ』を満喫したなら、ぜひともセットで楽しみたいのがこちら。↓

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『たべたのだあれ』文化出版局

楽天絵本ナビShopへ たべたのだあれ

『たべたのだあれ』
五味太郎さく
文化出版局
どうぶつあれあれえほん
1977年

「さくらんぼたべたのだあれ?」
くいしんぼぞうさん、まねしんぼがお上手?
どうやったら食べたものがそうなるのか、錯乱してしまいそう。
もしかして、たべたのはぞうさんじゃなくて、
「さくらんぼたべたのだあれ?」
だったりして。あれれ?

生真面目なナンセンスが抱腹絶倒。
ぞうさんからはじまって、一匹ずつ動物たちは数を増し、隠し技も大胆に、あの手この手で迫ります。その手はくわないつもりでも、たべちゃったのだあれ?
とにかく、2冊ともそろえて繰り返しおなかいっぱい楽しみたい絵本です。

「たべたのだあれ」
って、アナタタチ、ちゃんとよくかんで食べましたか?(笑)。それでこそ、食べたものがきちんと身によくつくのですよ。
あれ、もしかして、何か別のモノがとりついていたりして?
動物たちのツミのないきょとんとした表情がとことん笑えます。

とにかく、テキストとイラストの落差がたまらない絵本。
ステンドグラスのような色彩の境界に、「たべたのだあれ」の答えをぴったり見つけたときは、その見事な変貌振り(?)に、小さい子も声をあげて大喜び。
お出かけにも持っていきやすい小ぶりの絵本ですので、病院の待合や、電車の長旅などのおともにもいいかも。
よろしければぜひ図書館などでおなかを抱えてくださいね。

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五味太郎さんのかくれんぼ絵本たち

『そらはだかんぼ』
五味太郎さく
偕成社

お風呂に入るんだもん、どんどんぬいで、そら、はだかんぼ。
…あれ?
抱腹絶倒、ほら服ずっといつまで着ているつもりなの?

『きんぎょがにげた』
五味太郎さく
福音館書店

「きんぎょがにげた」
きんぎょさん、きんぎょさん、どこいった?
まてまてまて。
きんぎょのきょとんと何食わぬおすまし顔が、いつ見てもどこで見つけても笑えます。

『まどからおくりもの』
五味太郎作
偕成社

巧みな仕掛けのクスクスおかしいクリスマス絵本。あわてんぼのサンタさんが、窓からちらとのぞきみて、ここはだれだれのおうち、と早合点して、その動物にぴったりのプレゼントを選ぶのですが、実は…という、めくって楽しい窓あき絵本。

『きいろいのは
ちょうちょ』
五味太郎作
偕成社

見た目と中身の落差の楽しい穴あき仕掛け絵本で、ページをめくるたび、こんどはなあに、と、身をのりだして、お腹を抱える面白さ。めくった後の穴のイラストにもご注目。

『とうさんまいご』
五味太郎作
偕成社

今日はとうさんとデパートでおかいもの。あれ、いつのまにかとうさんがいない!
あ、あんなところにとうさんがいたいた・・・あれっ?
ほっとして、ぎょっとする、誰しも一度はまいごで体験したような、身近などきどきをもう一度。こんなに人がいっぱいいるけど、とうさんはたった一人なんだよね。

 

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五味太郎さんの絵本
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