■ポリー・ダンバーさんの絵本
Polly Dunbar ロンドンでイラストレーターとして活躍中の新鋭。挿絵作品も多数。
邦訳作品には、『くっくちゃん』(フレーベル館)オンライン書店ビーケーワン:くっくちゃんなど。『くっくちゃん』のテキストの作者、ジョイス・ダンバーさんは作家で母親。
(『あお』、『くっくちゃん』ともにフレーベル館 表紙カバーうら見返し、著者紹介 参照)
『あお』*『ケイティー』*洋書

 
『あお』

『あお』
ポリー・ダンバーさく・え
もとしたいづみやく
フレーベル館
2005年

ぼくはあおがすき。ほしいものはだんぜんあおいいぬ。でも、ひょっこりやってきたこいぬは、しろくろのぶちで、あおくなくて・・・!

シンプルなイラスト、シンプルな配色、シンプルな装丁。まどろむようなやさしい色をすっきりと用いた、いきいきとはずむイラストと、夢とウィットのあふれるテキストが魅力的。

オンライン書店ビーケーワン:あお

あおがだいすきなバーディーがほしいものはいぬ、それもだんぜんあおいいぬ。
でももっていないから、
"あおいいぬがいるごっこ"
をしてあそぶんだ。
そんなとき、ほんもののちいちゃないぬがやってきたんだ。
しろとくろのきれいなぶちの、いうことなしのいぬ。
でも・・・あおくない!

クリーミーな色のみのあっさりした背景に、あおいセーターの男の子・バーディーが、元気いっぱいページを動き回ります。
"あおいいぬがいるごっこ"で、透明のいぬによしよししたり、えだをほうりなげたり。
空想のあおいいぬといっぱい遊んだ頃、夢の続きみたいに、ひょっこり本物の白黒のぶちのいぬが登場。よろこぶまではよかったのですが、ふと、ぶちのいぬが「あおくない」ことに気づいた場面から、背景の黄色が、劇的に青色に変化します。このすっぱりした切り替えがなんとも鮮やか、効果的。
続くページのほのかな効果も、見逃せない場面です。前向きに考えようとするちいさなバーディーが、本当に愛らしくいとおしく見えてきます。
もちろん、いちばんの見せ所は、次のページの、バーディーの出したあっぱれな決断ですけれどもね。

バーディー、やったね!
それからもとどおり、またまたくるっと黄色の背景にきりかわったページからは、またまた楽しい元気な場面のくりかえし。ただし、今度は前とは確かにちがって、とてもにぎやか、充実しています。対句みたいに、さっきの文章とよく似ているのに、テキストの主語が少しずつちがったりするのがお茶目で、楽しくて、幸せなんだよね。

表紙の水色に一目ぼれ。本文ページのクリーミーな黄色、水色のページにくびったけ。この絵本の装丁、配色にもう夢中。
色にこだわるバーディーの、色にこだわった、シンプルでおしゃれな絵本。

原書は『Dog Blue』2004 Walker Books Limited, london SE11 5HJ とあります。

『Dog Blue
(ペーパーバック)』
Walker Books Ltd
(2005/8/1)

この絵本のシンプルさに惹かれて他の絵本も読んでみたら、うってかわったきらびやかな絵で、多彩なアートセンスをお持ちの方であることが判明!

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『ケイティー』

『ケイティー』

ポリー・ダンバーさく・え
もとしたいづみやく
フレーベル館
2004年

なんだかさえないきぶんのケイティー、おまけにひとりぼっち。壁の絵みたいに明るくなれたらな、と思って、景気づけに色鮮やかな格好をしてみました。それからさらに・・・。

ぶっとびケイティーの、のびのび華やかな冒険を描いた、愛らしい物語。刺激的なアートの世界に、ひととき、ケイティーといっしょにはばたく絵本。

オンライン書店ビーケーワン:ケイティー

そのひ、ケイティーはまったくさえないきぶんでした。おまけにひとりぼっち。
ケイティーは壁の絵をながめて、
こんなふうにあかるいきぶんになれたらいいな
と、おもいました。

げんきをだそうと、ケイティーはみどりいろのぼうしをかぶってみました。
まだまださえないきぶんなので、まっきいろのタイツをはいて、それから、あおいくつをはいて・・・
・・・

シンプルな背景、シンプルなイラスト。最初のページでは、ケイティーはほとんど白黒で、色のあるのは壁と床の淡い水色だけ。
つぎの場面で、対照的にカラフルで華やいだ鳥の絵が壁に現れて、ケイティーのあこがれをかきたてます。
さあ、次のページからは、ケイティーの大変身のはじまりはじまり。
どんどん変わっていくケイティーにびっくり、どっきり、結構過激なケイティー、とんでるぅ!

いろんなタッチと、さまざまなコラージュのとりあわせが鮮烈。派手な色彩とにぎやかな模様で強烈にまとめられたイラストから、のびのびとはじけとぶケイティーの喜びがあふれているよう。
鬱憤をはらし、心を自由に解き放ち、日常の境界を軽くとびこしてしまった景気のいいケイティーパワーに敬服。
元気がでるよ!

原書は、『Flyaway Kate』2004 Walker Books Limited, london SE11 5HJ とあります。

『Flyaway Katie
(ハードカバー)』

Candlewick Pr
(2004/06)

邦訳の表紙と異なっています。

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洋書

『Down
the Back of the
Chair
(ハードカバー)』
Frances Lincoln
Publishers
(2006/4/1)

『Penguin
(ハードカバー)』
Frances Lincoln
Publishers
Candlewick Pr
(2007/6/12)

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