■広野多珂子さんの絵本
広野多珂子(ひろの たかこ) 1947年 生まれ。スペインで学び、帰国後、児童書の世界に入る。『ねぼすけスーザのおかいもの』などの「ねぼすけスーザ」シリーズ、『ちいさな魔女リトラ』 『ちいさな魔女リトラ』おひさまいろのきもの『おひさまいろのきもの』(以上福音館書店)、『ようこそ こいぬレキのにわへ』(教育画劇)『ようこそ こいぬレキのにわへ』 ほか多数。
(『3びきめのひつじ』女子パウロ会 著者紹介 より)
『3びきめのひつじ』

 
『3びきめのひつじ』女子パウロ会

『3びきめのひつじ』女子パウロ会

『3びきめのひつじ』
ひろのみずえ 再話
広野多珂子 絵
女子パウロ会
2009年

村いちばんの木彫り職人のドリッテの仕事場にやってきた男の子。イエスさま誕生の場面をほった馬小屋のセットのひつじをねだるその子に、ドリッテは新しいひつじをつくってあげると約束するのですが、次の日も、その次の日も、男の子はやってこなくて…。
アルプスの村につたわるクリスマス伝説をもとに描かれた、みんなが笑顔につつまれる美しいクリスマス絵本。
子どもたちの笑顔こそ、神さまを何より喜ばせるのですね。

アルプスのファルスの村で、木彫りのおもちゃがつくられるようになったのは、どうしてでしょう。国中に作物の実らなかったある年の、そんなクリスマスの伝説が、心温まる美しい絵本になりました。
ページをめくれば、目の前はもうアルプスの村。厳しい冬の色調の、けれど穏やかさと愛情に満ちた色合いで隅々まで丁寧に描かれた絵が、むかしむかしにちいさな読み手たちを導いてくれます。つつましく暮らす人々や子ども達の表情が、ふっくらと優しくて、瞳がいきいきしていて、なんて親しみやすく、そしていとおしいのでしょう。

そして、見知らぬ、とてもきれいで、愛らしい男の子。神さまをたたえるための、マリアさまや聖人の像以外は、これまで決して彫らなかった木彫り職人ドリッテが、その男の子のためのひつじのおもちゃに取り組みます。
やがてその男の子のためだけではなく、ドリッテのおもちゃを必要とする身近な子どもたちのために、ドリッテはおもちゃを彫ってやるようになります。
ドリッテをはじめとするみんなの優しいまなざしが、読んでいても見ていても、とても心地よくしみわたってきて、幸せな気持ちでした。そしてさらに、そこには、もっと大きな、もっと大いなる、優しいまなざしがあったのです。
「まだわからないの、ドリッテ」
このページを開いたときの、厳しさの中にも穏やかに輝くような、清らかな場面は、本当に宝物のよう・・・。

ドリッテの手彫りのおもちゃのように、真心を込めて描かれた、ぬくもりいっぱいのクリスマス絵本。表紙のリースはまさに飾っておきたい愛らしさですよね。

再話・・・ ひろのみずえ 1976年生まれ。女子美術短期大学卒業。絵本の制作にたずさわり、2005年『デンデラノ』(ジャイブ)『デンデラノ』 でジャイブキャラクター大賞優秀賞受賞を機に、執筆活動に入る。環境芸術学園にて、石崎洋司先生に師事。絵本の作品に『なにがみえるの?『なにがみえるの?』 (チャイルド本社)、『てぶくろを買いに』(大日本図書)『てぶくろをかいに』 など、他の児童文学作品に『首七つ『首七つ』瓜二つ『瓜二つ』 (第日本図書)などがある。
(『3びきめのひつじ』女子パウロ会 著者紹介 より)

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