■東君平さんの絵本
1940-1986。兵庫県生まれ。イラストレーション、絵本、童話の創作など、幅広い分野で活躍。作品多数。
(『くろねこかあさん』(福音館書店)著者紹介より)
『くろねこかあさん』*『だれとだれかとおもったら』

 
『くろねこかあさん』福音館書店

オンライン書店ビーケーワン:くろねこかあさん

『くろねこかあさん』
東君平さく
福音館書店

くろねこかあさんあかちゃんうんだ
くろねこさんびきおちちをのんだ
くろねこさんびきあそんでばかり

まあるいフォルムにてきぱきとした切り口の、パズルのような巧みな切り絵と、きりりとしたうたのようなテキストでつづる、白黒のきっぱりとした美しい幼児絵本。
くろねこかあさんの穏やかな愛情と、こねこたちの愛らしく健やかな成長を切り取り、やさしくうたい上げています。

くろねこかあさんの穏やかでゆるぎない愛情にやさしくつつまれて、こねこたちはすくすく育ちます。ときには必死にかあさんのあとをおいかけて、ときにはじっとかあさんの帰りを待って、ときにはやんちゃにかあさんから少しだけはなれて・・・。

まんまるおめめのまんまるかあさん、くろねこかあさん、おめめしろくろどっきんこ。・・・しませんか?なんだか、そんな罪のない瞳で見つめられてしまうと、してもいないオイタがばれてしまったような、どきっとした感じ(笑)。
白黒のすっきりとした背表紙、表紙に、図書館で何度も目がすいよせられるたびどきっとして、とうとう自分のために買いました。
きわだって美しいたたずまい。

オンライン書店ビーケーワン:くろねこかあさん見事な切り絵のイラストはもちろん、文字のひとつひとつも(これも切り絵、切り文字かな?)、口ずさみやすいテキストも、美。
余分なものが一切ないから、余白までも美。
シンプルイズ美。ですよね。

なによりこねこたちが、切り絵のどこかかしこまってぎくしゃくしたところをただよわせながらも、くろねこ三匹、しろねこ三匹と、三匹ずつワンセットの一律団体行動をしているところが、そこはかとなくけなげで絶妙。
しろねこ一匹、くろねこ一匹ではなんとなく淋しいし、二匹ずつでも物足りないかもしれません。三匹ずつまとまって(?)並んだ構図の美しさ、おさまりのよさ、完成度の高さ、相乗効果やにじみ出る愛嬌は、やっぱり三匹ずつでなければね!

しかもこの白組、黒組おそろい三匹は、実はまったく同じ格好・大きさで、貝合わせのようにきっちり重なり、パズルみたいにぴったりはまるしくみなのではないかと思います。
大切な絵本を切り抜いて確かめる勇気はありませんが(笑)、模写した黒い紙をチョキチョキ細かく切り抜けば、このくろねこかあさんと合計六匹のこねこたちを、まねっこしてつくることができるかもしれません。
シンプルな美しさに、さまざまなインスピレーションがかきたてられる絵本。
テキストのシンプルな美しさにも、さまざまな育児のヒントやアドバイス、励ましをもらうことができそうですよね!

くろねこかあさん』に親子ともどもすっかり魅了されたなら、こちらの絵本もつづけてどうぞ。惜しくも現在品切れのようなのですけれど・・・。

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『だれとだれかとおもったら』福音館書店

『だれとだれかとおもったら』
東君平
福音館書店
品切れ

さっきそらからふってきた
おおきなりんごがありました

たべよとおもってさわったら
りんごはふたつにわれました

だれとだれかとおもったら
・・・

われたりんごがあら、あらら、ぴっくり動物2匹に大変身!
この信じられない巧みの技をぜひ図書館などでごらんください。
まるで手品のように、色鮮やかで美味しそうな果物が、細部までこだわった愛らしい動物に変わるさまに、親子ともども、釘付け、夢中。

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