■早川純子さんの絵本
1970年、東京都生まれ。版画家。1994年、多摩美術大学油絵科卒業。1997年同大学院美術研究科版画専攻修了。個展等で作品を発表している。1996年、プリンツ21版画グランプリ展大賞。
(『しんじなくてもいいけれど』ビリケン出版 著者紹介 より)
『かいじゅうじまのなつやすみ』*『しんじなくてもいいけれど』

 
『かいじゅうじまのなつやすみ』ポプラ社

『かいじゅうじまの
なつやすみ』
風木一人・作
早川純子・絵
ポプラ社 
2006年

せかいじゅうであばれまわっているかいじゅうたちの、年に一度の楽しい夏休みを描いた絵本。
かいじゅうのことをもっと知りたい子どもたちの心をとらえ、かいじゅうのことを全部知らなかった大人たちの心もゆさぶります。
結末の言葉を、せかいじゅうのかいじゅうたちに捧げます。

ここはみなみのかいじゅうじま。かいじゅうたちのふるさとです。
せかいじゅうであばれまわっているかいじゅうたちが、
ねんにいちどかえってきて、なつやすみをたっぷりたのしみます。
・・・

島に帰ってきたかいじゅうたちが、どんなことをするのか知っていますか?
それでは島に帰ってくる前のかいじゅうたちは、せかいじゅうでどんなことをしているのか、知っていますか?

強くて大きくてちょっぴりこわいかいじゅうたちの、年に一度の夏休みの、にぎやかなおしゃべりを描いた楽しい絵本。
いろいろな種類のたくさんのかいじゅうたちが登場するので、かいじゅう好きのちびっこは大喜び。
かいじゅうの存在感にぴったりの濃厚な絵は、色使いも鮮やかで見どころたっぷり。
強そうでこわそうで、それでいてやんちゃなガキ大将みたいにあどけないかいじゅうたちの表情が、なんともほほえましいですよね。

テキストも、読みどころたっぷりです。
普段はばらばらの地に暮らしている三人の幼なじみが集って、かいじゅうおんせんにつかり、
「おまえはいちねんどうしてたんだ?」
なんて、一年の疲れを癒しながら、近況報告に花を咲かせるところなど、大人も和んでしまいますよね。
それぞれの大活躍の自慢話のスケールもでっかくて、さすがかいじゅう、おおあばれ・・・という感じ。

と、思ったら。

楽しい夏休みを終えて、それぞれの日常にまたもどっていくところからはじまる、テキストと、イラストの見せどころ、泣かせどころ(?)を、お見逃しなく。

かいじゅうたちのなつやすみには登場してこない私たち人間ですが、かいじゅうたちの来年もまた同じように過ごせるなつやすみを、今から祈らずにはいられません。

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『しんじなくてもいいけれど』ビリケン出版

『しんじなくても
いいけれど』

内田麟太郎・文
早川純子・絵
ビリケン出版
2003年

しんじなくてもいいけれど・・・

ぼくの見たもの、見てごらん。
しんじられなさのスケールが爽快、とびだすでっかさ、圧巻です。

オンライン書店ビーケーワン:しんじなくてもいいけれど

しんじなくてもいいけれど・・・
こんなにでっかいみちだった

しんじなくてもいいけれど・・・
こんなにでっかい・・・

信じなくてもいいけれど、赤い自転車に乗ったむぎわら帽子の男の子が、信じられないくらいでっかいものたちに出会いながら、どこまでもつきすすんでいくでっかい絵本。
でっかい絵のでっかい迫力が気持ちいい!
「こんなにでっかい」ものたちは、遠近感が圧巻で、本当に飛び出してくるような存在感。
鮮やかな色の選び方、とろりとした重ね方、筆による版画のような迫力がぬきんでていて、どこか無国籍な雰囲気さえただよっています。

表紙の男の子のめがねも気になりますが、本文に出てくる生き物たちのでっかい独特の目も、かなりかなり気になります。どこを見つめているのかしら。その先に、もう次の物語を見つめているのかもしれませんね。

絵本をめくった驚きが、新鮮で楽しいナンセンス絵本。

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