さて。ふと気がつけば、魅力的な絵本たちの新発売が、ぞくぞくと、ほくほく嬉しいかぎり。どれから購入すべきか、あれこれうろうろ、嬉しい迷子になっています。 少し季節を先走っていますが、今度はこれ。
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『いまはあき』 ロイス・レンスキーさく さくまゆみこやく あすなろ書房 2004年11月 |
秋です。 実りの秋です。 美味しい秋です。 楽しい秋です。 秋の雨、落ち葉拾いに、りんごもぎ、ハロウィン、かえってゆくわたりどり。
小さな画面いっぱいに、元気いっぱいの男の子に女の子、犬や葉っぱがひらひらくるくると舞い踊ります。そのはつらつと愛らしいこと、理想の子どもここにあり、という感じ。 はる、なつ、あき、ふゆ、と、全冊そろえたくなる珠玉の手のひら絵本です。
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か、かわいい! と、叫びたくなるような、手のひらサイズの愛らしい絵本です。図書館で発見したときにはお静かに(笑)。ほかの絵本のかげにひっそりうもれてしまいそうな、うっかりかくれんぼしてしまいそうな、小さな小さな絵本ですので、どうぞお見逃しなく。
ほっこりとした黄色い地に、レンガ色の葉っぱ、昔の記念写真のように、きちんとお洋服を着た、品ある男の子と女の子が、葉っぱを手にもち、見つめてすっくと立っています。
ロイス・レンスキーさん(1893 - 1974)といえば、『カウボーイのスモールさん』(福音館書店、モノクロ版は品切れ)などの、スモールさんシリーズで有名な方、だと思っていたのですが、最近つぎつぎと、カラーで邦訳出版がなされましたよね!
『カウボーイのスモールさん』(福音館書店、1971年刊の再刊、現在販売中のもの)
白黒のものを見慣れていたので、図書館でカラーの新しいものを発見したときにはどきっとしました。
で、『いまはあき』です。 こっくりとした黄金色の絵本を手に取り、わくわくしながらページをめくると、 うわあ、 素敵です。 色使いが素敵。
品の良い子どもたちの洋服などに用いられているのは、基本的に赤、黄、緑とはっきりした色。 で、背景が、どこか美味しそうな、とろんとしたパステルカラーなのです。ずばり、好み。 さらに、輪郭線が、茶色なのです。
秋です。 実りの秋です。 美味しい秋です。 楽しい秋です。 秋の雨、落ち葉拾いに、りんごもぎ、ハロウィン、かえってゆくわたりどり。
小さな画面いっぱいに、元気いっぱいの男の子に女の子、犬や葉っぱがひらひらくるくると舞い踊ります。そのはつらつと愛らしいこと、理想の子どもここにあり、という感じ。
原書は『NOW IT'S FALL』最初のコピーライトは1948年、renewed 1976 by Steven Covey and Paul A. Covey、とあります。
アマゾン洋書の画像はこちら↓
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『NOW IT'S FALL』 Random House Childrens Books 2000年 |
これも、スモールさんシリーズのように、初版はモノクロだったのかしら? もし後に彩色されたものだとすると、どなたが彩色なさったのでしょう?(くわしいことをご存知の方どうぞ教えてくださいね)
『いまはあき』の色使いは好みです。どのページも、やさしい秋色、さわやかなコクのある美しい秋色で、手のひらに一足二足早く秋が来た、という感じ。 早くも焼き芋が食べたくなるような(笑)。それも、ちゃんと自分たちで落ち葉を集めて、マッチでつけて、手袋の手をかざし、けむりをよけながらわいわい待ち遠しく見守る、わらべうたの世界です。
ちゃんとした季節をちゃんと迎えるためのお手本のような、ちゃんとした季節をちゃんと伝えるための見本のような、子どもたちと楽しく読みたい愛らしい絵本。
で、このシリーズ、秋、とくれば、そう…!
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『ふゆがすき』 ロイス・レンスキーさく さくまゆみこやく あすなろ書房 2004年11月
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冬です。 雪だるま、雪合戦、そりあそび、クリスマス。 楽しい冬の子どもたちが、たくさん、たくさん、小さなプレゼントの箱のような絵本からあふれてきそうです。 寒色系のさわやかな配色、クリスマスを思わせる深い赤が、とってもおしゃれな一冊です。
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なかでも好みなのは、紺色の輪郭線。 淡いやさしい水色の背景。余白の白。さし色の赤と、レンガ色。緑、黄色。
『いまはあき』のセピア調とはまた違う、寒色系のさわやかな配色、クリスマスを思わせる深い赤が、とってもおしゃれな一冊です。 さらに、季節柄雪の場面が多いのですが、雪の部分(つまり足元など)は、白色、というか、余白状態で、彩色がなされていません。後に彩色されたレンスキーさんの絵本たちは、丁寧に誠実にあますところなく色を施されたものが多い印象を持っているのですが、この『ふゆがすき』は、雪や余白が多いので、何だか新鮮。 少しくすんだパステルカラーや、レンガ色や紺色などのこっくりした色、さわやかな水色などなど好みの色はたくさんあるのですが、効果的に残された余白とのとりあわせも、個人的にとても好きなのです。
原書は『I LIKE WINTER』最初のコピーライトは1950年、renewed 1978 by Steven Covey and Paul A. Covey、とあります。 これも、初版当時はモノクロだったのでしょうか…?
アマゾン洋書ではこちら。↓
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『I LIKE WINTER』 Random House Childrens Books 2000年 |
さらに、あき、ふゆ、とくれば、こちらです。
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『はるがきた』 ロイス・レンスキー作 さくまゆみこ訳 あすなろ書房 2005年3月
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『たのしいなつ』 ロイス・レンスキー作 さくまゆみこ訳 あすなろ書房 2005年3月
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こ、これは、なんと愛らしい! はる、なつ、あき、ふゆ、と、レンスキーさんの手のひら絵本をセットで読めば、カレンダーのように四季を満喫できるわけです! 早速図書館に走らなきゃ(笑)。
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