■イーダ・ボハッタさんの絵本2;エンデルレ書店の絵本たち
1900-1992。ウイーン生まれ。ポストカードの仕事を経て、1992年11月に没するまで、絵本作家として植物や動物への優しいまなざしを持ち、ユーモアあふれる作品を発表し続けました。ドイツ語圏でもっとも愛される作家で、70冊以上の絵本たちが現在も版を重ね続けています。
参照;『はなのこどもたち』(童心社)著者紹介欄より
『ようせいのおはなし』*『イエスズさまわたしをしゅくふくしてください』*『うさぎのおやこ』*『なおーるせんせい』
≫別頁;『はなのこどもたち』*『かわいいひかりのこたち』*『ほしのこどもたち』*『雨だれぽとり』*洋書
≫別頁;こちらの絵本も・・・*ジュビレ・フォン・オルファースさんの絵本*エルサ・ベスコフさんの絵本*シシリー・メアリー・バーカーさんの絵本*

エンデルレ書店のボハッダ絵本たち

かつて、昭和40年代〜50年代を中心に、エンデルレ書店から、イーダ・ボハッタさんの邦訳絵本が、数冊、出版されていたそうです。
イダ・ホハッタ・モルプルコ」という表記で、楽天ブックス、ピープル書店などで検索すると、『ようせいのおはなし』という貴重な絵本がヒットします。画像はありませんが、2006年7月現在も、なんと嬉しくも燦然と輝く「在庫あり」の表示(定価は820円+税)、購入可能なのですよ!!!

私物の宝物絵本は、
ようせいのおはなし
イエズスさまわたしをしゅくふくしてください(ブープル書店でおとりよよせ可能のようです。この絵本は、他の3冊と、大きさ、装丁などが異なっています)
うさぎのおやこ
なおーるせんせい
の4冊。
その他にも、現在は品切れの絵本たち。
ハインツェルおじさんのいちにち
こびとのハインツェル
べとれへむのいちにち
おはなたちのごあいさつ
ぼくはしろくま
こぐまのかぞく
もりのなかまのふゆごもり
すばらしいなかまたち
きっと、まだ他にも・・・
これからじっくりと、図書館や古本屋などで探求してゆく、楽しみな絵本たちが増えました!

古い絵本のためか、原書表記などはわからなかったのですが、コピーライトには、
COPYRIGHT (各絵本の初版年数) BY VERLAG JOSEF MUELLER-MUNICH
とありました。そして、邦訳絵本の奥付には、
印刷 絵 ヨゼフ・ミューラー・ミュンヘン
とありました。
(版元アルス・エディシオン社印刷の、『イエズスさまわたしをしゅくふくしてください』を除く)
当時ドイツで印刷された絵本ということなのですね。

イエズスさまわたしをしゅくふくしてください』を除いた手持ちの絵本は、共通して、ダストカバーはなく(透明のナイロンカバーがかかっているものもありましたが)、手作りのぬくもりのある、簡素で小さな絵本です。サイズは、童心社のボハッダ絵本とほぼ同じ、愛らしいてのひらサイズ。
表紙は和紙か色紙のようなやさしい手触り。タイトル文字が型押しされていて、その上のイラストは、シールのように、貼られたもの。
古風な雰囲気の、おくゆかしい絵本たちは、たちまち私の宝物となりました。

 

『ようせいのおはなし』エンデルレ書店

ようせいのおはなし

ようせいのおはなし

イダ・ホハッタ・モルプルコ
ふかせあきこやく
エンデルレ書店
昭和54年(1979年11月)

『ようせいのおはなし』

おくゆかしい小さな青い絵本に、ようせいたちのおはなしが8つ。
小さな虫たちに、可憐な花たちに、大切な麦たちに、小さなばらのつぼみに、かみさまがおつまりになられたものすべてに、イダ・ホハッタさんのやさしいまなざしが注がれ、いのちの喜びにあふれています。

当時すでに邦訳が出ていて、しかも現在も購入できたことに感動しました。

絵本を開くと・・・トンボのような長い透き通った羽を背中に持ち、淡い淡い空色の洋服をひらひらとまとった、あどけないようせいたちと、虫たちや、花たちの、愛らしい詩が8つ。

こがねむし
むぎのほ
ばらのつぼみ
ようせいのおうち
ゆうべのかね
ひなぎく
あき
ようせい

虫たちとたわむれ、花たちをいたわり、きれいなかねで時をつげ、知らせをもたらし、かみさまからの大切なお使いをする、はかなくて強い、ようせいたち。
このすばらしいよろこびが、いつまでもつづきますように・・・。

原書表記はわからないのですが、アマゾン洋書で検索すると、この絵本かもしれません。(表紙などは異なっていますが、邦訳本文イラストの一場面が用いられています)↓

Elfchen

『Elfchen』
Ars Edition GmbH
2006

ようせいの白い花の中で眠る表紙画像は、『ようせいのおはなし』の中の、「ようせい の おうち」のイラスト。
『ようせいのおはなし』の原書が何であるか不明なのですが、もしかすると、この絵本かもしれません。

▲上へ

 

『イエスズさまわたしをしゅくふくしてください』エンデルレ書店

イエズスさまわたしをしゅくふくしてください

↑楽天ブックス(品切れ)↓
イエズスさま
わたしを
しゅくふくしてください

ブープル書店↓
(お取り寄せ扱い)
イエズスさまわたしをしゅくふくしてください icon

『イエスズさま
わたしを
しゅくふくしてください』
こどものいのりのほん
イダ・ボハタ
上田理子
エンデルレ書店
63p
1990年10月

イエスさまと一にちじゅう
イエスさまと一ねんじゅう
イエスさまといのりましょう

と、目次にあります。
清らかな短い祈りが左頁に、清らかな美しいイラストが右頁に、小さな絵本ながらゆったりとした余白を伴って、穏やかに描かれています。

幼子イエスさま、マリアさま、天使たちのお姿とともに、ごく普通の子どもたちの祈る姿などが描かれていて、尊い中にも、自分たちの姿を重ねられるような、美しい親しみやすさがあります。

イエズスさまわたしをしゅくふくしてください』は、『ようせいのおはなし』などの絵本よりも、さらに小さな、手のひらにすっぽり隠れてしまいそうな愛らしい絵本です。
いつもかばんにお守りのようにしのばせて、心穏やかにそっと読みたい、祈りの絵本。

原書は『Lieber Jesus』1977、ars edition.Zug、とあります。
奥付の印刷者も、アルス・エディシオンとあります。
ドイツで印刷された絵本。
手持ちの絵本の中で、この絵本だけは、1990年出版と比較的新しいためか(そして原書版元も異なっているためか)、他の絵本と版型、装丁などが異なっています。
表紙カバーがないことは同じですが、表紙のイラストはシールではなく普通の印刷で、表紙の紙はコーティングが施されています。タイトル文字は型押しではありません。

アマゾン洋書ではこちらなど。↓オレンジ色の邦訳の表紙とは、装丁も表紙イラストも異なっています。

Lieber Jesus

『Lieber Jesus』
Ars Edition GmbH
2003
64 p

アマゾン洋書の表紙画像は、邦訳の7ページのイラストと同じものだと思われます。大きさ、判型などは不明ですが、ページ数はほぼ同じのようです。

▲上へ

 

『うさぎのおやこ』エンデルレ書店

ネット書店で情報記載なし?

え・いだ・ぼはった・もるぷるご 
ぶん・うえだまさこ
エンデルレ書店
昭和53年11月

『うさぎのおやこ
★たまごやさんのオスターハス★』

うさぎのオスターハスはたまごやさん。イースターのたまごをきちんとこしらえて、みんなに配るのが大切なお仕事。ちいさなぼうやもいっしょうけんめいお手伝い。まごころをこめて、届けます。

働き者のうさぎの親子の、ほほえましい詩物語。みんなのために働く喜びに満ちた、すがすがしいエピソードたちに、穏やかなイラストが愛らしさを添えています。

にもつはおもいがこころはかるい。
みみはピョンとたってるし、
くびのリボンはおどってる。
さあたまごをくばりにでかけましょう。
みんなにしあわせあたえるひとは
きっといちぱんしあわせでしょう。
・・・

イースターのたまご職人、うさぎのパパと、ぼうやの、親子のぬくもりと、仕事にいそしむ姿の美しい絵本。
原書表記はわからないのですが、
COPYRIGHT 1936 BY VERLAG JOSEF MUELLER-MUNICH
とあります。
アマゾン洋書で検索すると、絵本の版型、装丁などは異なりますが、関連絵本はこちらでしょうか?↓

Frohe Ostern. Reime und Verse fuer die Osterzeit

『Frohe Ostern.
Reime und Verse
fuer die Osterzeit』
Ars Edition GmbH

表紙のうさぎのおやこのイラストが、邦訳絵本の表紙のイラストと同じだと思われます。
大きさ、版型、装丁などは異なっているようです。

Fritz Osterhas & Sohn

『Fritz Osterhas
& Sohn』
Ars Edition GmbH
2005

表紙画像は、邦訳絵本の2場面目のイラストと同じものだと思われます。
タイトルから推察すると、この絵本が原書でしょうか?

Fritz Osterhas und Sohn. Eier engros

『Fritz Osterhas
und Sohn.
Eier engros』

Ars Edition GmbH
1999

 

邦訳絵本には、表紙のイラストと同じものがありません。
雰囲気がとてもよく似ているので、続編かな?

Im Osterhasen Haeuschen

『Im Osterhasen
Haeuschen』
Ars Edition GmbH
2005

そして邦訳絵本には、直接の関連はなさそうですが、このうさぎの家族の絵本は、もしすすると続編?

▲上へ

 

『なおーるせんせい』エンデルレ書店 品切れ

ネット書店で情報記載なし?

絵・イダ・ボハッタ・モルプルゴ
 文・マルガレーテ・ゼーマン
訳・佐久間彪
エンデルレ書店
昭和44年12月
品切れ

『なおーるせんせい』

すぐにげんきになりますよ
わたしがみればすぐなおーる

なおーる先生はお医者さん。
子どもたちの頼もしい味方です。
私の大事なお人形が、おもちゃが、可愛い犬が、カナリアが、ねこが、病気になってしまったの。
先生、いったいどこがわるいんでしょう?
はやくよくなるように、あれこれためしてはみたけれど。

ははーん、なるほど。
なおーる先生はたちどころに気の毒な病人を診察し、無邪気な女の子を諭します。
犬をちょっとさんぽさせてごらん。
カナリアをかごからだしてやりなさい。
猫のうわぎもくつもぬがせなさい。
・・・

あたたかなユーモアと、小さなものへの愛情に満ちた楽しい絵本。てきぱきとしたなおーる先生の診察ぶりを、「あら、まあ!」というように、目を丸くして眺める小さな女の子のあどけない横顔が、ほほえましくて、好き。
少女と同じくらいの背の丈の白いあごひげのなおーる先生は、小人なのかしら?

コピーライトは、
COPYRIGHT 1935/62 BY VERLAG JOSEF MUELLER-MUNICHとあります。
原書は『DR. ALLSGUT』とあります。
邦訳『なおーるせんせい』の初版は昭和44年とあります。古くから紹介されていたものだったのですね。
この作品は、テキストがマルガレーテ・ゼーマンさん、という方のもののようです。
ロシアのチュコフスキーさんの『アいたた先生』(理論社、品切れ、など)を、どことなく個人的に思い出しました。
アマゾン洋書ではこちらなど(表紙などは異なっていますが、邦訳本文イラストの一場面が用いられています)↓

 

Doktor Allesgut

『Doktor Allesgut』
Ars Edition GmbH
2001

表紙のイラストは、邦訳絵本の一場面で用いられているものと同じだと思われます。


この記事へのコメントを読む*書く
(この記事へ戻るには、ブラウザの戻る、をクリックしてくださいね)

▲上へ

イーダ・ボハッダさんの絵本2
「あ」の絵本箱へ

くどー★La★ちぇこさんの絵本箱へ

HOMEへ
くどー★La★ちぇこさんの絵本日記HOMEへ


Copyright (c)2005-2007 kudolacieko All Rights Reserved