かつて、昭和40年代〜50年代を中心に、エンデルレ書店から、イーダ・ボハッタさんの邦訳絵本が、数冊、出版されていたそうです。 「イダ・ホハッタ・モルプルコ」という表記で、楽天ブックス、ピープル書店などで検索すると、『ようせいのおはなし』という貴重な絵本がヒットします。画像はありませんが、2006年7月現在も、なんと嬉しくも燦然と輝く「在庫あり」の表示(定価は820円+税)、購入可能なのですよ!!!
私物の宝物絵本は、 『ようせいのおはなし▼』 『イエズスさまわたしをしゅくふくしてください』▼(ブープル書店でおとりよよせ可能のようです。この絵本は、他の3冊と、大きさ、装丁などが異なっています) 『うさぎのおやこ』▼ 『なおーるせんせい』▼ の4冊。 その他にも、現在は品切れの絵本たち。 『ハインツェルおじさんのいちにち』 『こびとのハインツェル』 『べとれへむのいちにち』 『おはなたちのごあいさつ』 『ぼくはしろくま』 『こぐまのかぞく』 『もりのなかまのふゆごもり』 『すばらしいなかまたち』 きっと、まだ他にも・・・ これからじっくりと、図書館や古本屋などで探求してゆく、楽しみな絵本たちが増えました!
古い絵本のためか、原書表記などはわからなかったのですが、コピーライトには、 「COPYRIGHT (各絵本の初版年数) BY VERLAG JOSEF MUELLER-MUNICH」 とありました。そして、邦訳絵本の奥付には、 「印刷 絵 ヨゼフ・ミューラー・ミュンヘン」 とありました。 (版元アルス・エディシオン社印刷の、『イエズスさまわたしをしゅくふくしてください』を除く) 当時ドイツで印刷された絵本ということなのですね。
『イエズスさまわたしをしゅくふくしてください』を除いた手持ちの絵本は、共通して、ダストカバーはなく(透明のナイロンカバーがかかっているものもありましたが)、手作りのぬくもりのある、簡素で小さな絵本です。サイズは、童心社のボハッダ絵本とほぼ同じ、愛らしいてのひらサイズ。 表紙は和紙か色紙のようなやさしい手触り。タイトル文字が型押しされていて、その上のイラストは、シールのように、貼られたもの。 古風な雰囲気の、おくゆかしい絵本たちは、たちまち私の宝物となりました。
『ようせいのおはなし』
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イダ・ホハッタ・モルプルコ ふかせあきこやく エンデルレ書店 昭和54年(1979年11月)
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『ようせいのおはなし』
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おくゆかしい小さな青い絵本に、ようせいたちのおはなしが8つ。 小さな虫たちに、可憐な花たちに、大切な麦たちに、小さなばらのつぼみに、かみさまがおつまりになられたものすべてに、イダ・ホハッタさんのやさしいまなざしが注がれ、いのちの喜びにあふれています。
当時すでに邦訳が出ていて、しかも現在も購入できたことに感動しました。
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絵本を開くと・・・トンボのような長い透き通った羽を背中に持ち、淡い淡い空色の洋服をひらひらとまとった、あどけないようせいたちと、虫たちや、花たちの、愛らしい詩が8つ。
こがねむし むぎのほ ばらのつぼみ ようせいのおうち ゆうべのかね ひなぎく あき ようせい
虫たちとたわむれ、花たちをいたわり、きれいなかねで時をつげ、知らせをもたらし、かみさまからの大切なお使いをする、はかなくて強い、ようせいたち。 このすばらしいよろこびが、いつまでもつづきますように・・・。
原書表記はわからないのですが、アマゾン洋書で検索すると、この絵本かもしれません。(表紙などは異なっていますが、邦訳本文イラストの一場面が用いられています)↓
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『Elfchen』 Ars Edition GmbH 2006
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ようせいの白い花の中で眠る表紙画像は、『ようせいのおはなし』の中の、「ようせい の おうち」のイラスト。 『ようせいのおはなし』の原書が何であるか不明なのですが、もしかすると、この絵本かもしれません。
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『イエスズさまわたしをしゅくふくしてください』エンデルレ書店
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↑楽天ブックス(品切れ)↓ 『イエズスさま わたしを しゅくふくしてください』
ブープル書店↓ (お取り寄せ扱い) 『イエズスさまわたしをしゅくふくしてください 』
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『イエスズさま わたしを しゅくふくしてください』 こどものいのりのほん イダ・ボハタ 上田理子 エンデルレ書店 63p 1990年10月
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イエスさまと一にちじゅう イエスさまと一ねんじゅう イエスさまといのりましょう
と、目次にあります。 清らかな短い祈りが左頁に、清らかな美しいイラストが右頁に、小さな絵本ながらゆったりとした余白を伴って、穏やかに描かれています。
幼子イエスさま、マリアさま、天使たちのお姿とともに、ごく普通の子どもたちの祈る姿などが描かれていて、尊い中にも、自分たちの姿を重ねられるような、美しい親しみやすさがあります。
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『イエズスさまわたしをしゅくふくしてください』は、『ようせいのおはなし』などの絵本よりも、さらに小さな、手のひらにすっぽり隠れてしまいそうな愛らしい絵本です。 いつもかばんにお守りのようにしのばせて、心穏やかにそっと読みたい、祈りの絵本。
原書は『Lieber Jesus』1977、ars edition.Zug、とあります。 奥付の印刷者も、アルス・エディシオンとあります。 ドイツで印刷された絵本。 手持ちの絵本の中で、この絵本だけは、1990年出版と比較的新しいためか(そして原書版元も異なっているためか)、他の絵本と版型、装丁などが異なっています。 表紙カバーがないことは同じですが、表紙のイラストはシールではなく普通の印刷で、表紙の紙はコーティングが施されています。タイトル文字は型押しではありません。
アマゾン洋書ではこちらなど。↓オレンジ色の邦訳の表紙とは、装丁も表紙イラストも異なっています。
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『Lieber Jesus』 Ars Edition GmbH 2003 64 p
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アマゾン洋書の表紙画像は、邦訳の7ページのイラストと同じものだと思われます。大きさ、判型などは不明ですが、ページ数はほぼ同じのようです。
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ネット書店で情報記載なし?
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え・いだ・ぼはった・もるぷるご ぶん・うえだまさこ エンデルレ書店 昭和53年11月
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『うさぎのおやこ ★たまごやさんのオスターハス★』
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うさぎのオスターハスはたまごやさん。イースターのたまごをきちんとこしらえて、みんなに配るのが大切なお仕事。ちいさなぼうやもいっしょうけんめいお手伝い。まごころをこめて、届けます。
働き者のうさぎの親子の、ほほえましい詩物語。みんなのために働く喜びに満ちた、すがすがしいエピソードたちに、穏やかなイラストが愛らしさを添えています。
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にもつはおもいがこころはかるい。 みみはピョンとたってるし、 くびのリボンはおどってる。 さあたまごをくばりにでかけましょう。 みんなにしあわせあたえるひとは きっといちぱんしあわせでしょう。 ・・・
イースターのたまご職人、うさぎのパパと、ぼうやの、親子のぬくもりと、仕事にいそしむ姿の美しい絵本。 原書表記はわからないのですが、 COPYRIGHT 1936 BY VERLAG JOSEF MUELLER-MUNICH とあります。 アマゾン洋書で検索すると、絵本の版型、装丁などは異なりますが、関連絵本はこちらでしょうか?↓
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『Frohe Ostern. Reime und Verse fuer die Osterzeit』 Ars Edition GmbH
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表紙のうさぎのおやこのイラストが、邦訳絵本の表紙のイラストと同じだと思われます。 大きさ、版型、装丁などは異なっているようです。
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『Fritz Osterhas & Sohn』 Ars Edition GmbH 2005
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表紙画像は、邦訳絵本の2場面目のイラストと同じものだと思われます。 タイトルから推察すると、この絵本が原書でしょうか?
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『Fritz Osterhas und Sohn. Eier engros』 Ars Edition GmbH 1999
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邦訳絵本には、表紙のイラストと同じものがありません。 雰囲気がとてもよく似ているので、続編かな?
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『Im Osterhasen Haeuschen』 Ars Edition GmbH 2005
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そして邦訳絵本には、直接の関連はなさそうですが、このうさぎの家族の絵本は、もしすすると続編?
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ネット書店で情報記載なし?
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絵・イダ・ボハッタ・モルプルゴ 文・マルガレーテ・ゼーマン 訳・佐久間彪 エンデルレ書店 昭和44年12月 品切れ
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『なおーるせんせい』
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すぐにげんきになりますよ わたしがみればすぐなおーる
なおーる先生はお医者さん。 子どもたちの頼もしい味方です。 私の大事なお人形が、おもちゃが、可愛い犬が、カナリアが、ねこが、病気になってしまったの。 先生、いったいどこがわるいんでしょう? はやくよくなるように、あれこれためしてはみたけれど。
ははーん、なるほど。 なおーる先生はたちどころに気の毒な病人を診察し、無邪気な女の子を諭します。 犬をちょっとさんぽさせてごらん。 カナリアをかごからだしてやりなさい。 猫のうわぎもくつもぬがせなさい。 ・・・
あたたかなユーモアと、小さなものへの愛情に満ちた楽しい絵本。てきぱきとしたなおーる先生の診察ぶりを、「あら、まあ!」というように、目を丸くして眺める小さな女の子のあどけない横顔が、ほほえましくて、好き。 少女と同じくらいの背の丈の白いあごひげのなおーる先生は、小人なのかしら?
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コピーライトは、 COPYRIGHT 1935/62 BY VERLAG JOSEF MUELLER-MUNICHとあります。 原書は『DR. ALLSGUT』とあります。 邦訳『なおーるせんせい』の初版は昭和44年とあります。古くから紹介されていたものだったのですね。 この作品は、テキストがマルガレーテ・ゼーマンさん、という方のもののようです。 ロシアのチュコフスキーさんの『アいたた先生』(理論社、品切れ、など)を、どことなく個人的に思い出しました。 アマゾン洋書ではこちらなど(表紙などは異なっていますが、邦訳本文イラストの一場面が用いられています)↓
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『Doktor Allesgut』 Ars Edition GmbH 2001
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表紙のイラストは、邦訳絵本の一場面で用いられているものと同じだと思われます。
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