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| ■アーネ・オンガーマンさんの絵本 |
1902-1981。デンマークのオーデンセ生まれ。フランス、ドイツで絵を勉強。帰国後はコペンハーゲンの新聞で活躍。児童書の挿絵も多く軽快な画風が親しまれている。 (『せかいにパーレただひとり』偕成社 著者紹介より) |
| 『おひさまがかぜをひいたら』*『せかいにパーレただひとり』 |
| おひさまがかぜをひいたら |
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『おひさまが かぜをひいたら』 アーネ・オンガーマン作 木村由利子訳 文化出版局 1980年 品切れ
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おひさまの仕事は、朝、町中に色を与えること、なのですが、今日にかぎっては風邪をひいてしまって、なんと高熱が何百万度というものすごさ(なんといってもおひさまですからね!)。 そこでおひさまは、みならいの三人のおひさまぼうやに、色塗りの仕事をたくして、にじの色の缶を持たせて、町に送り出しました・・・。
さて、三人のみならいぼうやのお手並み拝見。 さあ、なんといってもみならいですから、とんでもないことになりそうです! やんちゃなおひさまぼうやの無邪気ないたずらに、ふりまわされる人々の顔色がまさしく見もの。
何度でも繰り返しひらきたくなる、のびのびとした古典的絵本。
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原書は、『DA SOLEN BLEV FORKOLET』1960、とありります(正確な表記ができなくてごめんなさい)。
作者のアーネ・オンガーマンさんは、1902年デンマーク、オーデンセ生まれ。デンマークの一流新聞社のイラストレーター、絵本画家として活躍、ヨーロッパ、アメリカなどでも活躍の国際的なイラストレーター、だそうです。 代表作に、『せかいにパーレただひとり』(偕成社 品切れ)、といえば、ピンとくる方もいらしゃるでしょうか。
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『せかいに パーレただひとり』 イェンス=シーゴールさく アルネ=ウンガーマンえ やまのべいすずやく 偕成社
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文字通り、ある日世界中にたったひとりぽっちになってしまった、どこにでもいる普通の少年パーレの、子どもらしい心の軌跡と行動を丁寧にたどった、大らかなファンタジー。 驚きととまどいを経て、この奇異な運命を享受し、唯一神的特権を行使する、大胆無敵な行動が、明るく楽しく描かれています。
だれも見ていなければ、だれも何も言わなければ・・・そもそも、見る人も、言う人も、止める人も、怒るひとも、パーレのほかにだあれもいなくなったのですから、ちいさな少年パーレの良心とか、常識、道徳とか言うべき、心のタガがはじけとんでしまうのもむべなるかな、ですよね。
そして何でもかんでもやりたい放題、楽しくうかれたその後に・・・、きちんとした結末が用意されていますので、何度でも、安心して、くりかえし楽しめる古典的絵本です。 邦訳旧版は確か児童書の体裁だったような気がするのですが、絵本版の版ともに現在は残念ながら品切れのよう。 2006年7月、嬉しい復刊となりました!
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話がそれましたが、『せかいにパーレただひとり』のイラストのアーネ・オンガーマンさんの、文も絵もおかきになった絵本が、この、『おひさまがかぜをひいたら』です。
表紙は、紺色の夜空の、虹の橋の上に、白い天蓋つきのベットが浮かび、真っ赤な鼻に鼻水をたらしたつらそうなおひさまが、くものおふとんでうんうんうなっている気の毒なイラストです。
おひさまの大切な仕事は、朝とともに町中に、いつもと同じ決まった色を与えること、なのですが(光がないと、色もないですよね)、今日にかぎっては風邪をひいてしまって、なんと高熱が何百万度というものすごさ(なんといってもおひさまですからね!)。
そこでおひさまは、みならいの三人のおひさまぼうやをよんで、色塗りの仕事をたくして、にじの色の缶を持たせて、まちに送り出しました・・・。
さて、三人のみならいぼうやのお手並み拝見。 さあ、なんといってもみならいですから、とんでもないことになりそうです!
黒いペンの輪郭線に、パステルかクレパスで描かれた感じの素朴な画風は、派手ではありませんがどこかなつかしくて、かっちりした古き良き昔の絵本という印象。 用いられている色も、青、赤、黄、緑、部分的にピンク・・・と、あまり多くはなく、前半は夜明け前の暗い青色を基調として、レトロですっきりした印象。 ところが同じ抑え目の色数でも、後半から、色が重要なポイントの絵本として、どんどん不協和音的色彩にかわってゆきます。
例えば、動物園のぞうがピンクと青色だったり、鼻血が青色だったり、バナナが赤と青だったり、あまりとりあわせの例を見ない色調に、効果的にどっきりさせられる感じ。
やんちゃなおひさまぼうやの無邪気ないたずらに、ふりまわされる人々の顔色がまさしく見もの。まちの色も見もの。 さあ、めちゃめちゃな色にすっかり大混乱のまちは、一体どうなってしまうのでしょう?
『せかいにパーレただひとり』とはまったく異なるお話ですが、やっぱり、きちんとした王道的結末が待っているので、安心して何度でも楽しめる、古典的作品だと思います。
それから、個人的感想ですが、おひさまとみならいのおひさまぼうや(たち)、という設定、というのが、同じ北欧のロングセラー・ロング絵本『つきのぼうや』(福音館書店)のおつきさまとつきのぼうや、という設定に通づるところがあるように思えて、なんだか奥深く思えます。 両者とも、おひさま、おつきさまが、設定上、男性のように思われ、父と子のイメージを抱かせるところが、ますます興味深し。(もっとも『つきのぼうや』のおつきさまは、子どものような無邪気さをただよわせていますけれども)
もしも図書館などにひっそり眠っていましたら、そっと開いてみてくださいね。
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アーネ・オンガーマンさんの絵本 「あ」の絵本箱へ

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