『あれ、なんだろう?』主婦の友社

あれ、なんだろう?
チャールズ・G・ショーさく 
おびかゆうこやく 主婦の友社 
2004年

あれ、なんだろう?
青一色の背景に、くっきりと白い形。
「うさぎさんだね」
「とりがとんでる」
と一目でうなづきながら、でも、まてよ?と、考えてしまう、なぞめいた美しい輪郭。
次々に形を変える鮮やかな白い形に、これはなにかなと考えをめぐらせてみたり、次はなんだろうと想像力をはたらかせてみたり。絵本の続きを、心の青空に描いてみたり。

原書は1947年初版、いまもさまざまな版で読みつがれている、グラフィカルな古典絵本。

楽天ブックス あれ、なんだろう?

あれ、なんだろう?
シンプルなマリンカラーの表紙に、まずどきり。
ボードブックをめくると、つづいてどきり、

「ぎゅうにゅうが こぼれたの?」

紺碧の地にはっきりと、何かをこぼしたような、ドラマチックな白い跡。

つづいてめくると、

「うさぎさん だね」

もやもやとした白い跡は、耳長の白うさぎに。
このあたりで、小さい子の目が輝きはじめます。

つづいてめくると・・・

小さい子の目はランラン、見定めんと釘付けかも。
爽快な一面の青に、もやもやとした輪郭を残しながらくっきりと際立つ白い形。青と白のみの垢抜けたデザインに、大人の目も喜びます。
英語の原文も併記されていて、レイアウトもおしゃれ。
シンプルな色と形から、想像する楽しみ、絵本を手本に自由に創造する喜びが味わえる、おしゃれな絵本。

ところでこの絵本・・・。
原書は、『It Looked Like Spirit Milk』1947。
アマゾン原書ではこちらなど。↓

『It Looked
Like Spirit Milk』

Trophy Pr、32p

原書は、
ペーパーバック、
ハードカバー、
ボードブックなどなど、
さまざまな版で、
今でも大切に読みつがれています!


どこかで確かに見た、と思ったら、『あれみるくかな?』(ほるぷ出版、品切れ)として、1976年に出版されていたのですね(上記洋書表紙画像と同じ表紙)。
矢川澄子さんによる訳の『あれ みるく かな?』は、ハードカバー、32p。
あれ、なんだろう?』は、「主婦の友はじめてブックシリーズ」の一冊で、角の丸いボードブック、表紙裏表紙もあわせて、22p。
その表紙も、用いられている紙質も、印刷の色の仕上がりも、それぞれに異なり、そもそもの版型が異なるので、イラストの大きさも異なっています。そして一番異なるのは、用いられているイラストの数。
あれ、なんだろう?』は、『あれ みるく かな?』より、4場面、少なくなっています(たとえば、上記洋書表紙画像の真ん中のもやもやの「てんし」は、『あれ、なんだろう?』にはありません)。ページ数の関係かな?赤ちゃん向けに厳選したのかな???

それにしても生まれたての赤ちゃんのように好奇心いっぱいで、しぼりたてのミルクのように滋養たっぷり、心に青空が広がっていくような自由な絵本。
祝、復刊!


この記事へのコメントを読む*書く
(この記事へ戻るには、ブラウザの戻る、をクリックしてくださいね)

▲上へ

あれ、なんだろう?
「あ」の絵本箱へ

くどー★La★ちぇこさんの絵本箱へ

HOMEへ
くどー★La★ちぇこさんの絵本日記HOMEへ


Copyright (c)2005-2007 kudolacieko All Rights Reserved