■アン・ジョナスさんの絵本
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1932年ニューヨーク、フラッシング生まれ。高校卒業後いくつかの仕事を経て、アメリカのクーパーユニオン(Cooper Union for the Advancement of Science and Art)卒業。同校卒業生のDonald Crewsドナルド・クルーズさんと結婚。グラフィックアーティストで、絵本作家でもあるドナルド・クルーズさんとその編集者のすすめにより、絵本の世界に入る。著書多数。 |
*『光の旅かげの旅』*『あたらしいおふとん』*洋書 |
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『光の旅 かげの旅』 アン・ジョナス 内海まお訳 評論社 1984年
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グラフィカルですっきりとした直線、まろやかな曲線、さらさらの砂のような点、リズミカルに際立つフォルムの、白と黒の夢のような風景をたどって、都会まで旅したらあら不思議。
本をさかさまにしてごらん!
あざやかな白と黒の反転、巧みに伏せられていた直線と曲線のマジックが、いま鮮やかに広がって、たちまち足元が覆されます。 同じ道だと思っていたのに、未知の道! さあ、輝く都会に別れを告げたら、胸いっぱいに新鮮な空気を吸い込んで、懐かしい我が家へ帰りましょう・・・。
目も覚めるような鮮やかなフォルムの、巧みなだまし絵で、小気味よく世界観がひっくりかえります。 子どもたちもびっくり、1冊で二度の不思議な旅が楽しめる、あっぱれな目だまし絵本。
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アマゾン洋書はこちらなど。↓
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『ROUND TRIP (ペーパーバック)』 Mulberry Books; Reprint版 (1990/11)
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原書は『ROUND TRIP』(William Morrow& Copany,Inc.,New York,1983とあります。 アマゾン洋書のリストでも、現在も普通に購入できるようで、海外でも人気のロングセラーなのですね!
上記画像は洋書のものですが、表紙をごらんください。 白と黒の巧みなバランスと配置が際立って美しく、直線と曲線のおりなすリズムが心地よい旅へといざなう、不思議な不思議な表紙です。 ゆったりと川に映る月影のように、鏡あわせのように、上下、白黒の逆に配置されたタイトル文字にご注目。 あれっと思ったら・・・本をさかさまにしてごらん!
このエントリ上では、絵本の天地をひっくりかえすのが困難なのが残念ですが、さかさまに見ても、きちんと絵になっている、というよりむしろ、まったく別の絵にみえてしまう、オドロキの絵本。
図書館などでふと本棚から取り出すと、 「あれ? さかさまだっけ?」 と、あわてふためき、背表紙で再確認すること間違いなし(?)。
さかさま、というのは半分正解で、半分は正しくありません。なぜなら、この絵本は旅の絵本で、一度ページ順に美しい往路をたどって目的の都会に達した後、さて帰り道と絵本をさかさまにすると、全く異なる新たな帰路が待っているという、目の錯覚を利用した巧みな仕掛けがほどこされている絵本だからです。 つまり、一冊で2冊分。 行き道のキップだけ買ったつもりだったのに、往復の汽車にのれちゃった、という感じです(笑)。
ストーリーは、とてもシンプル。 明け方に田舎の我が家を車で出発して、だんだん都会へと変わってゆく風景を心地よく眺めながらひた走り、目的の街へ到着、街の景色も楽しむ「光の旅」と、太陽が沈む街をなごりおしく後にして、また行き道とは異なる美しい風景を眺めながら、あるいは行き道との昼夜の変化がもたらす美しい景色を楽しみながら、再び我が家に帰り着く、「かげの旅」の二つからなっています。
白と黒、光と影で美しくきっぱりと構成された、何だか近未来的な、不思議な立体感のあるイラストは、無重力空間にときはなたれたらこんな感じかしら、というような、不思議な雰囲気に満ちています。
3姉妹の目にも、全く新鮮で摩訶不思議でたまらなかったらしく、読み聞かせのあとも、飽きず絵本をさかさまにして、こころゆくまで自分たちの旅に出かけていました。
この絵本は近くで普通にながめても面白いけれど、少しはなれたところから全体的にとらえても、また違った味わいがあるのでは。 読み聞かせ会などでご利用になるのもいいかもしれません。
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『あたらしいおふとん』 アン・ジョナス作 角野栄子訳 あかね書房 1992年
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大切な古着を両親にパッチワークに仕立ててもらった女の子が、あたらしいおふとんをつくづくとながめて、古い思い出を新しく発見するうちに、いつしか目の前に広がる不思議な世界をさまようひとときのファンタジー。 思い出も、古いものも、大切に、いつまでも。
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みて、このおふとん。 パパとママがつくってくれたの。あたしのおふるをつかってね。
あっちはパジャマ、こっちはだいすきだったズボン、みんなみんなちいちゃくなっちゃった。
あのきれはどこかな・・・あら、ここ、おうちのかたちしてる。 このおふとん、ちっちゃなまちみたい・・・。
ふと気が付くと、サリーがいません。女の子の大切なお友だちのぬいぐるみの犬のサリー。
サリー? サリーはどこかしら?
女の子はサリーをさがして、初めて見るような、デジャヴュのような、不思議になつかしい夢のような世界をかけぬけます・・・。
両親の大きな愛に包まれて、夢と空想と思い出のつばさの大きく広がる、とても愛らしいのびやかな絵本。 パッチワークに用いられている布の小花模様や、チェックやストライプなどの細やかな模様が、カラフルにみずみずしく、すみずみまで丹念に描かれています。 読後ひとつひとつひろいあげて、女の子の夢と対比させてみるのも、楽しい楽しいお仕事かも。
原書は『The Quilt』William Morrow&Companiy,Inc.,1984。この絵本は、作者の長女ニーナさんに捧げられた絵本だそうです。(表紙カバー裏、著者紹介欄より)
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『The Quilt (ハードカバー)』 William Morrow & Co (1984/10)
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著書も多く、アメリカで高い評価を受けている作家だそうで、気になる洋書はこちらなど。
『Reflections (ハードカバー)』 William Morrow & Co (1987/09)
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『Splash! (ペーパーバック)』 Mulberry Books (1997/03)
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『The Trek (図書館)』 Bt Bound (1989/05)
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『Watch William Walk (図書館)』 Greenwillow (1997/04)
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